アフターアワーズ

文化・社会トピック切抜き帖

「少し話して、長く話して」【日米首脳会談とその後】

4月17日-19日に安倍首相は訪米し、トランプ大統領との首脳会談に臨んでいる。今回は北朝鮮情勢のほか、日米二国間の懸案である貿易問題が大きなウェイトを占める。

日本は貿易問題に関しては今秋行われるアメリカの中間選挙が終わるまでのらりくらりと引き延ばすのが賢明。

  • 非関税障壁が・・・」ときたら「いやいや、アメリカは日本からの自動車に関税かけているでしょ?話はまずそこから・・・」。
  • 「二国間のFTA・・・」と切り出されれば「鉄鋼の件で貿易管理やるぞと先に言われているのに自由貿易の話しようと仰られても・・・」。
  • 「TPPの再交渉」を持ち出すなら「抜けたのそっちだから。もし入りたいなら貴国が合わせるのが当たり前」で終わり。

という具合に逃げを打ち続け、一方でアメリカとへその緒で繋がっているチャイナとの経済対話、TPP11、EUや英国との経済連携の更なる強化をどんどん進める。その間に世界は南北朝鮮、米朝、中朝(舞台をピョンヤンに移して)首脳会談があって大騒ぎ。ほとぼりが冷めるともう中間選挙。選挙の結果が出た後に電話して「お疲れ様。ところで例の話、まだする気ある?」と言えばいい。日本側だって安倍首相(自由民主党総裁)の去就が不透明だし、秋まで何か決める理由はない。

なお北朝鮮拉致問題は日本政府、日本国民の意思により北朝鮮と交渉して解決する問題であり、アメリカやトランプ大統領には直接関係ない話。当然ながらこの問題と貿易をリンクさせるなんて全くあり得ないこと。日米が一致する必要があるのは北朝鮮の核・ミサイルについて。かつてのSS-20のようなことにならないよう、トランプ大統領に釘を刺しておく。それだってどうなるか分かったものじゃないのだから今や日本は自らどう立ってゆくかを真剣に具体化する時。

headlines.yahoo.co.jp

My Favorite Things Special【シャーロック・ホームズ正典短編ベスト10②】

※一部ネタばれあり※前回の続き。

choku-tn.hatenablog.com

第8位:銀星号事件(『シャーロック・ホームズの回想』)

ラストシーンは競馬のルール上あり得ない展開だし、銀星号の行動の動物学的矛盾もしばしば突っ込まれる作品。しかしホームズの驚くほど快活な行動ぶり、大胆な推理(犬と羊!)、ときにユーモラス、ときに皮肉っぽく、ときに凄みを利かせる会話術の巧みさは小さい欠点を吹き飛ばす。グラナダテレビ制作のテレビドラマ版は終盤に脚色を加え、競馬シーンの無理をなくしている。ロス大佐役のピーター・バークワースがチャーミングだった。

第7位:ソア橋(『シャーロック・ホームズの事件簿』)

ドイル晩年の佳作。ワンアイデア勝負の短編としてもコンパクトな内容だが被害者、依頼人、被疑者のインパクトなど別の魅力もあって再読できる出来ばえ。テレビドラマ版は3者の関係や依頼人とホームズのさや当てを丁寧に描き、起伏のあるエピソードに仕立てている。

第6位:金縁の鼻眼鏡(『シャーロック・ホームズの帰還』)

犯人が現場に落とした鼻眼鏡を手にしてその顔だちまで探るホームズの推理が絶妙。『青いガーネット』における帽子の推理の二次使用だが今回は犯人と繋がる強力な物証ゆえ、ホームズの推理の鋭さが違う。テレビドラマ版には何と原作にないチャールズ・グレイ演じるマイクロフト・ホームズが登場し、この推理を行う。さらに終盤のクライマックスでホームズが自らの推理の確証を得るために煙草の灰を利用するシーンはマイクロフトの嗅ぎ煙草に変更。

物語の核心を握るコラム教授のキャラクターは強烈。脇役まで魅力ある人物を創出するドイルの才気が発揮。

回想のシャーロック・ホームズ(創元推理文庫)

シャーロック・ホームズの復活(創元推理文庫)

シャーロック・ホームズの事件簿(創元推理文庫)

予想外の快挙【小平智選手PGAツアー初優勝】

ヘリテイジは1969年に始まった招待トーナメント。第1回チャンピオンがアーノルド・パーマー、以降ニクラウス、ミラー、ワトソン、ファルド、ランガー、アーウィン、ラブ三世など錚々たる顔ぶれが優勝者に名を連ねる(1977年には日本でおなじみだったグラハム・マーシュが優勝)。会場の風光明媚なハーバータウンゴルフリンクスサウスキャロライナ州ヒルトンヘッド)は1966年、ジャック・ニクラウスが友人ピート・ダイと共同設計したコース。今や現役屈指の名設計家として高い評価を受けるニクラウスの最初期の代表作。20代半ばでコース設計に目を向けたニクラウスの意識が興味深い。

現代のPGAツアーの開催コースの中でハーバータウンは短く(7099ヤード・パー71)平坦な一方、グリーン周りまで気が抜けない。ショットの高いレヴェル、ショートゲームのうまさを求めるデザイン。アメリカでは珍しくOBが結構あり、日本のコースと視覚印象が近い。

従ってショットの精度が武器の小平選手にとってイメイジの作りやすい、テクニックが生きるコースといえた。強豪ポールターなどの後退、同伴競技者が紳士的なショットメイカーのビル・ハースとレアードだったこともラッキー。14番のグリーン外からのバーディで差を縮め、強風のなか最終ラウンド66をマーク。そしてプレーオフ3ホール目にこの日好調のパットを決め、プレイヤーズ覇者のキム・シウを破った。状況の追い風をものにした見事な優勝。

小平選手の快挙に関してジャンボ尾崎プロが独特の表現で祝意を表した。

news.golfdigest.co.jp

ジャンボらしい率直かつひねりの効いたコメント。世界中のどこでも勝てる選手は松山英樹選手くらいだが、小平選手以外にも戦えるコースで自身の引き出しをうまく開ければ海外で勝てそうな日本人選手はいる。どこまで前向きにやれるかだろう。
小平選手もコロニアルなどテクニックの求められるコースなら2勝目がありうる。優勝でシードを得たのである程度試合を選べるからじっくりやって欲しい。

音楽を聴く馬力が急降下【ヒーリングで疲労困憊】

4月14日、九段下の九段教会でコンサートを聴いた。いわゆるヒーリング系の出し物でヴォーカル、フルート、ピアノのソロやアンサンブル。みんな優しいタッチの曲ばかり。ところが演奏中どんどん疲労していく。眠いのでなくとにかく疲れを覚えるのだ。「鳥の歌」がうんざりするほど長く感じるほど。申し添えるが演奏や歌唱がヘタなのではない。極上とは言えずとも公の水準には余裕で達していた。なのにしんどい。

2017年のスクロヴァチェフスキの逝去でクラシック音楽に囲まれた青春時代の終わりを悟り、クラシック音楽に対する情熱の低下を自覚したが、馬力も落ちたみたい。

4月28日に坂入健司郎指揮の東京ユヴェントスフィルハーモニーの演奏会に行く予定。ドヴォルザークのチェロ協奏曲(ルトヴィート・カンタのチェロ!)、ベートーヴェンの英雄など14日と違って素晴らしく濃いプログラム。しかもパルテノン多摩まで足を運ぶ。途中でぐったりする気がして心配。最後までもつだろうか。

※文中敬称略

東京ユヴェントス・フィルハーモニー

あなどれない!NHKラジオ「名曲スケッチ」【日本楽壇の功労者がズラリ】

NHKの「名曲アルバム」は約40年続いている超長寿音楽テレビ番組。このラジオ版として「名曲スケッチ」が存在する。

www4.nhk.or.jp

かつて「名曲アルバム」用に収録した音源を流すのだがその顔ぶれにビックリ。指揮者なら山田一雄、森正、井上道義、ピアニストは松浦豊明、清水和音仲道郁代、ヴァイオリニストだと江藤俊哉、外山滋という具合で戦後日本楽壇の重鎮から現在も活躍中の名手まで粒ぞろい。往年のファンには懐かしいし、若い聴き手にとっては話だけの存在を実体験できる機会。楽しく贅沢な10分間。

My Favorite Things:阿川弘之『食味風々録』【食から浮かぶ文士の情と品位】

https://www.instagram.com/p/Bhg4t8mhJZ1/
2015年再文庫化。健啖家として知られた文士の「食」の回想録。鰻を巡る思い出、海軍時代の戦友から送られてくる品物が呼び覚ます過去の記憶、海外の珍味…食べ物の薫りに乗って人生の襞を感じさせる文章は味わい深い。邱栄漢さんと月餅の話など心和む。再文庫化は著者の逝去直前、介護施設にいた著者は原稿を再度あらためたという。最後まで文士の矜持は健在だった。#読書 #阿川弘之 #偉大な父親 #健啖家 #阿川佐和子 #美食 #珍味 #随筆 #中公文庫 #鰻 #キャビア
最も敬愛する文士。品格漂う簡潔な文章で海軍を舞台にした小説はいかなる状況においても浮かび上がる人間の揺れ、美しさ、やるせない姿を描いた。当意即妙、辛口のユーモアが冴える随筆も巧みだった。

食味風々録 (中公文庫)

食味風々録 (中公文庫)

食味風々録 新潮CD

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2018/4/12読売ジャイアンツ-横浜DeNAベイスターズ@東京ドーム【5連勝と6連敗】

https://www.instagram.com/p/Bhd1Mo3hMOr/

本日はこちら。ジャイアンツ-ベイスターズ。#巨人 #ジャイアンツ #ベイスターズ #denaベイスターズ #4月12日 #東京ドーム #ナイトゲームf:id:choku_tn:20180413014321j:plain

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かつての同級生から誘いを受け、スターシートと呼ばれるネット裏シーズンシートにて観戦。最高の場所で球音、内野手のグラブ捌きなど野球の醍醐味を堪能した。

https://www.instagram.com/p/BheAhjgh6hO/

ジャイアンツのラッキーセブン。#4月12日 #ジャイアンツ #巨人 #東京ドーム #ベイスターズ #denaベイスターズ #闘魂こめて #ラッキーセブン

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https://www.instagram.com/p/BheF3BDhNTC/

試合終了。6-4でベイスターズ勝利。東投手はプロ初勝利。ジャイアンツは6連敗。#巨人 #ジャイアンツ #ベイスターズ #denaベイスターズ #東投手 #プロ初勝利

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[東投手とDeNAラミレス監督]

ベイスターズは初回3点入れた後、2アウトから2点追加したことに加え、大和選手の好守が光った。

生で見てジャイアンツの高橋由伸監督が全くのダメ監督だと改めて実感。せっかく打線を組み替え、坂本が出塁しているのに吉川にバントさせず、仕掛けもしない。そうこうしているうちにツキが逃げ、8回に守備のミスから致命傷を負う始末。あまりに無為無策。やはり昨シーズン終了後に解任が妥当だった。

choku-tn.hatenablog.com

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