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文化・社会トピック切抜き帖

1/29:猪瀬直樹講演会「この国のゆくえ」【歪みを正し、ひとりひとりが前に歩む】

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55歳定年、68歳平均寿命の時代に作られた年金のしくみではおかしくなって当然。高齢者の労働市場を整備、年金の支給開始は適正な時期に。「高齢者いじめ」ではなく歪みを正す。五輪招致は健康寿命を伸ばす取り組みの一環だった。ひとりひとりが「必然」を果たすところからのみ「偶然」は生まれる。嵐の起源、ワシントンハイツ→ジャニー喜多川→ジャニーズ。歴史(公)と時間(私)の葛藤から文学は生まれる。カズオ・イシグロにはそれがあり村上春樹は「私」のみ。#猪瀬直樹 #講演会 #備忘録 #1月29日 #2019年 #平成31年 #東京ウィメンズプラザ #日本環境教育機構

〔講演を聞いて考えたこと〕

  • 55歳定年、60歳から年金をもらい、数年で死ぬ。これを前提に現在の年金、医療など社会保障全般は構築されている。しかし現状は60歳定年、65歳から年金をもらうとして男性なら80歳、女性なら85歳まで生きる。つまり年金をもらう期間が恐ろしく長くなったのだ。これでは社会保障の負担が増すばかり。社会保険の企業負担分も増える一方で給料から引かれる分に跳ね返るので総所得は増えても給料は一向に増えない。構造改革を実行し、高齢者の労働市場を形作り、額はきっちり確保したうえで年金の受給開始を後ろにずらす。また健康増進政策で健康寿命(現在は男性72歳、女性76歳)を伸ばせば医療費の抑制が見えてくる。
  • 何事も思想とコスト意識が大切。刑務所だって刑期の短い連中向けの施設ならセコムやALSOKが保守し、職業訓練小学館が入ってパソコン教室をする形態の方が効率よく運用できるそうだ。猪瀬氏が東京都知事として五輪招致に乗り出したとき、「お金はかけず、環境技術やイノベーションを中心に据えた先進国の五輪をやる」というはっきりした思想とコスト意識があった。ところが猪瀬氏は失脚、以降エンブレム、競技場、施設整備とあらゆるところで綻びが露見、いまや2020年東京五輪はやっかいもの一歩手前。
  • 構造改革を怠ったので平成日本は衰退し、国ばかりかひとの意識構造まで歪んだ。2020年のその先の日本を朽ちさせないため、教育、労働、社会保障全体の構造改革が今こそ必要。国の歪みを是正し、ひとりひとりが自らの「必然」をきっちりやる。日本のゆくえはそれができるかにかかっている。