アフターアワーズ

山椒系ちょくの切り抜き帖

クラシック音楽

【夏休みスペシャル】タクトの残影~元ヴィオラ奏者の語る平成の読響

はじめに 前史:昭和末期から平成初期の読響 ゲルト・アルブレヒト:躍進の立役者 ゲンナジー・ロジェストベンスキー:マジシャン スタニスラフ・スクロヴァチェフスキ:偉大な音楽の体現者 終わりに:「令和の読響」へ アンコール:マゼールの「復活」の思い出 はじ…

2019/7/31:井上道義指揮、読売日本交響楽団【令和最初の名演に出会う】

近年最高のコンサート。リズムの論理的処理の上で各パートは美麗に磨き込み、峻厳な響きを構築、展開した。第3楽章冒頭の低弦の刻みから高弦への移行の精妙さは身震いするほどで録音には収まらない水準。読響の強靭で機動力もあるアンサンブルが指揮者の求め…

天才ヴァイオリニスト鍵冨弦太郎、13年ぶりのソロアルバム【身につけた艶とスケール】

2003年日本音楽コンクール第1位に輝き、翌年メジャーデビューした鍵冨弦太郎。小澤征爾や秋山和慶から絶賛された瑞々しくスピード感のある音楽作りは聴き手の心をつかみ、将来の大器と目された。 一時のブームを経て2010年以降は華々しいソリスト活動より室…

※拙稿掲載PR※intoxicate#140【マゼール、渡邉康雄、山本貴志】

上記フリーマガジンに以下3タイトルのレビューを寄稿。 ①ロリン・マゼール指揮、読売日本交響楽団/マーラー:交響曲第2番(読売日本交響楽団) 各パートの鳴りは身を切り裂く鋭利さ、それを組み合わせ、積み重ねてフィナーレは陰陽光陰が稜々と響き渡る。読響…

M.エルマンの弾くベートーヴェン:ヴァイオリン協奏曲【「オレ流」を通せた時代】

クラシック版「笑ってはいけない」。ヴァイオリンでこんな音の曲げ伸ばしをやるなんて。カデンツァは古老の小咄。平然とバックを構築するショルティは大したタマ。#エルマン #ショルティ #ベートーヴェン #ヴァイオリン協奏曲 #クラシック音楽 #ユニバーサル…

コヴァセヴィッチ〔ピアノ〕/バルトーク:ピアノ協奏曲【原稿作成が捗る曲!?】

1番、2番の面白さ、カラフルな魅力を教わった。コヴァセヴィッチの名前にビショップがついていた頃。こちらの俵氏の著作で早くから知っていたが最近初めて聴いた音源。https://www.instagram.com/p/BgMAtgTnG-s/?igshid=maubqg12vd41 #バルトーク #ピアノ協…

C.von.ドホナーニ指揮、クリーヴランド管弦楽団/ワーグナー:楽劇「ワルキューレ」【未完の名盤】

橋のかかる場面で実際の雷鳴音をインサート。各パートを極薄の刃に研ぎ、スコアの外科手術。臓器の働きや血流までよく見えること。歌手の声の演技も上々。#ラインの黄金 #効果音 #ドホナーニ #クリーヴランド管弦楽団 #decca #セッション録音 #ユニバーサル…

朝比奈隆指揮のワーグナー「指環」【時を経てますます重みが増す壮挙】

朝比奈隆指揮、新日本フィルハーモニー交響楽団/ワーグナー:楽劇「ニーベルンクの指環」全曲(山野楽器)1984年~1987年に1作ずつ行われた演奏会形式公演のライヴ録音。オール日本人キャスト、スコアの指定通りの楽器編成による。もちろん原語(ドイツ語)。…

没後5年ゲルト・アルブレヒト【読響躍進の貢献者:1935-2014】

ゲルト・アルブレヒト指揮、読売日本交響楽団/マーラー:交響曲第9番(非売品)1997年12月13日、サントリーホールにおけるライヴ録音。速いテンポで研ぎ澄まされた、熱の孕む響き。作品の緊密感を強靭に打ち出す。平成の後半、大きく躍進した読響、ここから…

5/9:北村英治ほか「即興の精神」@東京工業大学【音楽における「若さ」を想う】

北村英治さんに脱帽。伸び、艶やかさ、音の敏捷性の全てが完全現役の音楽。100歳までスイングしてほしい。#北村英治 #90歳 #ジャズ #クラリネット #東京工業大学 #東工大 #大岡山 #5月9日 #2019年 #令和元年 #驚異 #高浜和英 画像の通り前半は若い2人がクラ…

5/3@LFJ2019第1日【トリオ/水谷川優子/Aoi Mizino】

久々の参戦。No.123のベレゾフスキーたちによるチャイコフスキーのトリオを聴いた。疲れた。#ラフォルジュルネ #東京国際フォーラム #ホールb7 #2019年#5月3日 #令和元年 #ベレゾフスキー #チャイコフスキー #ピアノ三重奏曲 #クラシックコンサート #クラシ…

実演でこそわかる魅力と難しさ【2019/4/12@信時潔:交声曲「海道東征」コンサート】

本日はこちら。#4月12日 #平成31年 #信時潔 #海道東征 #大友直人 #東京フィルハーモニー交響楽団 #東京芸術劇場 #クラシックコンサート #クラシック音楽 アンコール。日頃のコンサートと客層がまるで違った。#大友直人 #東京フィルハーモニー交響楽団 #信時…

声とピアノのダイヤモンドが輝き合う【2019/7/18:西村悟&阪田知樹デュオリサイタル】

2016年フランツ・リスト国際ピアノコンクール優勝以降、進境著しいピアニスト阪田知樹については幾度か取り上げた。 choku-tn.hatenablog.com choku-tn.hatenablog.com choku-tn.hatenablog.com そして元号も「令和」に変わって迎える7月、テノールの若手注目…

「予習病」が災いして【2019/3/10@坂入健司郎指揮、東京ユヴェントス】

3月10日はこちらに。ほぼ満員の盛況。ご同慶の至り。#坂入健司郎 #東京ユヴェントス #東京ユヴェントスフィルハーモニー #第一生命ホール #第18回定期演奏会 #ベートーヴェン #ストラヴィンスキー #ラヴェル #石上真由子 #クラシック音楽 #コンサート #オー…

intoxicate#138「俵孝太郎のクラシックな人々」【”ドボコン”の思い出】

俵孝太郎氏イチオシ。L.ヘルシャーはかつて朝比奈隆や園田高弘と共演した。朝比奈さんいわく「よく呑みました。下手だったけど熱演型で面白かったな」。いや、下手ではないと思う(笑)。キューンとした内に向かって語る音色。カイルベルトのバックは活気ある…

2019/3/10【坂入健司郎指揮、東京ユヴェントスvsベートーヴェン:交響曲第8番】

入念な解析で作品の論理と核心に宿す風土感を瑞々しく響かせる俊英指揮者、坂入健司郎のことは幾度か取り上げた。 choku-tn.hatenablog.com choku-tn.hatenablog.com 2019年3月10日、彼らが再びベートーヴェンの交響曲に対峙する。第5番と第8番。前者は「運…

2/13:岡本侑也〔チェロ〕+阪田知樹〔ピアノ〕【世界基準の図抜けたデュオ】

アンコールはD.ポッパーのハンガリー狂詩曲。2人に感謝。#阪田知樹 #岡本侑也 #チェリスト #チェロ #ピアノ #ピアニスト #デュオ #室内楽 #都民芸術フェスティバル2019 #都民芸術フェスティバル #東京文化会館小ホール #2019年 #2月13日 #アンコール #ハンガ…

2/11:阪田知樹ピアノリサイタル【リストの核心を明晰に】

本日はこちら。#リスト #阪田知樹 #ピアノ #ピアニスト #ピアノソロ #リサイタル #横浜みなとみらいホール #2019年 #2月11日 #平成31年 #建国記念の日 #超絶技巧 #オールリスト #pianist #クラシック音楽 #クラシックコンサート アンコール。#阪田知樹 #ピア…

クラシカルDJが言葉でアーティストをリミックス!?【Aoi Mizunoの新しい1ページ】

2018年、「史上初のクラシカルDJ」として持てる才能を広く知らしめたAoi Mizuno。 choku-tn.hatenablog.com アルバムリリース以降、ラジオ出演オファーがひっきりなしの売れっ子になったが驕ることなく、地道に続けてきた主宰イヴェントをさらに進化、発展さ…

1/19:髙橋望ゴルトベルク変奏曲2019【継続がもたらす熟成】

毎年1月にゴルトベルク変奏曲を弾くピアニスト、髙橋望。芯のある活動を行う音楽家の熟成は聴いていて気持ちいい。#髙橋望 #高橋望 #ピアニスト #ピアノソロ #ピアノリサイタル #ゴルトベルク変奏曲 #ルーテル市ヶ谷ホール #2019年 #1月19日 #バッハ #jsバッ…

1/16:阪田知樹リサイタル@HAKUJU HALL【2019年ひときわ輝くピアニスト】

昨日はこちら。ラフマニノフの音楽の多面性に魅了。#阪田知樹 #ピアノリサイタル #hakujuhall #1月16日 #2019年 #クラシックコンサート #クラシック音楽 #ピアノソロ #ラフマニノフ #楽興の時 #ヴォカリーズ #トランスクリプション 〔曲目〕※全てラフマニノ…

『レコードうら・おもて』【レッグ&シュヴァルツコップ回想録】

「レコードの帝王」と称されたブロデューサー、ウォルター・レッグ没後40年。本書は夫人のシュヴァルツコップが亡き夫の遺した「まだ書いていない自伝からの頁」に自身の口述や仕事仲間の文章を加えてまとめた回想録。仮にレッグの単著だったら「うら」をも…

阪田知樹の技と素顔に迫る【1/14BS日テレ「恋するクラシック」出演】】

ピアニスト・作曲家の阪田知樹が持つ異次元の才能に関してはこれまで幾度か取り上げてきた。 choku-tn.hatenablog.com choku-tn.hatenablog.com そして新年早々の1月14日、テレビ出演が決定。 m.youtube.com www.bs4.jp 演奏のみならず言葉の表現にも長けて…

2019(平成31年)の幕開けは最高【WPhニューイヤーコンサート生中継】

あけましておめでとうございます。本年もお付き合い頂ければ幸いです。 毎年恒例、ウィーンフィルハーモニー管弦楽団のニューイヤーコンサートの生中継を視聴した。指揮はクリスティアン・ティーレマン。 www4.nhk.or.jp リアルタイムで見たものとしてはマゼ…

平成最後の大晦日に

「東西芸術家交歓演奏会」での共演。ズバズバと弾き抜くチェロ、ガラス細工のタッチで音楽を形作るヴァイオリン。この約10年後、メニューインは苦境に陥ったロストロポーヴィチに手をさしのべる。#メニューイン #ロストロポーヴィチ #ブラームス #二重協奏曲…

貴方にステキな音楽を、指揮者アーサー・フィードラー【2019年は没後40年】

グワっと迫る豪華なサウンド。20年以上前、全ての曲に本録音で出会った。クルマで聴きすぎて盤が痛み、これは2代目。#フィードラー #ボストンポップス #rca #bmgクラシックス #名曲集 #cd #クラシック音楽 #金と銀 #ドナウのさざ波 #スケーターズワルツ #ペ…

My Favorite Things Special:Classical Music Disc Best10+1 2018

☆メシアン:歌劇「アッシジの聖フランチェスコ」全曲/シルヴァン・カンブルラン指揮、読売日本交響楽団(Altus) →歴史的快挙と言えるコンサートのライヴ録音が公正な価格、聴きやすい音質で発売されたことに作り手の良心を感じた。本盤を音楽之友社「レコード…

坂入健司郎指揮、ブルックナー:交響曲第9番【緻密な解析が生んだ極上の美】

異次元のハーモニー。とりわけ冒頭の原始霧の高解像度が伏流水となり、弦、管、ティンパニの論理性のある有機的響き合いが展開する第1楽章は音楽の核心を語り抜いた演奏。指揮者の怜悧な頭脳にひれ伏すのみ。#坂入健司郎 #東京ユヴェントスフィルハーモニー …

ジェラルド・ジャーヴィスの面影【名コンサートマスター、日本との縁】

美しいハーモニーで聴かせる。響きの切り返しの硬さがこの指揮者の欠点だったがジェラルド・ジャーヴィスがリードする都響はしなやかに動く。第2部前半の深い翳、後半の清澄な盛り上がりは今もって高い説得力。#若杉弘 #東京都交響楽団 #フォンテック #マー…

清水和音/ショパン、リスト:練習曲集【ピアニストは演奏してこそ】

練り上げた美音、キッパリと刻むリズム、しなやかな輪郭。心地好いピアノサウンドの極点。片桐卓也の脱字だらけのライナーノーツは最悪。#清水和音 #ショパン #リスト #ピアノソロ #練習曲 #夕べの調べ #ため息 #ソニークラシカル #cd #クラシック音楽 #技巧…