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山椒系ちょくの切り抜き帖

My Favorite Things Special【ドラマ「刑事コロンボ」ベスト10〔序章〕】

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2018年は米国ドラマ「刑事コロンボ」誕生から50年。#刑事コロンボ #コロンボ #ピーターフォーク #海外ドラマ #別冊宝島 #宝島社 #レインコート #葉巻 #警部補 #ルテナント #コロンボ警部 #ムック本 #角川書店

1968年2月20日刑事コロンボは米NBC系で初めてテレビ画面に登場した。この「殺人処方箋」を含む単発2作品の高評価を受け、3年後の1971年にシリーズ化されると世界中で大評判。日本ではNHKにより1972年から放送開始。以来約45年にわたり、民放やBS・CSも含めて再放送され続けている。

英国ミステリとの連続性

周知の通り、刑事コロンボはテレビドラマの世界に倒叙ミステリの手法を初めて持ち込んだ。「倒叙」という言葉は話の順序が逆さまの意。つまり倒叙ミステリは「犯人あて」が主眼の通常のミステリとは逆に冒頭から犯人を明かして犯行のプロセスを克明に描き、次に探偵役が犯人と対峙してその犯罪を暴く筋立て。

倒叙ミステリは20世紀初頭にオースティン・フリーマンのソーンダイク博士シリーズで創案されて以来、クロフツ、バークリーなどが同手法による名作をものしているので英国ミステリの世界とそのファンにとってはおなじみのスタイル。しかし英国ミステリを読む機会など殆どないアメリカの大多数の視聴者は当初面食らい、やがてピーター・フォーク演じるユニークな刑事の捜査ぶりに快哉を送ったと思われる。

刑事コロンボの生みの親、リチャード・レヴィンソンとウィリアム・リンクはともに子供の頃からの英米本格ミステリマニアだった。そうした素養の深さが刑事コロンボのフォーマット、後年作り手の構成が変わっても(少なくとも旧シリーズの殆ど作品には)流れ続けた品格ある知的サスペンスの要素を生んだ。この要素が日本での人気を呼んだ理由の1つだろう(「もうひとつの鍵」は言うまでもなく一見冴えない中年男性が大活躍するプロットに対するサラリーマンからの共感)。

また刑事コロンボのクリエイターたちはNBCの反対にもかかわらず、脇役を中心に英国系俳優を多く起用した。創っている作品のルーツへの意識は確実にあったと思われる。

懐かしの「金曜ロードショー

刑事コロンボとの出会いは子供の頃、日本テレビ系「金曜ロードショー」で放送されていたのを親の横で見た時。当然ストーリーの全体像は摑みきれないのだが最初に何やら悪だくみをするひとが登場して、その後いつもコートを着ているひとが犯人に食い下がる流れは印象に残った。小学校高学年にミステリ小説好きとなって以降は親以上にしっかり見るようになり、最もなじみ深い海外ドラマになった。

往年の金曜ロードショーのオープニングを動画サイトで見ると「さあ、今夜の刑事コロンボは何だろう」と胸ときめかせたのを思い出す。水野晴郎氏の解説もいま見ると「はぁ」なところもあるが当時は面白く聞いた。

水野晴郎 『刑事コロンボ-死者の身代金』紹介 - YouTube

NHKの「ベスト20」に便乗しつつちょっと抗う

11月3日にNHK-BSプレミアムで「完全捜査ファイル」と銘打った刑事コロンボの特集番組があり、事前の視聴者投票によるベスト20が発表された。

www9.nhk.or.jp

あらかたは納得できるが「指輪の爪あと」が外れた一方、さして面白くない「忘れられたスター」や「秒読みの殺人」がランクインなど疑問も。そこで次回から個人的ベスト10をコメント付きで紹介。以前のホームズは数ヶ月かかってしまい、「督促」まで頂戴する体たらくだったので今回は年内完結を目標にする。

〔参考文献・サイト〕

刑事コロンボ レインコートの中のすべて』マーク・ダヴィッドジアク著、岩井田雅行、あずまゆか訳(角川書店;1999年)

別冊宝島1330 刑事コロンボ完全捜査記録』町田暁雄監修、えのころ書房絵(宝島社;2006年)

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