アフターアワーズ

文化・社会トピック切抜き帖

2020-01-01から1年間の記事一覧

ベートーヴェン生誕250年とセル没後50年に寄せて【「ハートをもった独裁者」の音楽的故郷は】

open.spotify.com 「エグモント」序曲、ピアノ協奏曲第3番(フィルクシュニー〔p.〕)、交響曲第3番 1963年8月4日、チェコ・フィルにとってザルツブルク音楽祭初参戦機会のライヴ録音。 当時アンチェル治世下で相当鍛えられていたはずのチェコ・フィルだが、…

佐藤晴真CDデビュー【「日本人のチェリスト」の概念を覆す異次元の才能】

tower.jp 間違いなく日本はチェリスト大国のひとつに数えられる。齋藤秀雄(小澤征爾の師として知られるが元々チェリスト)から始まり堤剛、安田謙一郎、岩崎洸、徳永兼一郎、藤原真理など数々の名人上手がいた。一方でその殆どが日本人の日本人による日本人…

10/17(土)外山雄三指揮、新日本フィル、上野耕平(sax)【俊英の躍動と重鎮の愉悦】

View this post on Instagram A post shared by Tadashi Nakagawa (@choku_nakagawa) 日本楽壇の重鎮中の重鎮、外山雄三さんが2020年10月、新日本フィルに客演。自作自演、天才サクソフォン奏者の上野耕平さんとの共演で大澤壽人のサクソフォン協奏曲、そし…

部屋を爽やかにするspotifyクラシック音楽プレイリストあれこれ

今週のお題「暑すぎる」 立秋を過ぎたが厳しい残暑は続いている。しかも時節柄、休みを家で過ごす日が多くなり気づまりな方もいらっしゃるだろう。そんな部屋の空気を和らげる音楽が流れるspotifyプレイリストを御紹介。 まずは超売れっ子指揮者・クラシカルD…

フェスタサマーミューザ2020【生誕250年ベートーヴェンから阿川泰子のジャズまで】】

毎年7月下旬から8月上旬にミューザ川崎シンフォニーホールを主会場として行われる音楽イヴェント「フェスタサマーミューザ」。首都圏の主要オーケストラによる多彩なコンサートやジャズなどをお手頃価格で楽しめる「日本版プロムス」と言える存在。 本年は時…

More→逆しまな歯車を仮面が嗤う。【黒田玲兎が加わり面目一新】

キーボード・ピアニスト、作編曲家、詩人、ヴォーカル、演者…多彩な才能を縦横無尽に反射させ、艶と翳の響き合う音楽世界を繰り広げる黒田玲兎については以前から取り上げてきた。 彼が6月に「逆しまな歯車を仮面が嗤う。」というバンドのメンバーになった。…

大平正芳没後40年【運命に殉じた謙抑の政治家】

「権力はそれが奉仕する目的に必要な限りその存在が許されるものであり、その目的に必要な限度において許されるものだということだ」「国民は百利を興すことに汲々たる大臣よりは、一害を除くことに心胆をくだいてくれる大臣をもとめているのである」1980年6…

※6/14まで+web展示あり※現代印象派画家KOH個展【放射する光に包まれる】

Login • Instagram 今までは光に向かってエネルギーの結実する、見る側が吸い込まれていく画風だったが、最近は中心から光が放たれ、見る側を包容する雰囲気に感じる。細部の磨き込みもより洗練度を増した。クールな感触に愛おしさ、暖かみが宿る。 6/14まで…

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Tadashi Nakagawa on Instagram: “4/30付けmikikiレビューアクセスランキング。オールジャンルでデイリー2位、ウィークリー10位。クラシック部門デイリー&ウィークリー1位、月間2位。深く御礼申し上げます。https://mikiki.tokyo.jp/articles/-/24949 #加々…

「コロナ後」への提言【「予測不能」に備えるシステム作りを】

①日本は平素から国家的危機に際して公と私の関係をどうするか議論してこなかった。大きな災害や化学兵器によるテロの経験があるのに。政治家、知識人、メディアが一歩前に出て、リードして国民的議論を起こし、賛否はともかくそういうことを考えるクセを国民…

生誕100年、西本幸雄さんの「私の履歴書」【「育てて」「勝てる」稀有な名将】

2020年4月25日、本来なら元プロ野球監督(大毎/阪急/近鉄)の西本幸雄さん(1920年4月25日~2011年11月25日)の生誕100年記念試合が開催予定だった。残念ながらプロ野球の開幕延期により中止となったがこの記念日に寄せて生前日本経済新聞の名物コーナー「私…

追悼サー・スターリング・モス【大快挙と「騎士道」】

2020年4月12日に90歳で逝去した元レーシングドライバーのサー・スターリング・モスは1950年代から1960年代初頭にF1世界選手権とスポーツカーレースで活躍。F1では66戦に出走してモナコグランプリ3勝を含む通算16勝、1955年~1958年の4年連続でドライバーズラン…

八坂公洋のセカンドアルバム【日本・カナダの現代ピアノ音楽を色鮮やかに】

八坂公洋はトルドー現・カナダ首相、2015年ショパンコンクール第2位シャルル・リシャール=アムランなどを輩出したカナダの最高学府マギル大学出身のピアニスト。モントリオールを拠点に活動している。近現代の音楽や日本人作品の演奏をライフワークとし、2014…

水野蒼生の衝撃再び【ベートーヴェン「運命」に新たな装いを施す】

クラシカルDJ水野蒼生(@aoi_mizuno_official )が放つ衝撃第2弾。今回はベートーヴェンの「運命」などを再創造。3/25リリース。https://open.spotify.com/album/2fkEuieEFUKU2u6iTOIcTP?si=LXBI0Q2GSgiY55yHhNPpWw#水野蒼生 #beethoven250 #beethoven2020 #be…

ミツモトケイスケ写真展「INCENSE」【移ろう魅力】

今週のお題「うるう年」 4年に一度の2月29日、こちらを訪れた。 敬愛する写真家、ミツモトケイスケさんの個展「INCENSE」に。時と光の流れ、そこにある空気を可視化する才。学芸大学駅近くのmonogram(2F gallery)にて3/1 16:00まで。#写真家 #個展 #写真展…

骨の髄まで野球人だった【野村克也さんをしのぶ】

選手として3,017試合に出場、監督通算1,565勝1,563敗76分け。現役、監督ともに3,000試合出場。これほど野球が好きなひとは空前絶後かも。幼くして父親を惨めな死にざまで失い、貧しさから這い上がるべくもがきにもがいて、プロ野球入り。そして苦労と探究を…

気鋭のチェリスト三井静【名門ミュンヘン・フィルの一員に】

齋藤秀雄、堤剛から連なる歴史を見ても明らかなように日本は数々の個性的な名手を生んできたチェロ大国。近年は伊藤悠貴、岡本侑也、佐藤晴真など世界基準で真っ向勝負できる高い技術を持つ若手奏者が次々活躍中。今回取り上げる三井静(1992年生まれ)もそ…

ありがとう今宮純さん(1949-2020)【解説レース5選】

中嶋悟氏のインタビューが1番面白い。次に感慨深かったのがホンダF1第2期最後のプロジェクトリーダー安岡氏のインタビュー。#racingon #500 #2019年 #ムック本 #付録つき #雑誌 #中嶋悟 #f1 #f1世界選手権 #アイルトンセナ #株式会社三栄 #三栄書房 #今宮純 …

わたしのベートーヴェン原体験【トスカニーニ指揮、NBC交響楽団1939年録音の「運命」】

800投稿。我がベートーヴェン原体験。約四半世紀前、たぶん最初に自らの意思で購入したベートーヴェンのCD。ギリギリ切り詰めた響きから噴き出す焔、迸る熱情にぶちのめされた。ベートーヴェン本人が後にうんざりするほどヒットしたらしい七重奏曲は長年この…

正月三が日【初詣と初買い物】

初詣。#靖国神社 #靖國神社 #初詣 #令和2年 #2019年 #1月3日 #子年 ジャンボ絵馬 #靖国神社 #靖國神社 #ジャンボ絵馬 #子年 #2019年 #令和2年 #1月3日 #初詣 2020年(令和2年)初買い物。永冨和子さん(1929-2010)。品のある光彩を纏うくっきりした歯切れの…

謹賀新年2020【2019ラスト鑑賞「現代印象派画家KOH」「金田正一追悼展示」】

現代印象派画家KOHさんの個展に。Kristal&Glam luxury art gallery(国立新美術館近く)で15日まで。#画家koh #現代印象派 #個展 #展覧会 #新作 #油彩 #絵画展 #KOH #2019年 #12月12日 #令和元年 #kristalandglam #年内ラスト 光の粒の凹凸や構図の引き出し…