アフターアワーズ

文化・社会トピック切抜き帖

映画

『ピーター・フォーク自伝』【情熱とインテリジェンスにあふれた名優の気取らぬ言葉】

機知、ユーモア。名だたる映画人たちとの出会いや別れが語られる一方、傍目から見れば凡庸なひとも結構大事に扱う。もちろん刑事コロンボの話はたっぷり。あともうひとつだけ、リアル「うちのカミさん」(2番目)の強烈キャラに苦笑い。2006年(日本語版2010…

メータ指揮/コープランド:リンカーンの肖像(1942)【名優グレゴリー・ペックの語りにしびれる】

3部構成の「リンカーンの肖像」は第3部にリンカーンの事蹟と名言を語るナレーションが入り、有名な「ゲティスバーグの演説」で結ばれる。1942年に国威発揚の意図から委嘱されたらしいが日本でよく作られた脳筋的音楽ではなく第1部の澄んだ情感、第2部のフォ…

橋本忍『複眼の映像』【戦慄すら覚える選ばれし者たちの閃きと鞘当て】

日本映画史に残る名作、怪作は殆ど全てこのひとの筆から生まれた。本書の主題であり、題名が表す、共同脚本のプロセスの本質は畏怖すら感じるレヴェル。黒澤明監督の成功、失敗、美点、欠点、矛盾を最も公正に分析した1冊でもある。#読書 #文春文庫 #文藝春…

レーシングオン#495【ポルシェ917vsフェラーリ512】

映画「栄光のル・マン」が好きなのひとは表紙を見ただけでゾクゾクするに違いない。スポーツカーレースが現在より熱く、美しく、残酷だったこちらの知らない時代。#レーシングオン #495 #ポルシェ #917 #917k #ポルシェ917 #フェラーリ512 #ルマン24時間自動…

My Favorite Things【フィギュアスケートを彩るチャップリン。その自伝の面白さ】

チャップリンメロディはフィギュアスケート男子シングルの人気プログラム。すぐ思い出せるだけでも織田信成氏の2009-2010シーズンFS、ハビエル・フェルナンデス選手の2017-2018SPが挙げられる。 「喜劇王」サー・チャールズ・チャップリン(1889-1977)は出演・…

My Favorite Things【ヴィヴァルディ:調和の霊感第9番と映画「まあだだよ」】

20年以上前、イ・ムジチの来日公演で椅子から落ちるほどこれがトラウマになり、10年以上ヴィヴァルディをまともに聴けなかった。 youtu.be 2010年、黒澤明監督の映画「まあただよ」を新文芸坐で見た時、背後に流れるヴィヴァルディのヴァイオリン協奏曲集作…