線が太くしかも敏捷な音楽の大型奏者
瀬﨑明日香はほんのり色気の漂う美音で骨格のがっしりした力感のある音楽が持ち味のヴァイオリニスト。作品全体の論理を見据える知性があり、しなやかな輪郭の解像度の高い響き。楽想の変化に反応してスパッと切り返す鋭さは鮮やか。ソロはもとよりアンサンブルリーダーとしてのキャプテンシーも素晴らしい。
10月9日(月・祝)に瀬﨑は紀尾井ホールでデビュー25周年記念のリサイタルを行う。モーツァルト、リヒャルト・シュトラウス、フランクのヴァイオリン・ソナタにラヴェルのツィガーヌを交えた大陸ヨーロッパの王道名曲プログラム。
瀬﨑は雑誌「音楽の友」2017年10月号掲載のインタビュー記事(きき手長井進之介)でヴァイオリンとピアノのデュオはシンプルかつ交響的な奥行きがあり、10年以上共演を重ねるシュトロッセと奏でる今回のプログラムはカントロフとパスキエに師事したことやヨーロッパでの演奏活動によって培ったものを生かし、表現できる内容。またひとりの表現者として現代の社会で音楽が果たせる役割が何か考え、行動していると語った。
単にヴァイオリンが卓越しているだけにとどまらず、芯の通った言葉で語れる真のアーティスト。最高の音楽を最高の演奏で聴き手に届けるはず。
2017年10月9日(月・祝)紀尾井ホール14時開演
瀬﨑明日香(ヴァイオリン)
エマニュエル・シュトロッセ(ピアノ)
~プログラム~
ラヴェル:ツィガーヌ
フランク:ヴァイオリン・ソナタ
瀬﨑明日香デビュー25周年ヴァイオリンリサイタル | 瀬﨑明日香オフィシャルサイト
2017.10.9(月祝)瀬﨑明日香ヴァイオリンリサイタル〜デビュー25周年〜 | 株式会社オーパス・ワン | Opus One Co., Ltd.
※文中敬称略