1998年(平成10年)4月、読売日本交響楽団常任指揮者(2007年3月まで)に就いたゲルト・アルブレヒト(1935-2014)。
ベートーヴェンとブラームスの交響曲全集レコーディング、先方からの招待による欧州公演、ヘンツェ作品を始めとする現代作品の初演、ワーグナーやヤナーチェク(演奏会形式)のオペラ公演などの実績をあげた。
またテンシュテット治世のロンドンフィルハーモニー管弦楽団のコンサートマスターだったデヴィッド・ノーランが入ったことで弦楽器の演奏能力が精度、量感の両面で向上。アルブレヒト効果と内なる改革で読売日本交響楽団はオーケストラとしての方向性が明確になり、音楽ファンからの支持が大きくなった。
その流れは後継のスクロヴァチェフスキ、カンブルランが拡大再生産、平成後期は「読響躍進」の時代だった。
※本稿執筆にあたり元読売日本交響楽団ヴィオラ奏者の清水潤一氏への書面インタビューを行った。清水氏の御協力に心から感謝申し上げる。なお清水氏のインタビュー内容詳細は今後ブログに掲載予定。
マーラー:交響曲第9番/シルヴァン・カンブルラン(指揮) 読売日本交響楽団
メシアン:歌劇《アッシジの聖フランチェスコ》/シルヴァン・カンブルラン(指揮) 読売日本交響楽団
ショスタコーヴィチ:交響曲第5番 ベルリオーズ:愛の情景~劇的交響曲≪ロミオとジュリエット≫より/スクロヴァチェフスキ、読売日本交響楽団