秋に集う東西の大顔合わせ
夜の部を鑑賞。
過去の歌舞伎は国立劇場もしくは新橋演舞場の公演で歌舞伎座は初訪問。
江戸古典、上方和事、新歌舞伎の傑作が一度に観られる演目にひかれた。
仮名手本忠臣蔵:五段目・六段目
落語「中村仲蔵」が好きなので楽しみに鑑賞した五段目。
染五郎の定九郎は舞台姿に潤いがある。「仲蔵見得」の実見だけでも行ったかいがあった。
五段目、六段目を通じて勘平の仁左衛門の口跡の良さ、陰影の濃い演技は破格。
新口村
藤十郎は口跡こそ不明瞭だが所作のはんなり感はさすが。相手役扇雀の充実に驚く。
はかない色気と確かな意思を漂わせる口跡、演技は胸に伝わった。
元禄忠臣蔵:大石最後の1日
幸四郎の放つエネルギー、奥行きの深い余韻のある芝居に圧倒された。独特の口跡は好みが分かれようが「これしかない」と思わせる。一方、染五郎の芝居は様式的に整い、その面では父親をしのぐほどだがやや予定調和。また金太郎は端正な顔立ちは光を放つが声の抑揚などまだまだ発展途上。
3人は2018年1月にそれぞれ二代目白鷗、十代目幸四郎、八代目染五郎を襲名するため現名跡での舞台は11月が最後だった。
あと意外と言っては失礼だが児太郎が良かった。父君の病が長引くなか頼もしい。
歌舞伎は面白くて5分前のブザーのあと、