画像の通り前半は若い2人がクラシックの名曲、後半は御年90歳の北村氏とヴェテランのピアニスト高浜氏によるジャズのスタンダード。北村氏の父君政治郎さん(船舶の無線電話を発明)が東工大で研究していたという話には驚いた。なおピアノの平塚太一は北村氏の孫。
通常高齢の音楽家、特に管楽器奏者(や声楽家)の公演だと「高音はかすれがちで」「音の伸びにかげりが見え」「不安定なところはあった」が「それを補ってあまりある何かを感じさせた」と書き捨てるケースがしばしば。
しかし北村氏の演奏は前置きや但し書きの全くいらない100%現役の音楽だった。柔らかで澄んだ質感、流麗な音の伸び、細かいところの動きのしなやかさ、どこを取っても瑞々しい青春の息吹に満ちていた。もちろん合間のMC含めて立ったまま。若い音楽と佇まいに圧倒され、失礼ながら前半の2人の方が老けた音楽じゃないかと考えてしまうほど。
芸歴ほぼ70年、英米でも活躍してきた北村氏。ぜひ100歳までスウィングし続けてもらいたい。
※文中一部敬称略※
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