アフターアワーズ

山椒系ちょくの切り抜き帖

クラシック音楽

メニューイン-坂入健司郎【ストリングスのヒューマニティ】

神童から大音楽家への道程 サー・ユーディ・メニューイン(1916-1999)は約70年の音楽人生の後半、指揮活動に力を注いだ。巧みなバトンテクニックは持ち合わせず、響きが整っていない録音も多い一方、生まれ持っての音楽の核心を見抜く洞察眼から導かれた、エ…

【ピアニストが真っ黒焦げ!?】2018/2「東京ピアノ爆団・第3回」ポスター+PV公開

クラシックコンサートポスターの「常識」を吹き飛ばす 先般のブログで指揮者の水野蒼生が主宰する新感覚、かつ正攻法のクラシックピアノライヴパフォーマンス「東京ピアノ爆団」を取り上げた。 choku-tn.hatenablog.com 公演を約2ヶ月後に控え、webポスター…

My Favorite Things:ハイフェッツのシューベルト【没後30年に寄せて】

2017年12月10日 ヴァイオリンの帝王、ヤッシャ・ハイフェッツ(1901-1987)の没後30年の命日。晩年の15年間引退生活だったので「昔の音楽家」と思われがちだが、実際はほぼ20世紀全体を生き抜いた。無敵のテクニック、音色のパレットの豊かさ、品の良いポルタ…

テミルカーノフが語るラフマニノフとロシア革命

もう好きなものしか指揮しない ロシア革命は悲劇 ロシアの重鎮指揮者で読売日本交響楽団名誉指揮者のユーリ・テミルカーノフ(1937-)が2018年2月の客演を前に読売新聞のインタビュー取材に応じた(サンクトペテルブルク、モスクワ支局花田吉雄、12月7日朝刊…

My Favorite Things【園田高弘の弾くラヴェル】

作曲者ゆかりのひとから体得したフランス音楽 以前のブログで池辺晋一郎氏がFMで話した園田高弘さんのラヴェルの協奏曲にまつわる挿話を紹介した。 choku-tn.hatenablog.com 「ドイツ3B」のイメイジの園田さんだがパリでラヴェルと親交のあったマルグリット・…

My Favorite Things Special:Classical Music Disc Best10 2017

☆スタニスラフ・スクロヴァチェフスキ指揮、読売日本交響楽団/ブルックナー:交響曲第5番(Columbia)ブルックナー:交響曲第5番 ☆スタニスラフ・スクロヴァチェフスキ指揮、読売日本交響楽団/シューマン:交響曲全集(Columbia)シューマン:交響曲全集 ☆スタニ…

2018/2「東京ピアノ爆団」第3回【ライヴハウス+クラシックDJ+超絶ピアノ演奏】

あのO.E.Tの代表が仕掛ける音楽爆弾!? 2017年2月にオーケストラ・アンサンブル東京(O.E.T)を結成、クラウドファンディングにより7月の結成公演を大成功させた指揮者の水野蒼生。彼については何度かブログで取り上げた。 choku-tn.hatenablog.com choku-tn.h…

福間洸太朗ピアノリサイタル@10/11サントリーホール

緊張から光彩陸離へ 2017年10月11日(水)サントリーホール19時開演 【プログラム】 リスト:オーベルマンの谷(巡礼の年第1年スイスより第6曲) ショパン:ピアノ・ソナタ第3番 -休憩- ラフマニノフ:前奏曲op.3-2 ラフマニノフ:前奏曲op.32より第12番、第13番 …

【曲目構成の難しさ】瀬﨑明日香ヴァイオリンリサイタル@10/9紀尾井ホール

9月26日のブログで取り上げた瀬﨑明日香のリサイタルに足を運んだ。 choku-tn.hatenablog.com オールフルスロットルの難しさ プログラムはモーツァルトのヴァイオリン・ソナタK.296とリヒャルト・シュトラウスのヴァイオリン・ソナタが前半、後半はラヴェルのツ…

瀬﨑明日香ヴァイオリンリサイタル@10/9紀尾井ホール

線が太くしかも敏捷な音楽の大型奏者 瀬﨑明日香はほんのり色気の漂う美音で骨格のがっしりした力感のある音楽が持ち味のヴァイオリニスト。作品全体の論理を見据える知性があり、しなやかな輪郭の解像度の高い響き。楽想の変化に反応してスパッと切り返す鋭…

ショルティ没後20年に寄せて

「世界一有名な女性」とのほのかな縁 1997年9月5日、サー・ゲオルク・ショルティは休暇中の南フランスのアンディーブで心臓発作のため84年の生涯を閉じた。奇しくもダイアナ元英皇太子妃の葬儀の日。ショルティには後日開催の追悼コンサートのオファーが来てい…

人生初!応募メッセイジ採用【NHK-FM「きらクラ!」】

チャイコフスキーのオペラへの思いを込めて 毎週日曜14:00-15:50放送のクラシック音楽バラエティNHK-FM「きらクラ!」は気持ちのほぐれる楽しい番組。いくつかのコーナーの中にイントロ当ての「きらクラDON!」がある。8月27日の出題が大好きなチャイコフスキ…

My Favorite Things:朝比奈隆のベートーヴェン【俵孝太郎のintoxicateコラムから】

日本人演奏家紹介のパイオニア かつてニュースキャスターやクイズ番組「マジカル頭脳パワー」の解答者としてお茶の間でおなじみだった政治評論家の俵孝太郎氏(1930-)はクラシック音楽ファン。単なる趣味に止まらず、日本のクラシック音楽受容史を録音の観…

My Favorite Things:近衞秀麿のドヴォルザークとアンダーソン

端正な佇まいに宿る屈折と哀感 近衞秀麿(1898-1973)は晩年、読売日本交響楽団と共演してベートーヴェンの交響曲3曲、シューベルトの交響曲第8(7)番、ドヴォルザークの交響曲第9番などをセッション録音した。この中で最も深い感銘を受けるのがドヴォルザ…

ところでどんな音楽家だったの?【近衞秀麿の「再評価」に思う】

ストーリーと音楽を巡って 以前にも取り上げた田代伶奈、水野蒼生、三好駿(順不同・敬称略)の鼎談。 nebulaph.com こんなやり取りが -引用開始- 水野 ヒットする人は「ストーリー」を持つアーティスト。みんな物語を持っているけど、例えばベートーヴェンが…

My Favorite Things:安川加壽子のダンディ【鋭い閃光と反射神経の良さ】

「20世紀の名演奏」の記憶 クラシック音楽にハマって間もない10代後半、NHK-FMの「20世紀の名演奏」をよく聴いた。日曜の朝、故・黒田恭一さんの「おはようございます。黒田恭一です。20世紀の名演奏です」に始まり、「今日もお気持ち爽やかに、毎日をお過ご…

My Favorite Things:園田高弘のシューマンとブラームスの協奏曲【胸に秘めたロマンの心】

2017年5月6日のNHK-FM「N響ザ・レジェンド」で池辺晋一郎氏が園田高弘さんとのエピソードを話した。 「(ある若いピアニストが)《ラヴェルのピアノ協奏曲を弾いていると海が見える》と話した。いい言葉だと思って園田さんに話したら《ラヴェルと海は何の関係…

哲学者+音楽家の鼎談から再び想った【センス、知識、クラシック音楽】

7月18日のブログで哲学者・田代伶奈、指揮者・水野蒼生、ピアニスト・三好駿(順不同・敬称略)の鼎談 nebulaph.com について書いた(若い哲学者+若い音楽家の対話【O.E.Tの先にあるもの】 - アフターアワーズ)。この時は簡単な紹介にとどめたが示唆に富み、学…

My Favorite Things:ロリン・マゼール指揮のシベリウス交響曲全集

昔も今もドイツ、オーストリアのオーケストラはシベリウスが嫌い。田舎者の書いたよく分からない音楽と受け止めるのか、ベリルンドがベルリンフィルでやればメンバーが指揮者には敬意を払いつつ、「変なスコアだ」などと記者にボヤいたし、晩年のバーンスタ…

扉を開けた者、潜った者【それぞれのO.E.T@7/20"Opening"】

前回のブログで記した通りO.E.T(オーケストラ・アンサンブル東京)の結成記念公演が7月20日に行われた。私は残念ながら当日伺えず、やむなく母を代打に立てたが成功と言える内容だったようだ。 響きの扉を開けた日【O.E.T@7/20"Opening"】 - アフターアワー…

My Favorite Things:ショルティ指揮の薔薇の騎士

Facebookで同名のアイテム紹介コラムを書いてきた。今回からこちらに引越し。 【My Favorite Things:Facebook時代まとめ】 - アフターアワーズ 日本に愛されなかった大指揮者 サー・ゲオルク・ショルティは日本のクラシック音楽ファンと相性の悪い指揮者。 ま…

響きの扉を開けた日【O.E.T@7/20"Opening"】

とうとうやってきた。2017年(平成29年)7月20日、渋谷区文化総合センター大和田さくらホール。オーケストラ・アンサンブル東京の結成記念公演。オール・ベートーヴェン・プログラム。当日は予定のプログラムに先立ち、オープニングに指揮者・楽団代表の水野蒼生…

鍵の開いた扉からどうぞ中へ【O.E.T@7/20"opening"】

本ブログで何度か取り上げてきたオーケストラ・アンサンブル東京(O.E.T)の結成記念公演がいよいよ明日7月20日に迫った。 https://twitter.com/o_e_tokyo/status/88709963436717670540人編成のオーケストラが最適なサイズのホールで繰り広げるクラシック音…

若い哲学者+若い音楽家の対話【O.E.Tの先にあるもの】

哲学者の田代伶奈、ピアニストの三好駿、そして指揮者・O.E.T代表の水野蒼生の鼎談。 http://nebulaph.com/dialog/classicalmusic/ 若い音楽家2人がいまクラシック音楽をフレッシュな形で世に問う背景を中心にしながら、それぞれが想う古典を学ぶ意義、古典…

ベートーヴェン:交響曲第3番の棘【O.E.T@7/20"Opening"】

オーケストラ・アンサンブル東京(O.E.T)が7月20日に行う結成披露公演のメイン曲目は楽団代表・水野蒼生が指揮するベートーヴェンの交響曲第3番。 orchestra-ensemble.tokyo O.E.T @7/20"Opening" (@o_e_tokyo) on Twitter この曲はクラシック音楽史上に輝く…

中村紘子さんとセベ【『ピアニストだって冒険する』から】

2016年7月に惜しまれつつ逝去したピアニスト・文筆家の中村紘子さんの新刊。 tower.jp 「新潮45」「音楽の友」の各誌に連載し、亡くなるひと月前まで書き続けた随筆をまとめたもの。 起伏に富んだピアニスト人生、国際コンクールの光と影、多彩な交遊・・・スパ…

聴衆の実数公表で活性化を【オーケストラ演奏会】

観客動員が問題にされない不可解さ 日本プロ野球は再編騒動を機に毎試合、来場者数の実数公表が行われている。 近年各球団はスタジアムの改修や女性をターゲットにしたグッズの開発など観衆を増やすために多彩な試みを始め、いわゆるカープ女子などの成果に…

いよいよ本番の扉が開く!【指揮者・水野蒼生とO.E.T】

クラウドファンディング成功の先に 指揮者・水野蒼生が代表のO.E.Tが7月20日の旗揚げ公演のために行ったクラウドファンディングは期限内に目標を上回る金額が集まり、見事成功した。 camp-fire.jp 取り上げてきた人間として誠に嬉しく、彼らの意思と行動力を…

凝り性、アイデアマン【O.E.Tが描くすっぴんのベートーヴェン】

指揮者・水野蒼生の率いるO.E.Tが7月20日に行うオール・ベートーヴェンプログラム。 orchestra-ensemble.tokyo プログラム前半は大井駿のピアノと指揮で レオノーレ序曲第1番 ピアノ、ヴァイオリン、チェロのための三重協奏曲 が取り上げられる。 この2曲は音…

1970年-2017年-2020年【万博、東京五輪、ベートーヴェン】

熱狂への序曲 指揮者・水野蒼生が自ら結成したオーケストラ「O.E.T」の旗揚げ公演の曲目に選んだのは全てベートーヴェンの作品。水野はベートーヴェンに対する敬意を率直に明かす。 aoi-muzica.hatenablog.com aoi-muzica.hatenablog.com 今回水野が指揮する…