アフターアワーズ

文化・社会トピック切抜き帖

【My Favorite Things Special:2019年〔令和元年〕Classical Music CD 私的 best10+1】

※順不同・敬称略
☆ユージン・オーマンディ指揮、フィラデルフィア管弦楽団/ヒンデミット:交響曲「画家マティス」、バルトーク:管弦楽のための協奏曲ほか(キングインターナショナル)
バルトーク: 管弦楽のための協奏曲、ヒンデミット: 交響曲「画家マチス」/ユージン・オーマンディ、フィラデルフィア管弦楽団

☆ユージン・オーマンディ指揮、フィラデルフィア管弦楽団/シベリウス:交響曲第2番ほか(キングインターナショナル)
シベリウス: 交響曲第2番ニ長調、バーバー: 弦楽のためのアダージョ/ユージン・オーマンディ、フィラデルフィア管弦楽団

→量感と光沢のある弦に麗々しく上品な管がブレンドされたオーケストラ芸術の頂点を記録したライヴ録音。シベリウスのフィナーレの改変も効果的。

☆ゲンナジー・ロジェストヴェンスキー指揮、読売日本交響楽団/ブルックナー:交響曲第5番〔シャルク版〕(Altus)

ブルックナー: 交響曲第5番(シャルク版)/ゲンナジー・ロジェストヴェンスキー、読売日本交響楽団
☆ゲンナジー・ロジェストヴェンスキー指揮、読売日本交響楽団/チャイコフスキー:バレエ音楽集(Altus)
チャイコフスキー:バレエ音楽集/ゲンナジー・ロジェストヴェンスキー、読売日本交響楽団

☆ゲンナジー・ロジェストヴェンスキー指揮、読売日本交響楽団/ショスタコーヴィチ:交響曲第10番(Altus)

ショスタコーヴィチ:交響曲第10番ゲンナジー・ロジェストヴェンスキー、読売日本交響楽団

→異才ロジェストヴェンスキーの魔術をまるごと味わえる3タイトル。たちこめるほの暗い透明感が心に残る。

ときにチャイコフスキーのライナーノーツを書いた許光俊は『200CD指揮者とオーケストラ』(立風書房;1995年)で「(ロジェストヴェンスキーは)ふだん読売日響なんてヘタクソなオーケストラを振って損をしている」「本来ならウマイ楽団を限界まで操ってスリル満点のドライブを楽しませてくれる人」と記した。つまり読響はロジェストヴェンスキーの良き共演者とは言えないという主張。しかし本盤のライナーノーツにこのCDでも読響はヘタクソでロジェストヴェンスキーは損をしているのか、あるいは20年ほどを経て読響が進歩してロジェストヴェンスキーの音楽を伝えているのか、何も書いていない。自らの審美眼や過去の言説に関してこのように無責任な人間だから佐村河内守を礼賛する過ちを犯すのだ。

☆ロリン・マゼール指揮、読売日本交響楽団/マーラー:交響曲第2番(読売日本交響楽団東武レコーディング)

ロリン・マゼール指揮、読売日本交響楽団/マーラー:交響曲第2番
https://mikiki.tokyo.jp/articles/-/22264
http://choku-tn.hatenablog.com/entry/2019/08/09/133519
☆イシュトヴァン・ケルテス指揮、ロンドン交響楽団/ショスタコーヴィチ:交響曲第5番ほか(キングインターナショナル)

ロンドン交響楽団のノリが絶好調。パワフルで筋肉質の響きが冴え(そういう要素の生きるプログラムになっている)、要所の命中率も高い。当時30代のケルテスは猛者の集団をうまく方向付けする。1973年に不慮の事故で早世したケルテスはもし健在なら2019年で90歳。熟成を見たかったひと。アンコールの締め括りはなんと「蛍の光」。
イシュトヴァン・ケルテス指揮、ロンドン交響楽団/ショスタコーヴィチ:交響曲第5番ほか

☆遠山慶子〔ピアノ〕ほか/ドビュッシー作品集(カメラータ・トウキョウ)

遠山慶子、ドビュッシーを弾く
https://mikiki.tokyo.jp/articles/-/23305

☆ルドルフ・フィルクシュニー〔ピアノ〕/ショパン:ピアノ・ソナタ第3番ほか(Weitblick)
フィルクシュニー ベルン・リサイタル1976年3月16日
https://mikiki.tokyo.jp/articles/-/22449

☆ライナー・キュッヒル〔ヴァイオリン〕、加藤洋之〔ピアノ〕/プフィッツナー:ヴァイオリン・ソナタほか(R-Resonance)

→最高の楽器で奏でる凛とした美音。プフィッツナーソナタブラームスを口調はもっとガチで言うことはもっとねちっこくした雰囲気。キュッヒルの鋭い質感のアプローチが曲想を分かりやすく伝える。余白のクライスラーや「薔薇の騎士」のワルツもシャープなタッチの好演。
ハンス・プフィッツナー:ヴァイオリン・ソナタ/ライナー・キュッヒルhttps://mikiki.tokyo.jp/articles/-/22449
★ロリン・マゼール指揮、ベルリン・ドイツ・オペラ管弦楽団/ワーグナー:楽劇「トリスタンとイゾルデ」(キングインターナショナル)
ワーグナー:楽劇「トリスタンとイゾルデ」(全曲)/ロリン・マゼール、ベルリン・ドイツ・オペラ管弦楽団

石原慎太郎が呼んだ!?マゼール指揮の「トリスタンとイゾルデ」【ほの暗い響きのうねり】 - アフターアワーズ

https://tower.jp/article/campaign/2019/12/02/01/13

今年も読んで下さり、ありがとうございました。皆様、よいお年をお迎えください。