アフターアワーズ

文化・社会トピック切抜き帖

モルモン教のトップ逝去

2008年から末日聖徒キリスト教会(モルモン教)の第16代プレジデント(大管長)を務めていたトーマス・S・モンソン氏が2日に逝去。90歳だった。
私はもちろんモルモン教徒ではないし、周りに教徒もいないが2つの理由によりちょっと関心はある。
1つ目は往年の名プロゴルファーのジョニー・ミラー(1947-)が教徒であるため。彼は1973年全米オープンで最終日63を出して優勝、ミラクルミラーと呼ばれ、絶大な人気を誇った。しかし1976年全英オープンに優勝して以降はメジャーに縁はなく、少しずつ出場試合数は減っていった。
その背景として取りざたされたのがゴルファーにとって最も重要な日曜日がモルモン教安息日である点。もちろんパッティングの不調も一因だったが、ミラー自身後年、安息日とゴルフの関係で悩んだことは半ば認めている。事実1980年代後半以降、彼はゴルフ解説者に転身したがあまり解説の試合数の多くないNBCと契約している。 なおミラーの息子のひとりはモルモン教の伝導師になった。
2つ目は超長寿音楽宗教番組「Music and the Spoken Word」の存在。アメリカ最古の合唱団と言われるモルモン・タバナクル合唱団が出演して、毎週日曜日の朝9時30分から公開生放送されるこの番組はラジオで約90年、テレビも約70年の歴史を誇る。収録会場はソルトレイクシティのテンプルスクエア。原則観覧は無料でクリスマスに大物ゲストを呼ぶスペシャル(3万人収容の公会堂で収録)のみ20ドル程度の観覧料が必要。
モルモン・タバナクル合唱団は世界トップレベルの技量を誇るアマチュア合唱団。何度もアメリカ大統領就任式に招かれているほか多数の録音を行っている。かつてはオーマンディバーンスタインとも共演した。
番組の様子はYouTubeの合唱団公式チャンネルで見られる。リアルタイムの生中継も行っている。
視聴すれば分かる通り、決して宗教曲ばかりではなく、ミュージカルなど多彩なジャンルを取り上げる「癒し系」。両会場とも世界最大級のパイプオルガンが設置されているのでオルガンとの絡みが多い。途中でアナウンサーの「今日のためになる話」が入るのが宗教性を感じさせるところ。
クラシック音楽や合唱好きの方は結構楽しめる番組なので一度御覧になってはいかがだろうか。宗教のメディア活用という観点からも面白いと思う。
http://www.musicandthespokenword.com/index.shtml
https://www.mormontabernaclechoir.org
https://www.youtube.com/user/MormonTabChoir