「権力はそれが奉仕する目的に必要な限りその存在が許されるものであり、その目的に必要な限度において許されるものだということだ」「国民は百利を興すことに汲々たる大臣よりは、一害を除くことに心胆をくだいてくれる大臣をもとめているのである」1980年6月12日に急逝した大平正芳氏は政界きっての読書家。その教養を背景に多くの知識人と交わり、ボトムアップで内政、外交の両面における総合政策を構想した。「環太平洋連帯構想」は名高い。しかし皮肉にも首相在任中は自民党内の権力闘争に明け暮れ、ビジョンを具体化する機会もなく世を去った。大平氏のブレーンは主亡き後も私的に集まり、報告書を完成させた。中曾根康弘氏はこの「大平研究会」の報告書を精読して後の政権運営に生かした。辻井喬の『茜色の空』は名前を変えてフィクションの形にしつつ、親交のあった大平氏の人物像を詩的な品格漂う文章で丹念に描いた小説。#大平正芳 #没後40年 #辻井喬 #堤清二 #文藝春秋 #文春文庫 #読書 #本 #本の紹介 #日本政治 #戦後政治 #内閣総理大臣 #伝記小説 #首相 #文庫本 #小説 #長編 #長編小説
- 作者:福永 文夫
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- 作者:龍二, 服部
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