アフターアワーズ

山椒系ちょくの切り抜き帖

【曲目構成の難しさ】瀬﨑明日香ヴァイオリンリサイタル@10/9紀尾井ホール

9月26日のブログで取り上げた瀬﨑明日香のリサイタルに足を運んだ。

choku-tn.hatenablog.com

オールフルスロットルの難しさ

プログラムはモーツァルトのヴァイオリン・ソナタK.296とリヒャルト・シュトラウスのヴァイオリン・ソナタが前半、後半はラヴェルのツィガーヌとフランクのヴァイオリン・ソナタ。どれも名曲でしかも常に全開でいく必要のある作品を並べた。それゆえ全体に力みが目立ち、奏者本来の俊敏な運びや切り返す音の粒の美しさは影を潜めてしまい、やや聴き疲れした。最後のフランクで日ごろのしなやかさ、艶が戻って奏者の魅力を感じられたのは幸い。

10月初頭に天童で行ったリサイタルでは前半ラヴェルとフランク、後半クライスラーの名曲というプログラムを組んでおり、この方がペース配分しやすく奏者の持ち味が生きた気がする。

近年名だたるホールに進出した際に自身のやりたい名曲、大曲をドドンと並べる器楽奏者が結構いるが正直聴き手としてはプログラム見ただけで息苦しくなる。特に弦楽器の場合、何か1曲箸休めが欲しいところ。

瀬﨑はアンコールにシベリウスの小品op.81-1、ラヴェルのハバネラ形式の小品、クライスラーの美しきロスマリンを弾いた。メインの曲目に比べて肩の力が抜け、やわらかいタッチの音で色合いの変化豊かに聴かせた。

実力の確かな奏者でもプログラムによってはその良さが十分感じられないこともある、演奏会の難しさを再認識した。