アフターアワーズ

山椒系ちょくの切り抜き帖

クラシック音楽

My Favorite Things:岩城宏之『楽譜の風景』(岩波新書)

楽譜から見えてくるクラシック音楽の面白さ、指揮の核心、音楽家の人間的断面を洒落た筆致で綴る。1982年~1983年にかけて書かれたもの。岩城さんは病気する前で世界のあちこちでブイブイいわせていた。従って海外ネタが多く挟まれ、有名なメルボルンにおけ…

My Favorite Things:ズッカーマンの振る英国音楽

誰ひとりズッカーマンに指揮をして欲しいひとはいるまい。しかしこの弦楽主体の英国音楽アルバムはRPOの好演に助けられ、優しいタッチのサウンドで聴き手をしっとりさせる。揚げひばりのほのかな光沢の澄んだヴァイオリン、「In Moonlight」のベルベット調の…

My Favorite Things【園田高弘の弾くドビュッシーの練習曲】

こういう顔したピアニストが透明にして艶の漂う響きを奏でる。だから演奏、音楽は面白い。#クラシック音楽 #園田高弘 #ドビュッシー #ラヴェル #サンサーンス #練習曲集 #第1巻 #ピアノ協奏曲 #みかけによらず #ピアノソロ #放送録音 課せられた要素を綿密に…

5/16【阪田知樹ピアノ・リサイタル@浜離宮朝日ホール】

本日はこちら。#阪田知樹 #クラシック音楽 #ショパン #ドビュッシー #リスト #ピアノソロ #コンサート #浜離宮朝日ホール #2018年 #5月16日 「ドビュッシーへのオマージュ」と銘打たれたコンサート。 《曲目》 阪田知樹〔p.とお話〕 ショパン:バラード第1番 …

My Favorite Things:『ドルチェで行きましょう』【名指揮者とボストン響の素顔】

ボストン交響楽団で第1ヴァイオリン奏者などを約30年務めた著者の音楽的回想録。大指揮者のエピソードが毒を秘めたユーモアにくるまれて次々登場。巷にあふれる「クラシックちょっといい話」みたいな本の元ネタのひとつ。たちの悪い本だと出典なしで流用され…

園田高弘とカラヤンの共演が初CD化【「帝王」が「気さくなお兄さん」だった頃】

本記事の園田高弘とカラヤンの共演がついに聴ける。1999年2月18日、日本経済新聞朝刊「私の履歴書」。http://tower.jp/item/4731252/#カラヤン #nhk交響楽団 #1954年 #園田高弘 #ベートーヴェン #ピアノ協奏曲 #ピアノ協奏曲第4番 #クラシック音楽 #ライヴ録…

5/13【ラザレフ指揮、日本フィル、阪田知樹〔p.〕】

本日はこちら。#ラザレフ #日本フィル #日本フィルハーモニー交響楽団 #グリーンホール #阪田知樹 #シューマン #チャイコフスキー #ワーグナー #母の日 #母の日プレゼント #5月13日 #2018年 #クラシック音楽 #コンサート かつて読響の顔だった藤原浜雄がゲス…

My Favorite Things:ルドヴィート・カンタのリベルタンゴ

ルドヴィート・カンタの弾くリベルタンゴが絶品。メロディの歌わせ方の上品な艶。メインのマイケル・ダウス〔vn.と指揮〕、OEKの「2つの四季」も決して悪くないけどついつい終わりから聴いちゃうCD。#oek #カンタ #ルドヴィートカンタ #ダウス #マイケルダウ…

My Favorite Things:ルトヴィート・カンタのチェロ小品集【気高い輝きを放つ宝石箱】

ルドヴィート・カンタのチェロ小品集。しなやかな気品漂う音楽。木の香りのする色付けが1曲1曲に施されている。ドヴォルザーク、グラズノフの切ない余韻は何度聴いてもしっとりする。カザルス以外の「鳥の歌」がこれほど説得力を放った例は稀有。上田晴子の…

サヴァリッシュとブロムシュテットの叙勲【旭日中綬章は低い!?】

ひとから本を頂くことがある。ありがたい時、そうでない時、様々だが昔、親戚から貰ったこちらは典型的前者。川口幹夫氏は大河ドラマ、紅白歌合戦を確立したNHK中興の祖。一時期NHK交響楽団理事長に飛ばされたがその後のNHKで前代未聞の不祥事が発生して会長…

4/28【坂入健司郎指揮、東京ユヴェントス・フィルハーモニー第17回定期演奏会】

昔、OEKでたくさん聴いたチェロのルトヴィート・カンタの風貌の変化(しなやかな組み立てと品格漂う木目調の音色は健在)に年月の経過を感じた。こちらも歳取った。#クラシック音楽 #コンサート #東京ユヴェントスフィルハーモニー #坂入健司郎 #ドヴォルザ…

ピアニスト髙橋望のバッハ【ワクワクするデザインと演奏】

ピアニスト髙橋望のバッハの平均律クラヴィーア曲集第1巻。世界一美しい意匠のアルバム。ジャケット、レーベル面、全体の作り。いずれもファンタジック。プレリュードの陰陽、フーガの論理を1曲1曲違った色合いで語り、起伏と調和の兼ね備わる一編の音楽詩が…

My Favorite Things Special【ドヴォルザーク:チェロ協奏曲】

俗に言う「ドボコン」。第3楽章の潮が引いてからチェロが連綿と燻し銀の哀愁に満ちたメロディを弾くところがお気に入り。 ロストロポーヴィチ〔チェロ〕、小澤征爾指揮、NHK交響楽団 Dvořák: Cello Concerto + 1 / Rostropovich Ozawa NHK Symphony Orchestr…

ヴォーン=ウィリアムズ:2台のピアノのための協奏曲【没後60年に寄せて】

RVW没後60年。2台のピアノのための協奏曲は両端楽章の前半がピンポン系の楽想だが、第2楽章と第3楽章の後半にたちこめる静謐な雰囲気が耳に残る。ピアノソロの協奏曲から改作された作品だが「2台ピアノ」としてのインパクトは弱い。#クラシック音楽 #秘曲 #…

音楽を聴く馬力が急降下【ヒーリングで疲労困憊】

4月14日、九段下の九段教会でコンサートを聴いた。いわゆるヒーリング系の出し物でヴォーカル、フルート、ピアノのソロやアンサンブル。みんな優しいタッチの曲ばかり。ところが演奏中どんどん疲労していく。眠いのでなくとにかく疲れを覚えるのだ。「鳥の歌…

あなどれない!NHKラジオ「名曲スケッチ」【日本楽壇の功労者がズラリ】

NHKの「名曲アルバム」は約40年続いている超長寿音楽テレビ番組。このラジオ版として「名曲スケッチ」が存在する。 www4.nhk.or.jp かつて「名曲アルバム」用に収録した音源を流すのだがその顔ぶれにビックリ。指揮者なら山田一雄、森正、井上道義、ピアニス…

1982年のメニューイン②【フランク:ヴァイオリン・ソナタ】

妹ヘプツィバを失った翌年、新しい共演ピアニストにポール・コーカーを選んだメニューインは1982年11月に11年ぶりの来日を果たし、昭和女子大学人見記念講堂でのリサイタルに臨んだ。 choku-tn.hatenablog.com 渡辺和彦氏の著書によれば最初の曲目、ベートー…

My Favorite Things:サー・エドワード・ヒース『音楽-人生の喜び』【究極の二刀流】

1980年刊行。元英国首相でロンドン交響楽団の名誉理事長を務め、指揮台にも上がったサー・エドワード・ヒースの音楽に焦点を当てた回想録。EEC加盟が決まった日にダウニング街10番地でひとりバッハを弾くシーンはいま読むと切ない。プレヴィン、バーンスタイ…

知れば知るほどビックリ【サヴァリッシュのモーツァルトライヴ1991年@武道館】

1月のブログでモーツァルト没後200年の1991年にヴォルフガング・サヴァリッシュ指揮、ウィーン交響楽団が中心となって武道館で行ったオールモーツァルトプログラムのことを記した。 choku-tn.hatenablog.com 1991年9月11日~13日に開催されたようだが他にも映…

3/31放送NHK-FM「N響ザ・レジェンド」【中村紘子のラフマニノフ:ピアノ協奏曲第3番】

2017年度最後の「N響ザ・レジェンド」は中村紘子(1944-2016)特集。1980年1月16日、NHKホールでライヴ収録されたラフマニノフのピアノ協奏曲第3番がメイン。指揮はキリル・コンドラシン(1914-1981)、最初で最後のN響客演だった。 Rachmaninov Piano Concert…

1982年のメニューイン①【バルトーク:ヴァイオリン協奏曲第2番】

ユーディ・メニューインのライヴ録音集。バルトークの協奏曲はこれが初発売。結構違う音を擦っているが全体の形は崩れず、粘り腰で聴かせる。ブラームスはレコード時代に高い評価を得た兄妹共演。BBCmusicmagazine2016年7月号付録CD。#メニューイン #bbc交響…

2018年3月25日【ドビュッシー没後100年の命日】

3月25日はドビュッシー没後100年の命日。同時代を生きた巨匠2人で聴く。ストコフスキーは作曲者存命中の1912年にロンドンデビューを果たし、牧神の午後への前奏曲を取り上げている。1972年6月の60周年コンサートでは同じ曲目を並べ、デッカがライヴ録音した…

3/21NTV系「読響シンフォニックライブ」【外山雄三指揮のオペラ管弦楽曲】

厳格居士の聴かせたゆとりある歌心 3月の読響シンフォニックライブは2月に続いて日本楽壇の重鎮、外山雄三(1931-)が指揮台に立った2018年1月31日の公開収録から。地上波が3月21日(3月20日深夜)、BS日テレは3月31日AM7:00-の放送。 読響シンフォニックラ…

My Favorite Things【押尾愛子『朝比奈隆のオペラの時代』】

オペラをやることが「おおごと」だった時代に創造力と情熱を傾けた関西の芸術家たち。そのひとりとして「ブルックナー指揮者」になる前の朝比奈さんが獅子奮迅の活躍をみせる。「大向こう」を意識した芸のあり方は生涯変わらなかった。対象を等身大で描いた…

図抜けたタッチの多彩さ、強靭で鋭敏な音楽作り【ピアニスト阪田知樹】

現在最も大胆に作品の美の核心を描くピアニスト、それが阪田知樹(1993年生まれ)。 19歳で2013年第14回ヴァン・クライバーン国際ピアノコンクールファイナル進出、2016年にはフランツ・リスト国際ピアノコンクール(ブタペスト国際音楽コンクール)優勝を果た…

My Favorite Things:カラヤン指揮、BPhのヴィヴァルディ:調和の霊感

ザクザク、ブンブンと鳴るBPhが面白い。低音弦のうねりにドキドキ。2003年初出のヴィヴァルディ「調和の霊感」(1972年録音;4曲)はこの2枚組とバカでかいboxのみに収録。第10番はシュヴァルベ、ブランディス、シュピーラー、ヴェストヴァルが揃い踏み。#カ…

My Favorite Things:メニューインとフルトヴェングラー【本当の共演とは何か?】

サー・ユーディ・メニューイン(1916~1999)は音楽史上に輝く「神童」ヴァイオリニストだった。エネスコが指揮したショーソンの詩曲など10代の録音で聴ける妖気の漂う音色、大胆かつしなやかな起伏の付け方が特徴の演奏は「・・・歳としては」なんて次元を超えた…

3/15締切【ミュージックバード企画:クリーヴランド管弦楽団の名盤アンケート】

衛星デジタル音楽放送チャンネル「ミュージックバード」は2018年5月、アメリカの名門オーケストラ、クリーヴランド管弦楽団の創立100周年記念と銘打ち、同年6月に行われる来日公演のPRも兼ね、特集番組でリスナーからのリクエストに基づいてクリーヴランド管…

My Favorite Things Special【ベートーヴェン:交響曲第3番】

思い出から俊英の拓く新たな1ページまで 20年以上前、ヴォルフガング・サヴァリッシュがフィラデルフィア管弦楽団と来日してベートーヴェンチクルスを行い、公演の模様はFMで中継された。この放送を聴いて初めてベートーヴェンの交響曲第3番「英雄」を聴いた…

NTV系「読響シンフォニックライブ」【ブルッフ:ヴァイオリン協奏曲第2番】

「かわいそうな2番」の代表曲 3/1(2/28深夜)放送の日本テレビ系「読響シンフォニックライブ」は2018年1月31日に公開収録されたブルッフのヴァイオリン協奏曲第2番と黛敏郎のG線上のアリアというプログラム。読響コンサートマスター長原幸太のヴァイオリン…