アフターアワーズ

文化・社会トピック切抜き帖

オリンピック

緻密なトレーニングと戦略のしたたかさ【平昌五輪日本選手団回顧】

取るべきひとが取れた 2月25日に閉幕したピョンチャンオリンピックで日本選手団は過去最多の計13個(金4・銀5・銅4)のメダルを獲得した。競技・種目が以前より増えているとはいえ、まぎれもなく快挙。選手の皆様には心からの敬意と感謝を表したい。 メダル増の…

ラスト1周のカネの音色【髙木奈那選手金メダル獲得!!】

スピードスケートをきちんと見るのはほぼ4年に1度のオリンピックのみという体たらくだが毎回ウキウキするのがラスト1周を告げる鐘の音色。なぜ、どこのオリンピックでもあの音は綺麗で見るひとの心を波立たせるのか。 2月24日、髙木奈那選手が金メダルに輝い…

売れっ子メダルプレゼンター!?【竹田恆和IOC委員(JOC会長)】

ピョンチャンオリンピックでの日本のメダル獲得数が冬季五輪過去最多となり、表彰式を見る機会が続いた。 choku-tn.hatenablog.com 竹田恆和IOC委員はこの記事の後も引っ張りだこ。小平奈緒選手が金メダルを獲得したスピードスケート女子500メートル、日本チ…

My Favorite Things:浜田昭八『監督たちの戦い』【我が野球のバイブル】

日本経済新聞の運動部で30年以上野球を担当し、定年退職後の現在も同新聞にコラム「選球眼」を執筆する浜田昭八(1933-)が20世紀終盤に新聞連載し、書籍化されたのが『監督たちの戦い』(日経ビジネス人文庫、上下巻;2001年)。プロ野球監督の本質である…

【日本金メダル!!】ピョンチャン五輪スピードスケート女子団体パシュート

スピードスケートはメダルなしに終わったソチオリンピック後、招聘されたオランダ人のヨハン・デ・ヴィットコーチのもと、方針を一新。 大会前に練習風景のVTRを見た。速い髙木美帆選手に他のメンバーがついて滑る。 髙木美帆選手「このラップタイムは(佐藤)…

「空席あり」の必要性【日本ジャンプ陣刷新のために】

1974年、近鉄バファローズの監督に就任した西本幸雄(1920-2011)は低迷の長いチーム刷新のために一大決心をした。クリーンアップの一翼の土井正博、元首位打者の永淵洋三、勝負強い打撃で鳴らした伊勢孝夫のベテランの主力3人を次々と放出したのだ。西本の…

プレゼンターにも注目【オリンピック会場セレモニー&表彰式】

ピョンチャンオリンピック、2月18日のフィギュアスケート男子シングルの表彰式で羽生結弦、宇野昌磨、ハビエル・フェルナンデスの各選手にメダルを授与したのは竹田恆和IOC委員(JOC会長)。なお竹田氏はノルディック複合個人ノーマルヒルのメダルプレゼンタ…

My Favorite Things【フィギュアスケートを彩るチャップリン。その自伝の面白さ】

チャップリンメロディはフィギュアスケート男子シングルの人気プログラム。すぐ思い出せるだけでも織田信成氏の2009-2010シーズンFS、ハビエル・フェルナンデス選手の2017-2018SPが挙げられる。 「喜劇王」サー・チャールズ・チャップリン(1889-1977)は出演・…

My Favorite Things:ヴィヴァルディ「冬」あれこれ【ストコフスキー、カラヤンetc.】

フィギュアスケート男子シングルの宇野昌磨選手は2017-2018シーズンのショートプログラムにヴィヴァルディのヴァイオリン協奏曲集「四季」の「冬」を使用。ピョンチャンオリンピックで団体戦、個人戦の両方において100点超の好演を見せた。 www.sponichi.co.…

My Favorite Things:猪谷千春『IOC』【オリンピックを巡る不思議な世界】

1956年コルティナダンペッツォオリンピック男子回転の銀メダリストで引退後は保険業界に転じて活躍した一方、IOC委員を約30年務めた猪谷千春(1931-)氏が半生を振り返りつつ、IOCとオリンピックの舞台裏を分かりやすい文章でつづった1冊。 IOCの役割、その…

札幌五輪(1972)、長野五輪(1998)を彩った音楽

NHK-FM「クラシックの迷宮」の2月10日放送回は「音楽による札幌オリンピック回顧」と題して時代背景に触れながら、札幌オリンピックを音楽の面から見つめた。 www4.nhk.or.jp 先日のジョン・ウィリアムズのブログを書いた際に次は日本開催の五輪と考えていた…

My Favorite Things:アルベールビル五輪の伊藤みどり【忘れじの冬季五輪】

1992年アルベールビルオリンピックフィギュアスケート女子フリースケーティング、伊藤みどりの演技。 youtu.be トリプルアクセルに関しては語り尽くされたので省略。個人的に忘れられないのは当時の採点システムでいわゆる技術点が出た後、解説者(たぶん五…

オリンピックを彩ったジョン・ウィリアムズの音楽【聴くは楽しく演るは難し】

オリンピックの華といえば音楽やアトラクションが乱舞する開会式。過去そこで披露されたテーマ曲、ファンファーレのなかには閉幕後も語り継がれ、コンサートで取り上げられる「名曲」となった作品がいくつもある。例えば古関裕而が1964年東京五輪のために書…