アフターアワーズ

文化・社会トピック切抜き帖

予想外の快挙【小平智選手PGAツアー初優勝】

ヘリテイジは1969年に始まった招待トーナメント。第1回チャンピオンがアーノルド・パーマー、以降ニクラウス、ミラー、ワトソン、ファルド、ランガー、アーウィン、ラブ三世など錚々たる顔ぶれが優勝者に名を連ねる(1977年には日本でおなじみだったグラハム・マーシュが優勝)。会場の風光明媚なハーバータウンゴルフリンクスサウスキャロライナ州ヒルトンヘッド)は1966年、ジャック・ニクラウスが友人ピート・ダイと共同設計したコース。今や現役屈指の名設計家として高い評価を受けるニクラウスの最初期の代表作。20代半ばでコース設計に目を向けたニクラウスの意識が興味深い。

現代のPGAツアーの開催コースの中でハーバータウンは短く(7099ヤード・パー71)平坦な一方、グリーン周りまで気が抜けない。ショットの高いレヴェル、ショートゲームのうまさを求めるデザイン。アメリカでは珍しくOBが結構あり、日本のコースと視覚印象が近い。

従ってショットの精度が武器の小平選手にとってイメイジの作りやすい、テクニックが生きるコースといえた。強豪ポールターなどの後退、同伴競技者が紳士的なショットメイカーのビル・ハースとレアードだったこともラッキー。14番のグリーン外からのバーディで差を縮め、強風のなか最終ラウンド66をマーク。そしてプレーオフ3ホール目にこの日好調のパットを決め、プレイヤーズ覇者のキム・シウを破った。状況の追い風をものにした見事な優勝。

小平選手の快挙に関してジャンボ尾崎プロが独特の表現で祝意を表した。

news.golfdigest.co.jp

ジャンボらしい率直かつひねりの効いたコメント。世界中のどこでも勝てる選手は松山英樹選手くらいだが、小平選手以外にも戦えるコースで自身の引き出しをうまく開ければ海外で勝てそうな日本人選手はいる。どこまで前向きにやれるかだろう。
小平選手もコロニアルなどテクニックの求められるコースなら2勝目がありうる。優勝でシードを得たのである程度試合を選べるからじっくりやって欲しい。