2013年のサヴァリッシュ逝去直後、スプラフォンから登場したライヴ録音集。ドヴォルザークの序曲「自然の王国で」のみ1990年代後半にプラハレーベルで出ていた。主な内容は以下の通り。
- モーツァルト(CD1;1980年6月20日)
- マルティヌー:交響曲第4番〔CD5〕&ベートーヴェン:交響曲第6番〔CD2〕(1975年10月16日)
- メンデルスゾーン:交響曲第2番(1975年10月23日)
- ドヴォルザーク〔CD5〕、マルティヌー:戦場のミサ、ヤナーチェク:グラゴル・ミサ〔CD4〕(1972年12月1日)
割合固まった時期の音源を上手にセレクトしており、しかもドイツ、オーストリア音楽とチェコ系のバランスも良い。制作者の慧眼が覗える。サヴァリッシュの基本姿勢は手綱をきっちり握った上で山場になるとちょっと動かす。端正な佇まいの中で仕掛けるのでインパクト大。N響を振る時はオーケストラと聴衆が望む、要領のいい真面目指揮者の顔しか見せなかったサヴァリッシュ。本ボックスでは作品のドラマをとらえ、音楽的に踏み込んでいく情熱家の一面がにじむ。