アフターアワーズ

文化・社会トピック切抜き帖

東京都議会議員選挙を受けて【都民ファーストの会と自民党】

都民ファーストの会の圧勝

短期決戦で後ろにいる人間(小池百合子都知事)の支持率が高く、しかも与野党の2大政党が揃って不信感を持たれている状況。新興勢力が勝つ条件はそろっていた。グリーンカラーも含めて小池氏のスタートだった日本新党参議院、都議会と躍り出た時に少し似ている。そして日本新党は「55年体制」終焉の中心的役割を果たした。2018年はあれからちょうど25年になる。
一方で今後都民ファーストの会に対する視線は厳しくなる。新しく都議会議員となったひとたちが地元のために汗をかかないと期待は失望に変わり、例えば次期衆議院選挙で東京のどこかの小選挙区に候補者を立てる、「非自民・非民進・非共産」の比例の票を拾うといった党勢の発展も望めない。

小池百合子氏はずっと政界再編志向のひと。大きな権力を持つひとについて自身は比較的小さな権力を持ちつつ、再編の輪の中心に身を置きたがる。これから小池氏は東京都知事としてイメイジを打ち出しながら、都民ファーストの会サードパーティとして再編の軸になる、国政のカギを握る状況を作ろうと目論むはず。都民ファーストに近づいている国会議員長島昭久氏、渡辺喜美氏も再編志向の連中だ。

自民党の抱える危機といま必要な取り組み

都議会議員の激減は次期衆議院選挙、2019年参議院選挙の時の手足が減ったということ。これで東京都選出の自民党議員はものすごく苦労するし、比例の票も拾いきれなくなる。

もし11月の葛飾区議会議員選挙も大負けなら状況は一層悪化する。というのも区議会議員は一般党員の窓口になっており、党員名簿も持つ。つまり区議会議員選挙の敗北は、東京都において自民党の基盤崩壊の前兆。葛飾区で負ければ他の区の自民党議員が動揺して党員名簿片手にゾロゾロ都民ファーストの会へという事態もありうる。


安倍首相はまず憲法改正より自民党総裁として足元の再建を急がないと。現状だと連勝してきた国政選挙で大ピンチに陥る。また内閣改造を行い、稲田防衛大臣など不適格な人間は一掃する。首相自身も含め問題行動や不規則発言は厳に慎む。
そして本腰を入れて構造改革と規制の撤廃を進める。獣医学部設置ごときで岩盤規制に穴あけた、特区だなんて言っているようではお先真っ暗。EUとのEPAを早くまとめることも大切。

おそらく安倍首相は短期的には得意の外政で巻き返しを図るだろう。幸か不幸か日本を取り巻く内外情勢は厳しく、色々言っても安倍首相以外にいま首脳外交を担える人間はいない。