クラシックコンサート
昔、OEKでたくさん聴いたチェロのルトヴィート・カンタの風貌の変化(しなやかな組み立てと品格漂う木目調の音色は健在)に年月の経過を感じた。こちらも歳取った。#クラシック音楽 #コンサート #東京ユヴェントスフィルハーモニー #坂入健司郎 #ドヴォルザ…
俗に言う「ドボコン」。第3楽章の潮が引いてからチェロが連綿と燻し銀の哀愁に満ちたメロディを弾くところがお気に入り。 ロストロポーヴィチ〔チェロ〕、小澤征爾指揮、NHK交響楽団 Dvořák: Cello Concerto + 1 / Rostropovich Ozawa NHK Symphony Orchestr…
4月14日、九段下の九段教会でコンサートを聴いた。いわゆるヒーリング系の出し物でヴォーカル、フルート、ピアノのソロやアンサンブル。みんな優しいタッチの曲ばかり。ところが演奏中どんどん疲労していく。眠いのでなくとにかく疲れを覚えるのだ。「鳥の歌…
1月のブログでモーツァルト没後200年の1991年にヴォルフガング・サヴァリッシュ指揮、ウィーン交響楽団が中心となって武道館で行ったオールモーツァルトプログラムのことを記した。 choku-tn.hatenablog.com 1991年9月11日~13日に開催されたようだが他にも映…
現在最も大胆に作品の美の核心を描くピアニスト、それが阪田知樹(1993年生まれ)。 19歳で2013年第14回ヴァン・クライバーン国際ピアノコンクールファイナル進出、2016年にはフランツ・リスト国際ピアノコンクール(ブタペスト国際音楽コンクール)優勝を果た…
思い出から俊英の拓く新たな1ページまで 20年以上前、ヴォルフガング・サヴァリッシュがフィラデルフィア管弦楽団と来日してベートーヴェンチクルスを行い、公演の模様はFMで中継された。この放送を聴いて初めてベートーヴェンの交響曲第3番「英雄」を聴いた…
2018年2月25日 サローネ・フォンタナ ヴァイオリン:菊池武文、谷崎大起 ヴィオラ:世川すみれ チェロ:渡邉ゆかり ピアノ:三好駿 案内:水野蒼生 〔演奏曲目〕 ワーグナー(三好駿編曲ピアノ五重奏版):楽劇「トリスタンとイゾルデ」前奏曲 ドビュッシー:弦楽四…
夏場の氷代稼ぎコンサートでよく取り上げられるのが「三大交響曲」と言われるベートーヴェンの交響曲第5番、シューベルトの交響曲第8(7)番「未完成」、ドヴォルザークの交響曲第9番「新世界より」。 誰がこう呼び始めたかは不明だが読売日本交響楽団は「三…
エフゲーニ・スヴェトラーノフ指揮、NHK交響楽団/ベートーヴェン:交響曲第9番 佐藤しのぶ〔ソプラノ〕 永井和子〔アルト〕 市原多朗〔テノール〕 多田羅迪夫〔バス〕 国立音楽大学〔合唱〕 1995年12月23日(土)NHKホール 自らの意思で行った初めてのクラシ…
指揮者・水野蒼生が代表を務めるオーケストラO.E.Tのメンバーなどによる室内楽公演「Salon」については以下の記事で紹介した。 choku-tn.hatenablog.com 今回はプログラムに焦点を当てて綴ってみる。 ワーグナー:楽劇「トリスタンとイゾルデ」より前奏曲(三…
指揮者・水野蒼生が主宰するライヴハウスで味わう新感覚クラシックピアノソロコンサート「東京ピアノ爆団」の第3回公演が2018年2月4日、吉祥寺Star Pines Cafeで行われた。会場は満席の盛況。 本公演のコンセプトや出演者、主な曲目は以下の記事に記した。 ch…
「爆団」の中身を少し解剖 指揮者・水野蒼生が2016年から主宰し過去2回大成功を収めた自由に楽しめる超一級ピアノライヴ「東京ピアノ爆団」の第3回が2018年2月、東京(2月4日)と神戸(2月16日)で開催。以前ブログでその概要を記した。 choku-tn.hatenablog.…
2014年以来毎年1月にJ.S.バッハのゴルトベルク変奏曲を弾くコンサートを開いているピアニスト髙橋望。2年目の2015年のライヴ録音盤が「レコード芸術」準特選など高い評価を獲得。以降バッハの第一人者として全国各地でレクチャーを開催、多くの好楽家に親し…
2017年7月に結成公演を大成功させた指揮者・水野蒼生率いるオーケストラO.E.Tが2018年再始動。それに伴い2月25日、室内楽の別動隊「Salon」をスタートさせる。 ベルリンフィルやウィーンフィルはいずれもメンバーによる室内楽活動を盛んに行っている。個々の…
青春の一部だった指揮者・作曲家 今から20年ほど前、NHK教育「N響アワー」で「長い名前の指揮者だなあ」と思いながらプロコフィエフやシューマンを聴いたのがミスターSことスタニスラフ・スクロヴァチェフスキとの出会い。その後、読売日本交響楽団やNHK交響楽…
老いゆくなかで奏でた清澄な息遣いの歌 残念ながら若杉弘(1935-2009)の素晴らしい演奏を生では聴けなかった。私がクラシックを聴き始める1995年秋の少し前がこの指揮者の全盛期だったから。もちろん若杉は亡くなる1年ほど前までコンサート、オペラの両面の…
気鋭の指揮者とオーケストラがさらにワンステップ踏み出す 今夜はなかのZERO大ホールで行われたこちらの公演に足を運んだ。創立60周年という佐多達枝・河内昭和バレエスタジオの第56回発表会。 私が観賞したのは第2部の合唱舞踏劇「戴冠ミサ」のみ。簡単に言…
半世紀前の風景 晩年、サイトウ・キネン・オーケストラ、水戸室内管弦楽団のリーダー格だった潮田益子(1942-2013)はソリストとして脚光を浴びた1967年と1968年にバルトーク:ヴァイオリン協奏曲第2番の音源を遺している。幼少期から才能を発揮し、シゲティに…
神童から大音楽家への道程 サー・ユーディ・メニューイン(1916-1999)は約70年の音楽人生の後半、指揮活動に力を注いだ。巧みなバトンテクニックは持ち合わせず、響きが整っていない録音も多い一方、生まれ持っての音楽の核心を見抜く洞察眼から導かれた、エ…
クラシックコンサートポスターの「常識」を吹き飛ばす 先般のブログで指揮者の水野蒼生が主宰する新感覚、かつ正攻法のクラシックピアノライヴパフォーマンス「東京ピアノ爆団」を取り上げた。 choku-tn.hatenablog.com 公演を約2ヶ月後に控え、webポスター…
もう好きなものしか指揮しない ロシア革命は悲劇 ロシアの重鎮指揮者で読売日本交響楽団名誉指揮者のユーリ・テミルカーノフ(1937-)が2018年2月の客演を前に読売新聞のインタビュー取材に応じた(サンクトペテルブルク、モスクワ支局花田吉雄、12月7日朝刊…
あのO.E.Tの代表が仕掛ける音楽爆弾!? 2017年2月にオーケストラ・アンサンブル東京(O.E.T)を結成、クラウドファンディングにより7月の結成公演を大成功させた指揮者の水野蒼生。彼については何度かブログで取り上げた。 choku-tn.hatenablog.com choku-tn.h…
緊張から光彩陸離へ 2017年10月11日(水)サントリーホール19時開演 【プログラム】 リスト:オーベルマンの谷(巡礼の年第1年スイスより第6曲) ショパン:ピアノ・ソナタ第3番 -休憩- ラフマニノフ:前奏曲op.3-2 ラフマニノフ:前奏曲op.32より第12番、第13番 …
9月26日のブログで取り上げた瀬﨑明日香のリサイタルに足を運んだ。 choku-tn.hatenablog.com 〔演奏曲目〕 モーツァルト:ヴァイオリン・ソナタK.296 リヒャルト・シュトラウス:ヴァイオリン・ソナタ ~休憩~ ラヴェル:ツィガーヌ フランク:ヴァイオリン・ソナ…
線が太くしかも敏捷な音楽の大型奏者 瀬﨑明日香はほんのり色気の漂う美音で骨格のがっしりした力感のある音楽が持ち味のヴァイオリニスト。作品全体の論理を見据える知性があり、しなやかな輪郭の解像度の高い響き。楽想の変化に反応してスパッと切り返す鋭…
前回のブログで記した通りO.E.T(オーケストラ・アンサンブル東京)の結成記念公演が7月20日に行われた。私は残念ながら当日伺えず、やむなく母を代打に立てたが成功と言える内容だったようだ。 響きの扉を開けた日【O.E.T@7/20"Opening"】 - アフターアワー…
特殊なものだけ見て全体をイメイジする愚かしさ 市井やネットでしばしば見掛ける声として「クラシック音楽のコンサートは値段が高い」というものがある。もし面と向かって言われた場合、相手になぜそう思うか尋ねるのだが、すると返ってくる答えは大概こうだ…
とうとうやってきた。2017年(平成29年)7月20日、渋谷区文化総合センター大和田さくらホール。オーケストラ・アンサンブル東京の結成記念公演。オール・ベートーヴェン・プログラム。当日は予定のプログラムに先立ち、オープニングに指揮者・楽団代表の水野蒼生…
本ブログで何度か取り上げてきたオーケストラ・アンサンブル東京(O.E.T)の結成記念公演がいよいよ明日7月20日に迫った。 https://twitter.com/o_e_tokyo/status/88709963436717670540人編成のオーケストラが最適なサイズのホールで繰り広げるクラシック音…
哲学者の田代伶奈、ピアニストの三好駿、そして指揮者・O.E.T代表の水野蒼生の鼎談。 http://nebulaph.com/dialog/classicalmusic/ 若い音楽家2人がいまクラシック音楽をフレッシュな形で世に問う背景を中心にしながら、それぞれが想う古典を学ぶ意義、古典…