アフターアワーズ

文化・社会トピック切抜き帖

誤解どころか解釈する必要もない失言

稲田朋美防衛大臣は6月27日の夜、東京都議会議員選挙候補者の集会(板橋区)で以下の発言を行った。

「何かあった時にその活躍を自衛隊ができるのも、地元の皆様方の協力があって初めて、都と国の連携があることが重要だ。自衛隊防衛省とも連携のある候補を、ぜひ2期目の当選をお願いしたいと、防衛省自衛隊、防衛相、自民党としてもお願いをしたいと思っている」

(6月29日読売新聞朝刊4面「防衛相27日の発言要旨」より)

こちらは音声。

https://mainichi.jp/senkyo/articles/20170628/ddm/001/010/181000c

 

その日のうちに稲田氏はこう釈明した。

自衛隊防衛省の活動に対して地域の皆様方に応援いただいていることに感謝しているという趣旨で演説を行ったが、誤解を招きかねない発言に関して撤回したい」

(同)

 

しかし稲田氏の演説には「誤解を招きかねない発言」など全くない。それどころか解釈の余地もないくらい明瞭な言葉が並んでおり、はっきりと「防衛相、自衛隊、防衛相、自民党として」「ぜひ2期目の当選をお願い」している。

あえて御要望に応じて「誤解」するなら「自民党の候補者に入れないといざという時に損しますよ。これは防衛相、自衛隊、防衛相、自民党の意思です」とも受け取れる。

 

ちなみに稲田氏は同じ演説で東京五輪ブルーインパルスを飛ばす」とも発言している。まるで航空自衛隊が自身の配下にあるような認識みたいだ。

 

自衛隊の政治的中立への疑念を招き、国民の自衛隊防衛省に対する信頼感の低下に繋がる救いようのない失言であり、安倍晋三首相は直ちに稲田氏を更迭するのが常道。

 

稲田氏は今回の件以前にも度々政治家としての資質に疑問を抱かれる行動、発言を繰り返している。

http://www.yomiuri.co.jp/politics/20170629-OYT1T50008.html?from=yartcl_popin

同盟国アメリカのマティス国防長官の抑制的で知性を感じさせる口調や発言内容と並べた時、日本の防衛大臣が稲田氏のような粗っぽい人物では日米の安全保障協力に隙間風を生じさせかねない。このままで日本の国益を大きく損ない、極東の安定にも悪影響を与える。一刻も早く新しい防衛大臣を迎えることが肝要。

 

私は保守の政治観を持ち、安倍内閣もどちらかと言えば支持するが、稲田氏のような人物が保守政治家、保守のホープと言われるのは看過できない。稲田氏は保守政治家ではなく自身の応援団にしっぽを振るだけの最低の政治家である。