20世紀最後のショパンコンクール(2000年)のチャンピオン。当時史上最年少。本ベスト盤で聴ける優勝直後の歯切れのいい指捌きによる端麗な清涼感のあるピアノサウンドは印象的だったし、いま聴いてもいとおしい。いわゆるサビのところのスローダウンが時折パターン化しちゃうのが「若さ」だった。
この後EMIへ移籍、そして近年再びドイツ・グラモフォンにショパンなどを録音。音の骨格が逞しくなり、影も浮かび、表現の引き出しは格段に増えた。2015年ショパンコンクールの審査員にやはり史上最年少で選ばれる栄誉も得ている。