アフターアワーズ

山椒系ちょくの切り抜き帖

My Favorite Things

クーベリック指揮、チェコフィルの「新世界より」(1991年ライヴ録音)

20年以上前、初めて購入した「新世界より」のCDがこの演奏。以来フォーマットが変わる度にちょっとでも音質が向上していないかと淡い期待を抱いて買い直してしまう。#クラシック音楽 #ドヴォルザーク #新世界より #交響曲第9番 #クーベリック #チェコフィル…

リアルタイムで知らないF1名勝負【ドライバー中心の時代】

1987年の日本グランプリのテレビ中継で初めてF1世界選手権のレースに接し、1988年から本格的に見始めたのでそれ以前のF1については幼い頃、CG誌の記事や写真を眺めたおぼろげな記憶しかない。幸い10年ほど前よりフジテレビ系のCSの「F1レジェンズ」という番…

阿川弘之『乗りもの紳士録』【ひとは乗り物で遊ぶ】

さっぱりした文章が心地好い乗り物を触媒とした交友録。遠藤周作、斎藤茂太、横山隆一、吉行淳之介などなど。海軍絡みのエピソードも。#阿川弘之 #随筆 #交友録 #読書 #中公文庫 #関川夏央 #遠藤周作 #豪華登場人物 #こざっぱり #乗り物

石原慎太郎『歴史の十字路に立って』【痛々しいまでの時代との相剋】

2015年刊行の回顧録。多少時系列の前後はあれど少年期から政界引退までを綴る。読みやすい文章で展開される氏の「垂直論理」が胸を突く。#石原慎太郎 #回顧録 #php #歴史の十字路に立って #2015年 #戦後70年だった #意外と読みやすい #日本政治 #東京都知事 …

【第159回芥川賞】高橋弘希さん、4度目の正直

高橋弘希さん、第159回芥川賞受賞!3年前から注目していたので嬉しい。同世代だし。簡潔な言葉遣いの研がれた文面にはゾクッとする陰影がたちこめる。死への感受性の強さ。中村文則氏以来、久々に逸材と言える作家の受賞。#高橋弘希 #芥川賞 #第159回芥川賞 …

浅利慶太と石原慎太郎【日生劇場の興り】

浅利慶太、石原慎太郎が財界の大物と組んで幕を開けた日生劇場。その残照は現在も残っている。浅利慶太は7月13日に85歳で死去。#浅利慶太 #石原慎太郎 #石原愼太郎 #文春文庫 #日生劇場 #ベルリンドイツオペラ #武智歌舞伎 #武智鉄二 #わが人生の時の人々 #…

カラヤン指揮、WPh/ワーグナーライヴ1987【晩年の熱い叫び】

ジークフリート牧歌の沈み込む風情、ラストの低弦の一撃。カラヤンの心の呟き。#カラヤン #ワーグナー #タンホイザー序曲 #ジークフリート牧歌 #トリスタンとイゾルデ #前奏曲と愛の死 #ジェシーノーマン #cd #ウィーンフィルハーモニー管弦楽団 #ザルツブル…

園田高弘『ピアニスト その人生』【生涯現役の厳しい道】

演奏家としての矜持、カラヤンやチェリビダッケとの共演、欧州での苦労。日本語で読めるピアニストの自伝の最高峰。日本人の演奏家による著作物の頂点。基になった日本経済新聞「私の履歴書」のためのインタビューをまとめた池田卓夫氏の手腕の賜物。余白の…

メータ指揮、LAPOの「ロマンティック」(Decca)【早く来すぎた全盛期】

ブルックナー(LAPO)が1970年、ワーグナー(WPh)は1966年のセッション録音。パリッと鳴る麗々しい響き。溢れるガッツと品の良さがうまく併存。メータの全盛期はここからの10年ほどだった。#クラシック音楽 #ブルックナー #ロマンティック #交響曲第4番 #19…

園田高弘の弾く「展覧会の絵」【ヤマハピアノで極めた頂点】

1992年セッション録音。手厚く明暗の行き交う冒頭のプロムナードから充実。強靭かつ軽重自在の弾きっぷりで各場面の面白さを描き、作品全体の交響的連続性もあぶり出す。リズムをシャープに決めつつ、線の太い輪郭で仕上げたラヴェルはユニーク。ヤマハピア…

園田高弘・カラヤン・NHK交響楽団・1954年【夜明け前の一期一会】

園田高弘とカラヤン指揮、N響の共演。当時25歳のピアニストはパールトーンの磨かれたタッチで生き生きと弾き進む。時折前のめり気味の躓きこそあれど堂々たるもの。カラヤンの指揮は意外とズッシリ。うまくソロを引き立てている。旧いが十分聴ける音質。#カ…

ヘルムート・ヴィンシャーマン(指揮とオーボエ)、ドイツ・バッハゾリスデン初期の名盤【J.S.バッハ:協奏曲集】

センセーションを巻き起こした1962年のバッハゾリスデン初来日直後のセッション録音。透明度が高い闊達に動く響きでピシッと決めた内容。ヴィンシャーマンのオーボエ、アクセンフェルトなどによるチェンバロも冴える。初期メンバーの名盤だが状態の良い中古…

園田高弘、パリの青春【ショパン:ピアノ・ソナタ第3番】

園田高弘さんはパリに赴き、ラヴェルと親交のあったマルグリット・ロンの薫陶を受けた。ロンの前でショパンのソナタ第3番を披露した結果、「入門」が許されたという。1989年録音の本アルバムのライナーには園田さん自ら青春の思い出を綴る。演奏も線の太い骨…

プラハのサヴァリッシュ(Supraphon)【情熱と劇性を秘めた超有能管理者】

チェコフィルを厳しく引き締め、速めのテンポ。シャープで立体感のある美麗な音楽。時折ふっと緩めるのが粋。品は崩さず鳴り物、打ち物を結構ワイルドに入れてくるのも面白い。N響に来た時とは別人の趣。4つの演奏会の音源が軸で殆どは本ボックスが初発売。…

朝比奈隆指揮、大阪フィル@ベルリン【雄々しくも綺麗に流れる】

1992年11月9日、ベルリンでのライヴ録音。ベートーヴェン、ワーグナーともに遅いテンポから導かれる晴朗な潤いのある音楽。ホールの音響がいいためかオーケストラが不要に力まず、このコンビ特有の胃もたれする引きずり感とは無縁。タイムを見て遅さに気づく…

My Favorite Things:石原慎太郎『私の海の地図』【しっとりした内面の声】

美しい写真と共に綴られる海をテーマとした回想エッセイ。長年外洋帆走協会の会長を務めたひとゆえ勇ましい話もあるが文章の基調は静かな心のつぶやき。日本屈指のブルーウォーター派の魂が宿った1冊。「家庭画報」連載の単行本化。#石原慎太郎 #石原愼太郎 …

My Favorite Things:メニューイン晩年のヴィヴァルディ【自由人の境地】

ヴァイオリニスト、メニューインの事実上最後の録音。精度にとらわれず大らかでリラックスした音楽をやっている。若き日のモルクが参加。#メニューイン #ヴィヴァルディ #ヴァイオリン協奏曲 #オーボエ #チェロ #オルガン #ヴァイオリニスト #指揮者 #ポーラ…

My Favorite Things:インバルの「悲愴」【暗さを覗き込む】

透明な質感からあちこちでジワジワ、ゾクゾクと暗く怖いものを抉る。終楽章の細かい棒捌きはバーンスタインの晩年と双璧だがあちらと違い、割合普通のテンポでやっているのが非凡。ワーグナーの濃い翳を宿す稜線の深い響きも素晴らしい。#インバル #チャイコ…

My Favorite Things:園田高弘のレーガーほか【明瞭にして深い翳】

発売当時レーガーが入っているのに驚いた。ライナーノーツには園田さん自らの筆で作曲家との出会いが綴られる。#園田高弘 #レーガー #シューマン #リスト #ピアノ #クラシック音楽 #放送音源 #意外な名演 #掘り出し物 色合いの変化で聴かせるシューマンの小…

My Favorite Things:メニューイン&グラッペリ【巨匠同士の小粋なお喋り】

いわゆるクロスオーバーのはしり。グラッペリがメニューインに書いた曲が意外と普通でガクッとくる以外は心和む時間。#メニューイン #グラッペリ #夢の共演 #クロスオーバー #クラシック音楽 #ジャズ #ヴァイオリン #emi グラッペリのキュッと響く音色、メニ…

My Favorite Things:園田高弘のフランス音楽【流麗、耽美、お洒落】

ひとは見かけによらぬもの。フランクの曇りのないタッチにたちこめるロマンの香りの濃さ。ドビュッシー、ラヴェルはディテールを明瞭に捌きつつ、うっとりするほど流麗な仕上げ。サン・サーンス、プーランクの洒落っ気への対応力も鮮やか。1960年代、ベルリ…

My Favorite Things【ズッカーマン〔vn.〕、クーベリック指揮、バイエルン放送響のチャイコフスキー】

ズッカーマンのヴァイオリン、エネルギーの強さ、音の張りと艶、慣習的な改変を排した解像度の高いディテール処理。ライヴでこの水準は驚異。クーベリックの録音については「好演率は高い反面、何かひと押し足りない」と思うことが多いが、本アルバムの指揮…

My Favorite Things:中曾根康弘『天地有情』

「自己主張と自己弁護の香りがかなり強烈」(中曾根氏本人による後記より)ながら伊藤隆、佐藤誠三郎の両先生の存在が利き、保守から見た戦後政治が人間の動きの見える形で起伏豊かに語られる。首相時代の日記の参照を許されたのも大きい。末尾の21世紀の日…

My Favorite Things:ストリングス名曲集【オーマンディ指揮、フィラデルフィア管弦楽団】

100万ドルサウンドの粋を集めたアルバム。光沢と上品なうねり。弦楽器の量感はもとより、オーボエなど木管楽器のビロード系の音色が耳に残る。今後未来永劫絶対出ない、聴けない性質のサウンド。#クラシック音楽 #オーマンディ #フィラデルフィア管弦楽団 #…

My Favorite Things:岩城宏之『楽譜の風景』(岩波新書)

楽譜から見えてくるクラシック音楽の面白さ、指揮の核心、音楽家の人間的断面を洒落た筆致で綴る。1982年~1983年にかけて書かれたもの。岩城さんは病気する前で世界のあちこちでブイブイいわせていた。従って海外ネタが多く挟まれ、有名なメルボルンにおけ…

My Favorite Things:ズッカーマンの振る英国音楽

誰ひとりズッカーマンに指揮をして欲しいひとはいるまい。しかしこの弦楽主体の英国音楽アルバムはRPOの好演に助けられ、優しいタッチのサウンドで聴き手をしっとりさせる。揚げひばりのほのかな光沢の澄んだヴァイオリン、「In Moonlight」のベルベット調の…

My Favorite Things【園田高弘の弾くドビュッシーの練習曲】

こういう顔したピアニストが透明にして艶の漂う響きを奏でる。だから演奏、音楽は面白い。#クラシック音楽 #園田高弘 #ドビュッシー #ラヴェル #サンサーンス #練習曲集 #第1巻 #ピアノ協奏曲 #みかけによらず #ピアノソロ #放送録音 課せられた要素を綿密に…

My Favorite Things:『ドルチェで行きましょう』【名指揮者とボストン響の素顔】

ボストン交響楽団で第1ヴァイオリン奏者などを約30年務めた著者の音楽的回想録。大指揮者のエピソードが毒を秘めたユーモアにくるまれて次々登場。巷にあふれる「クラシックちょっといい話」みたいな本の元ネタのひとつ。たちの悪い本だと出典なしで流用され…

My Favorite Things:『《昭和80年》戦後の読み方』(文春新書、2005年)

単に日本の戦後のみならず、近代からの日本や日本人の特徴が世界の思潮にどう向き合ってきたか、アメリカの影響圏のあり方、そして憲法改正と日本人のこれからまで論じる。各々の発言を長めに連ねた編集が好ましい。西部氏の発言の端々には後の彼の運命が透…

My Favorite Things:ルドヴィート・カンタのリベルタンゴ

ルドヴィート・カンタの弾くリベルタンゴが絶品。メロディの歌わせ方の上品な艶。メインのマイケル・ダウス〔vn.と指揮〕、OEKの「2つの四季」も決して悪くないけどついつい終わりから聴いちゃうCD。#oek #カンタ #ルドヴィートカンタ #ダウス #マイケルダウ…