アフターアワーズ

文化・社会トピック切抜き帖

範はチャンピオンズにあり【JAL選手権回顧】

日本のゴルフ受容史における画期的出来事

PGAツアーチャンピオンズ「JAPAN AIRLINESチャンピオンシップ」(成田ゴルフ俱楽部)はコリン・モンゴメリーの優勝で幕を閉じた。同ツアー初の日本開催試合の内容が激戦でしかも殿堂入り選手の優勝となったことは喜ばしい限り。

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過去LPGAの試合は日本で長年定期的に行われてきたがPGAツアー所管のトーナメント開催は一度も実現しないできた。その間韓国でPGAツアーチャンピオンズやプレジデンツカップが行われるという事態になり、100年以上のゴルフ受容史を持つ日本として恥ずかしい状況だった。今回、遅まきながらのPGAツアー所管のトーナメント開催が日本で実現したのは画期的出来事。各選手からの反応は社交辞令を差し引いても好意的だった。日本のゴルフ関係者は協会からゴルフメディアまで結束し、継続開催に持っていくことが重要。

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優勝したモンゴメリーは全盛期のライダーカップ出場時のようにパッティングがよく決まった。また身体の柔軟性が健在でスウィングのリズム、流れのスムーズさを最後まで保てたのも勝因。

日本人選手では倉本昌弘・日本プロゴルフ協会会長が7位タイに食い込む大健闘。

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最終ラウンドで珍しくパッティングが入り、ロングパットを仕留めて見せた。かつてチャンピオンズに参戦し、「場離れ」していたのがプラスに作用。逆に他の選手はやる気が空回り。

真剣勝負とエンタテインメントのさじ加減

PGAツアーチャンピオンズの全体の魅力については以前の本ブログで触れた。

choku-tn.hatenablog.com

ゴルフ中継の質の向上が求められる日本のテレビ局

今回の試合はいわゆるメジャーではないがアメリカ・ゴルフチャンネルは殿堂入りのラニー・ワトキンスを解説に迎えていた。一方日本の中継局(BS-TBS)は加瀬秀樹、手嶋多一がそれぞれ解説、ラウンドレポーターを務めた。2人は日本のレギュラーのメジャー覇者であり適任といえる。しかし普段の日本の日米のトーナメント中継では「誰、このひと」という人物が的を得ない解説をするケースが目立つ。メジャーでない、しかもシニアの試合に殿堂入り選手を解説に起用しているアメリカのテレビ局の姿勢を見習ってどんな人物が解説にふさわしいか、日本のテレビ局はしっかり考えてもらいたい。