アフターアワーズ

山椒系ちょくの切り抜き帖

My Favorite Things【フィギュアスケートを彩るチャップリン。その自伝の面白さ】

チャップリンメロディはフィギュアスケート男子シングルの人気プログラム。すぐ思い出せるだけでも織田信成氏の2009-2010シーズンFS、ハビエル・フェルナンデス選手の2017-2018SP、田中刑事選手の2017-2018FSが挙げられる。 「喜劇王」サー・チャールズ・チャッ…

My Favorite Things:猪谷千春『IOC』【オリンピックを巡る不思議な世界】

1956年コルティナダンペッツォオリンピック男子回転の銀メダリストで引退後は保険業界に転じて活躍した一方、IOC委員を約30年務めた猪谷千春(1931-)氏が半生を振り返りつつ、IOCとオリンピックの舞台裏を分かりやすい文章でつづった1冊。 IOCの役割、その…

貴乃花親方が説く基本動作と極める稽古の尊さ【初代若乃花からの継承】

2017年1月31日、第65代横綱貴乃花親方は弟子の新十両・貴公俊の記者会見に同席、にこやかに出世を喜びつつ、先代師匠(元大関貴ノ花)や初代若乃花が育み、自身が現役時代に見てきた「稽古の伝統」を守り抜く決意を語った。 www.sankei.com 記事によれば貴乃…

箴言の宝庫『村山富市回顧録』が文庫に

日本における改革の実現や大きな外交成果達成は保守安定政権で周到な準備した場合が殆ど。早期講和、社会保険、安保改定、日韓国交回復、沖縄返還、日中国交正常化、三公団・公社民営化、全てそう。革新勢力が騒いで実現したことなど皆無に近い。革新のひと…

「辞書の新版には飛びつくな」が常道【広辞苑第7版誤り指摘される】

約四半世紀前、小学校高学年の頃、国語や英語の時間に大人用の辞書の引き方を教わった。当時双方の科目の先生が同じことを仰った。 辞書はなるべく新しいものを使った方がいい。但し、新しい版が出た時にすぐ飛びつくのは良くない。どうしても新しい版には間…

戦場と動物にひそむhumanityを紡ぐ【マイケル・モーパーゴ叙勲】

最も敬愛する児童文学作家、マイケル・モーパーゴに2017年末の叙勲でナイトの称号が贈られた。 https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20171230-42521024-bbc-int 彼は主に第1次大戦の時代を舞台に戦争の周辺で生きる人々や動物に纏わる物語を作ってきた。『戦…

サファテ-スタンカ-鶴岡一人【「意気に感ず」を引き出す方法】

3イニングと2連投の奇跡 福岡ソフトバンクホークスのデニス・サファテ投手は日本シリーズMVPとシーズンMVPの2冠に輝き、加えて年度球界最高の功労者に贈られる正力松太郎賞も受賞した。外国人投手として「MVP2冠」は53年ぶりと報じられた。その53年前の1964年…

12/8服部龍二『佐藤栄作』刊行【「戦後最長不倒宰相」の初の本格評伝】

池田勇人と田中角栄の人気の影で 戦後最も長期間(2798日)首相の座にあり、日韓国交正常化や小笠原諸島と沖縄の返還を成し遂げ、1970年大阪万博も成功させ、退任後にノーベル平和賞を受賞した佐藤栄作(1901-1975)。在任期間の長さ、業績の数々、功罪相半…

老政治家たちの悲しき願い【『金鍾泌証言録』と日韓関係】

日韓国交正常化に尽力した金鍾泌・元韓国国務総理の証言録の日本語版が新潮社から刊行され、その出版報告会に中曾根康弘元首相が出席、挨拶したという。 www.sankei.com 金鍾泌氏は韓国政界有数の知日家。日韓国交正常化の交渉過程で懸案だった日本の経済協…

【Hatena Blogお題より】秋の夜長に読みたい本

今週のお題「読書の秋」 春夏秋冬本を読んでいる身としては「読書の秋」で特別何か読もうとは考えないが、面白そうなので「読書の秋」と聞いて思い浮かぶタイトルを挙げてみた。 1.ジェフリー・アーチャー著、永井淳訳『ケインとアベル上・下』(新潮文庫) エ…

中内功に疼いた『野火』の記憶

日本文学史上屈指の傑作 8月14日、NHK-Eテレ「100分de名著」は大岡昇平の『野火』の2回目だった。『野火』は言わずと知れた日本文学史上の傑作。飢えが覆い尽くす戦場での人間の暗部、異様な心理を簡潔な文体によって抉り抜く。私見だがこれ一作で大岡昇平は…

トム・ワトソンのメンター逝く

元USGA会長のサンディ・テイタムが6月22日に逝去した。96歳だった。 http://www.usga.org/content/usga/home-page/articles/2017/06/former-usga-president-frank--sandy--tatum-dies.htmlテイタムの半生や会長としての業績は上記リンクのページに詳しいので…

中村紘子さんとセベ【『ピアニストだって冒険する』から】

2016年7月に惜しまれつつ逝去したピアニスト・文筆家の中村紘子さんの新刊。 tower.jp 「新潮45」「音楽の友」の各誌に連載し、亡くなるひと月前まで書き続けた随筆をまとめたもの。 起伏に富んだピアニスト人生、国際コンクールの光と影、多彩な交遊・・・スパ…