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文化・社会トピック切抜き帖

北朝鮮は遠すぎる【1勝1敗の安倍首相欧州歴訪】

安倍首相はG20出席と北欧訪問のため、欧州歴訪を行った(九州北部豪雨発生により予定を2日繰り上げて帰国)。
都議選惨敗の余波が残るなか、得意の外政で巻き返えそうと意気込んだはずだが結果は1勝1敗

まず1勝。
EUのトゥスク大統領との会談でEUとのEPAの合意を固めたこと。
やや遅きに失したが規模、内容ともに画期的な合意。
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日本は今後、産業の技術革新と製品化競争力の向上、農畜産の構造改革を速いテンポで進めれば、この協定を成長に結びつけられる。

次に1敗。
G20首脳宣言で北朝鮮に対する明確なメッセイジを盛り込めなかったこと。多くの国にとって北朝鮮は極東の小国、どこにあるかもよく分からない国であり、脅威と感じていない実態が改めて露呈した形。
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国連加盟約190ヵ国のうち、約160ヵ国が北朝鮮と国交がある。つまり世界、とりわけ大陸ヨーロッパでは北朝鮮普通の国とみなされている。
日本はこの現実を直視し、北朝鮮との対話にしっかり乗り出す必要がある。アメリカは北朝鮮のミサイル開発をスローダウンさせるため、近いうちに北朝鮮と対話して何らかの合意に達するかもしれない。「圧力、圧力」と言っていたらアメリカに梯子外されていたでは日本としてあまりに情けない。
アメリカ、チャイナとの関係を密にしながら、北朝鮮と対話する道を日本政府はしたたかに考え、一歩踏み出す必要がある。

最後に。安倍首相は九州北部豪雨対応のため、エストニア訪問を取り止めて帰国した。災害対応は重要だがここは国益を踏まえて予定通り訪問してもらいたかった。
なぜならエストニアNATOのサイバー防衛の拠点であり、経済成長も著しいから。