アフターアワーズ

山椒系ちょくの切り抜き帖

My Favorite Things Special【シャーロック・ホームズ正典短編ベスト10①】

※一部ネタばれあり※ 前回の続き。ベスト10をコメント付きで。 choku-tn.hatenablog.com 第10位:青いガーネット(『シャーロック・ホームズの冒険』) 最初の帽子を巡る推理が楽しい。「名探偵」の能力を示す手段としてひとの経歴などを当てて見せるケースは多…

My Favorite Things Special【シャーロック・ホームズ正典短編ベスト10〔序章〕】

※一部ネタばれあり※ 読書遍歴の原点がサー・アーサー・コナン・ドイルが創作したシャーロック・ホームズ物語だという話を以前記した。 choku-tn.hatenablog.com ホームズ物語を生んだ作家ドイルの筆捌きの強みは①キャラクター創出能力、②アイディアの独創性、③素…

福田赳夫『回顧九十年』【最初で最後の著書】

1994年刊行。題字も著者。首相を辞めてからの話が意外に面白い。OBサミットを創設した福田赳夫氏はフォード、カーター両元アメリカ大統領同様、優れた「元首相」だった。#読書 #元首相 #回顧録 #いただきもの #日本政治 #昭和史 #父親 ヘルムート・シュミッ…

My Favorite Things:服部龍二『中曽根康弘』『田中角栄』

ともに1918年生まれ、当選も同期のふたり。服部龍二先生は一次資料の読み込みのほか、中曾根氏本人を含む政治家、官僚OBの聞き取りを行ってきた成果も取り込み、精緻にしてひとの息づかいの聞こえるテンポのいい評伝にまとめた。田中角栄氏についてキャラク…

バイキング(ビュッフェ)形式の原点スモーガスボード

本日は赤坂のレストランストックホルムでランチ。バイキング形式の原点スモーガスボード。#レストランストックホルム #東急プラザ #赤坂 #赤坂見附 #ランチ #バイキング #ビュッフェ #スモーガスボード 本日ランチに行ったレストランストックホルム。想像よ…

My Favorite Things【押尾愛子『朝比奈隆のオペラの時代』】

オペラをやることが「おおごと」だった時代に創造力と情熱を傾けた関西の芸術家たち。そのひとりとして「ブルックナー指揮者」になる前の朝比奈さんが獅子奮迅の活躍をみせる。「大向こう」を意識した芸のあり方は生涯変わらなかった。対象を等身大で描いた…

松本清張「再考」の一助に【Eテレ100分de名著「松本清張スペシャル」】

Eテレ「100分de名著」、3月は松本清張スペシャル。日本政治思想史の原武史先生が「社会」「古層」「天皇」「国家」の視点から斬り込む。2017年夏、北九州市小倉の松本清張記念館を訪れた。内部は撮影禁止だが清張の書斎がそっくり移築されている。#松本清張 …

『ロックフェラー回顧録』(新潮文庫)【特別だが普通の人間】

世界の黒幕とか、悪の帝王とか、ダース・ベイダーみたいに言われていたひと。確かに会ったひとのリストは浮世離れ。彼個人の人生航路は家庭問題など生まれゆえの宿命、大変さを感じる。#ロックフェラー #陰謀論 #金融 #財団 #moma #ラスボス #闇の帝王 #黒幕…

『ジャパン・アズ・ナンバーワン』の虚と実

1979年刊行。タイトルとは裏腹に「日本はいずれ行き詰まる。アメリカは慌てずに構造改革に邁進すること」が主旨。その通りになった。#耳の痛い話 #日本論 #日本 #アメリカ #日本型経営 #日本社会 #アメリカ社会 #知日派 #未来予測 #過去からの警告 #構造改革…

My Favorite Things:岡崎久彦+佐藤誠三郎『日本の失敗と成功』(扶桑社)

明治維新以降の日本の核心を凝縮 2018年(平成30年)は明治維新150年。大河ドラマをはじめ、幕末から明治維新の流れにまたスポットライトが当たっている。明治維新以降の日本は上昇と下降の振り幅の大きい歩みだった。明治、大正、昭和の内政、外交の分水嶺…

My Favorite Things:『シャーロック・ホームズの冒険』【我が読書の原点】

10歳の誕生日プレゼントに母親から『シャーロック・ホームズの冒険』(サー・アーサー・コナン・ドイル著、久米元一/久米穣訳、講談社少年少女世界文学館)[※]をもらった。4編収録されていたが「ボスコム渓谷の謎」が当時一番刺さった。「警察が逮捕した人物…

81歳の森祇晶が語るライオンズ、ジャイアンツ

「理想の監督」はハワイで悠々自適 子供の頃は西武ライオンズのファンだった。特に秋山幸二が好きで日本シリーズのバック転ホームインをテレビ中継で見た時の驚きは未だに鮮明。またチームを率いる森祇晶監督にも子供ながらに注目していた。きっとこのひとは…

My Favorite Things:浜田昭八『監督たちの戦い』【我が野球のバイブル】

元日本経済新聞の運動部長で野球取材ひと筋50年以上、現在も同新聞にコラム「選球眼」を執筆する浜田昭八(1933-)が20世紀終盤に新聞連載し、書籍化されたのが『監督たちの戦い』(日経ビジネス人文庫、上下巻;2001年)。プロ野球監督の本質であるグラウン…

My Favorite Things【フィギュアスケートを彩るチャップリン。その自伝の面白さ】

チャップリンメロディはフィギュアスケート男子シングルの人気プログラム。すぐ思い出せるだけでも織田信成氏の2009-2010シーズンFS、ハビエル・フェルナンデス選手の2017-2018SPが挙げられる。 「喜劇王」サー・チャールズ・チャップリン(1889-1977)は出演・…

My Favorite Things:猪谷千春『IOC』【オリンピックを巡る不思議な世界】

1956年コルティナダンペッツォオリンピック男子回転の銀メダリストで引退後は保険業界に転じて活躍した一方、IOC委員を約30年務めた猪谷千春(1931-)氏が半生を振り返りつつ、IOCとオリンピックの舞台裏を分かりやすい文章でつづった1冊。 IOCの役割、その…

貴乃花親方が説く基本動作と極める稽古の尊さ【初代若乃花からの継承】

2017年1月31日、第65代横綱貴乃花親方は弟子の新十両・貴公俊の記者会見に同席、にこやかに出世を喜びつつ、先代師匠(元大関貴ノ花)や初代若乃花が育み、自身が現役時代に見てきた「稽古の伝統」を守り抜く決意を語った。 www.sankei.com 記事によれば貴乃…

箴言の宝庫『村山富市回顧録』が文庫に

日本における改革の実現や大きな外交成果達成は保守安定政権で周到な準備した場合が殆ど。早期講和、社会保険、安保改定、日韓国交回復、沖縄返還、日中国交正常化、三公団・公社民営化、全てそう。革新勢力が騒いで実現したことなど皆無に近い。革新のひと…

「辞書の新版には飛びつくな」が常道【広辞苑第7版誤り指摘される】

約四半世紀前、小学校高学年の頃、国語や英語の時間に大人用の辞書の引き方を教わった。当時双方の科目の先生が同じことを仰った。 辞書はなるべく新しいものを使った方がいい。但し、新しい版が出た時にすぐ飛びつくのは良くない。どうしても新しい版には間…

戦場と動物にひそむhumanityを紡ぐ【マイケル・モーパーゴ叙勲】

最も敬愛する児童文学作家、マイケル・モーパーゴに2017年末の叙勲でナイトの称号が贈られた。 https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20171230-42521024-bbc-int 彼は主に第1次大戦の時代を舞台に戦争の周辺で生きる人々や動物に纏わる物語を作ってきた。『戦…

サファテ-スタンカ-鶴岡一人【「意気に感ず」を引き出す方法】

3イニングと2連投の奇跡 福岡ソフトバンクホークスのデニス・サファテ投手は日本シリーズMVPとシーズンMVPの2冠に輝き、加えて年度球界最高の功労者に贈られる正力松太郎賞も受賞した。外国人投手として「MVP2冠」は53年ぶりと報じられた。その53年前の1964年…

12/8服部龍二『佐藤栄作』刊行【「戦後最長不倒宰相」の初の本格評伝】

池田勇人と田中角栄の人気の影で 戦後最も長期間(2798日)首相の座にあり、日韓国交正常化や小笠原諸島と沖縄の返還を成し遂げ、1970年大阪万博も成功させ、退任後にノーベル平和賞を受賞した佐藤栄作(1901-1975)。在任期間の長さ、業績の数々、功罪相半…

老政治家たちの悲しき願い【『金鍾泌証言録』と日韓関係】

日韓国交正常化に尽力した金鍾泌・元韓国国務総理の証言録の日本語版が新潮社から刊行され、その出版報告会に中曾根康弘元首相が出席、挨拶したという。 www.sankei.com 金鍾泌氏は韓国政界有数の知日家。日韓国交正常化の交渉過程で懸案だった日本の経済協…

【Hatena Blogお題より】秋の夜長に読みたい本

今週のお題「読書の秋」 春夏秋冬本を読んでいる身としては「読書の秋」で特別何か読もうとは考えないが、面白そうなので「読書の秋」と聞いて思い浮かぶタイトルを挙げてみた。 1.ジェフリー・アーチャー著、永井淳訳『ケインとアベル上・下』(新潮文庫) エ…

中内功に疼いた『野火』の記憶

日本文学史上屈指の傑作 8月14日、NHK-Eテレ「100分de名著」は大岡昇平の『野火』の2回目だった。『野火』は言わずと知れた日本文学史上の傑作。飢えが覆い尽くす戦場での人間の暗部、異様な心理を簡潔な文体によって抉り抜く。私見だがこれ一作で大岡昇平は…

トム・ワトソンのメンター逝く

元USGA会長のサンディ・テイタムが6月22日に逝去した。96歳だった。 http://www.usga.org/content/usga/home-page/articles/2017/06/former-usga-president-frank--sandy--tatum-dies.htmlテイタムの半生や会長としての業績は上記リンクのページに詳しいので…

中村紘子さんとセベ【『ピアニストだって冒険する』から】

2016年7月に惜しまれつつ逝去したピアニスト・文筆家の中村紘子さんの新刊。 tower.jp 「新潮45」「音楽の友」の各誌に連載し、亡くなるひと月前まで書き続けた随筆をまとめたもの。 起伏に富んだピアニスト人生、国際コンクールの光と影、多彩な交遊・・・スパ…