アフターアワーズ

文化・社会トピック切抜き帖

NHK-FMのバイロイト音楽祭放送はいまや睡眠薬

錆びついた師走の風物詩

NHK-FMは長年師走にバイロイト音楽祭の放送を行っている。昔は柴田南雄の解説で幾多の名演奏を好楽家の部屋に届け、日本のワーグナー受容促進に寄与した。しかし現在のバイロイト音楽祭は「バカロイト音楽祭」と呼ぶ方がお似合い。歌手も指揮者も殆ど素寒貧。今年の放送なんて全演目退屈で良い睡眠薬になった。世の中にはあんな演奏を聴くためにわざわざ苦労してチケットを取り、かの地まで行くひとが大勢いるのだ。皮肉でも何でもなく見上げた心がけ。クラシックを聴き始めた約20年前、サヴァリッシュ、シュタインのワーグナーは大したことないとみなしていたが、いまのヤノフスキなんか聴くと彼らの偉大さが分かる。
もう毎年のライヴ音源の放送は紅白歌合戦同様陳腐化した。NHK-FMは来年から「バイロイトザ・レジェンド」と称して昔のホルスト・シュタインなどの公演を流すこと。好意的な反響確実。

もしバイロイト音楽祭のライヴ録音を楽しみたければデッカのボックス

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で一生退屈しないだろう。贅沢するならカイルベルトの「オランダ人」(テスタメント)、クリュイタンスの「タンホイザー」(オルフェオ)、ベームの「マイスタージンガー」(同)、クナッパーツブッシュの「パルジファル」(デッカ旧)を備える。

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