アフターアワーズ

山椒系ちょくの切り抜き帖

ピアノの大技小技が熱空間で弾ける!【2018/2「東京ピアノ爆団」第3回】

「爆団」の中身を少し解剖

指揮者・水野蒼生が2016年から主宰し過去2回大成功を収めた自由に楽しめる超一級ピアノライヴ「東京ピアノ爆団」の第3回が2018年2月、東京(2月4日)と神戸(2月16日)で開催。以前ブログでその概要を記した。

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今回は一部発表済みの3人が弾く予定の曲目について書いてみる。

鶴久竜太(ブラームス:ヘンデルの主題による変奏曲とフーガ作品24ほか)

簡単に言えばピアニストの能力が全てテストされる作品。指の回転スピード、パワー、反射神経、音と音の間を埋めるロマンティックな練り込み、論理的構成力・・・これらの要素が高次元で揃うと曲の妙味が引き出され、聴き手はゾクゾクする。クララ・シューマンシューマンの奥さん)がハンブルクで初演、ウィーン滞在時に楽譜を見たワーグナーが感動したという逸話まである名品。

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高橋優介(ストラヴィンスキー:「ペトルーシュカ」による3つの楽章)

「人間の心をもった人形の悲劇」という結構エグいプロットのバレエのエッセンスを三場面、ピアノで魅せる。リズムの爆発、狂乱の和音、色彩の洪水。かつては楽譜をなぞれれば一仕事達成と言われた難曲だが、高橋優介ならそんなところはスッと潜り抜け、ライヴハウスに劇空間を作り出すはず。

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三好駿(ベートーヴェン:創作主題による15の変奏曲とフーガ〔エロイカ変奏曲〕作品35)

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2017年7月の水野蒼生指揮、O.E.Tの結成公演を聴いた方ならすぐ気付くと思うが、あの日のメイン曲目だった交響曲第3番の第4楽章のテーマが使われている。元々バレエ「プロメテウスの創造物」のフィナーレに使われた材料でベートーヴェンはこのテーマがお気に入りだった。喜怒哀楽、屈折したユーモアなどを内包する一筋縄ではいかない変奏曲。演者の三好もこれまた良い意味で普通じゃないひとだからきっとハマるだろう。

クラシック音楽を聴くのに格別の知識や「予習」など本来不要。その反面事前にちょっとかじっておくと一層楽しめるのも確か。この駄文が「爆団」への出発点になれば幸い。もちろん本番が始まったら余計なことは考えず、繰り出される音楽のエネルギーに酔いしれて欲しい。

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※文中敬称略。