アフターアワーズ

山椒系ちょくの切り抜き帖

My Favorite Things:曽野綾子『立ち止まる才能』【作家が作品を生む意識】

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産経新聞の辛口コラムとは全く違う創作に対して誠実な女流文士の肖像。作家になるまでの人格を形作った複雑な家庭、創作に至る道程や意識、文章作法などをシンプルに記した文学的自叙伝。#曽野綾子 #曾野綾子 #三浦朱門 #読書 #新潮文庫 #内幕 #自叙伝 #意外な一面 #日本財団

さりげなくギクッとくる言葉が飛び出す。

「すべてのひとはいないと困るほどそれぞれに味のある存在だが、同時に、どんな人でもその人がいなければいないで世間はちゃんと動くのである。」(pp.97)

「自分の何もかもを知っていてくれ、覚えていてくれ、というのは、幼稚な甘えである。ほんの一か所、あなたに覚えていただければ、それだけで光栄です。そこであなたと繋がっています、と言えるだけでも、それは現世でありうべからざるほど貴重な幸福、幸運、光栄なのである。」(pp.70)

「表現というものは、精いっぱい胸のうちを言うことであるが、その場合にも一種のルール、身の構えはなければならない。できるだけむだなく、分かりやすいように、ということだ。(中略)難解な文章というのは、端的に文章力がない証拠なのである。その上、創作の態度としても思いあがっている。自分の書くものは、非常に優秀なものだから難解なのは当然で、読者の方で努力して理解することだ。理解しないのは、つまりそちらが悪いという態度になるからである。」

小説『無名碑』誕生までの取材過程のなかなかの壮絶さが面白い。