アフターアワーズ

文化・社会トピック切抜き帖

ゴルフと人生の綾【シニアツアーの楽しみ】

2000年頃からゴルフを主にテレビで観戦しているが当初からずっと好きなのがシニアツアー、とりわけアメリカのシニアツアーPGAツアーチャンピオンズ)

興味の始まりはビッグ3、チチ、トレヴィノ、フロイド、アーウィン、トム・ワトソンなどのアーカイブフィルムの英雄たちをリアルタイムで見られることだった。老いてなお往時の残影をにじませる名手のプレーの深みはゴルフに対する興味を高めた。

近年は選手の世代交代が進みランガー、レーマン、オメーラ、モンゴメリー、ビジェイ・シン、ラブⅢ世、トムズ、ジョン・デーリー、オラサバルといった私がゴルフを見始めた時に米欧レギュラーツアーの中心だった選手がどんどんシニア入りしており、彼らがレギュラー時代の延長線でシニアに臨むか、違った顔を見せるかという点が楽しみ。そしてシニアツアーのもうひとつの面白さが各プレーヤーから醸し出される人生模様。上で名前を挙げた選手たちは皆、レギュラー時代に「功なり名を遂げた」ひとたち。

他方シニアツアーにはレギュラーツアーで不本意なキャリアに終わり、シニアで再起を期す選手やずっと競技アマチュアとして過ごし、シニアからプロの仲間入りする選手たちもいる。つまりレギュラーでは全く重ならなかった者同士が相まみえるのがシニアツアーなのだ。

勲章を持ったひとたちはなお衰えぬ勝利への執着心を見せ、一旗志向の「ルーキー」は一種の瑞々しさすらあるゴルフでガンガン攻める。異なる背景を持つ選手たちによる戦いはレギュラー以上に厳しく、多面的で汲めども尽きぬ魅力がある。

よくレギュラーはアイアン、シニアは小技と言われるが実際のシニアツアーを見ているとドライバーを積極的に振ってくる豪快さが結構目立つ。一部の公式戦(メジャー)以外は予選落ちがないので各選手ピン筋をどんどん狙っていくから。

日本にもシニアツアーはある(PGAシニアツアー)。バブル崩壊後、消滅の危機にあったが2000年代後半から中嶋常幸、倉本昌弘、尾崎直道などの人気選手が次々とシニア入りしたことで同年代のゴルフファンの関心が高まって、この数年は右肩上がり。イマイチ元気のないレギュラーツアー(JGTO)とは対照的。

http://www.pgatour.jp/web-magazine/