アフターアワーズ

文化・社会トピック切抜き帖

2018-03-01から1ヶ月間の記事一覧

3/31放送NHK-FM「N響ザ・レジェンド」【中村紘子のラフマニノフ:ピアノ協奏曲第3番】

2017年度最後の「N響ザ・レジェンド」は中村紘子(1944-2016)特集。1980年1月16日、NHKホールでライヴ収録されたラフマニノフのピアノ協奏曲第3番がメイン。指揮はキリル・コンドラシン(1914-1981)、最初で最後のN響客演だった。 Rachmaninov Piano Concert…

1982年のメニューイン①【バルトーク:ヴァイオリン協奏曲第2番】

ユーディ・メニューインのライヴ録音集。バルトークの協奏曲はこれが初発売。結構違う音を擦っているが全体の形は崩れず、粘り腰で聴かせる。ブラームスはレコード時代に高い評価を得た兄妹共演。BBCmusicmagazine2016年7月号付録CD。#メニューイン #bbc交響…

My Favorite Things【思い出の名車をミニカーで:アウディV8〔1988〕】

ミニチャンプス1/43アウディV8(1988):現在のアウディの原点。正攻法のデザインで30年経っても旧さを感じさせないのは大したもの。亡き父の愛車だった。#アウディ #アウディv8 #ミニチャンプス #1/43 #温故知新 サテンシュヴァルツメタリックの名を持つブラ…

福田赳夫『回顧九十年』【最初で最後の著書】

1994年刊行。題字も著者。首相を辞めてからの話が意外に面白い。OBサミットを創設した福田赳夫氏はフォード、カーター両元アメリカ大統領同様、優れた「元首相」だった。#読書 #元首相 #回顧録 #いただきもの #日本政治 #昭和史 #父親 ヘルムート・シュミッ…

疑惑の構図、範囲が明確に【3/27佐川元理財局長証人喚問】

森友学園の国有地払い下げに絡む公文書書き換え問題で27日、キーパーソンと目された佐川元理財局長への証人喚問が行われた。 jp.reuters.com 喚問の結果、佐川氏が偽証していないとすれば書き換え事態は理財局のなかで発生し、近畿財務局を巻き込む形で行わ…

My Favorite Things:服部龍二『中曽根康弘』『田中角栄』

ともに1918年生まれ、当選も同期のふたり。服部龍二先生は一次資料の読み込みのほか、中曾根氏本人を含む政治家、官僚OBの聞き取りを行ってきた成果も取り込み、精緻にしてひとの息づかいの聞こえるテンポのいい評伝にまとめた。田中角栄氏についてキャラク…

2018年3月25日【ドビュッシー没後100年の命日】

3月25日はドビュッシー没後100年の命日。同時代を生きた巨匠2人で聴く。ストコフスキーは作曲者存命中の1912年にロンドンデビューを果たし、牧神の午後への前奏曲を取り上げている。1972年6月の60周年コンサートでは同じ曲目を並べ、デッカがライヴ録音した…

氷上のファンタジスタ友野一希選手【初出場の世界選手権で5位入賞!】

フィギュアスケートの2017-2018シーズンの掉尾を飾る世界選手権(開催地:イタリア・ミラノ)で友野一希選手がSP、フリーともに自己ベストをマークして5位入賞。初出場、五輪2連覇の羽生結弦選手の代役、さらに来年日本・埼玉で行われる世界選手権の男子出場枠3…

3/21NTV系「読響シンフォニックライブ」【外山雄三指揮のオペラ管弦楽曲】

厳格居士の聴かせたゆとりある歌心 3月の読響シンフォニックライブは2月に続いて日本楽壇の重鎮、外山雄三(1931-)が指揮台に立った2018年1月31日の公開収録から。地上波が3月21日(3月20日深夜)、BS日テレは3月31日AM7:00-の放送。 読響シンフォニックラ…

心地よい官能を音楽で紡ぐ小妖精、黒田玲兎【3/20@真昼の月夜の太陽】

黒田玲兎のライヴを聴きに。短い時間で深い余韻を残すピアノと声の響き合いの艶。#黒田玲兎 #真昼の月夜の太陽 #ピアノ #ヴォーカル 2018年3月20日 20:40-21:10 真昼の月夜の太陽(東新宿) 黒田玲兎(ピアノ・ヴォーカル) 《演奏曲目》 チョコレイトリップ …

バイキング(ビュッフェ)形式の原点スモーガスボード

本日は赤坂のレストランストックホルムでランチ。バイキング形式の原点スモーガスボード。#レストランストックホルム #東急プラザ #赤坂 #赤坂見附 #ランチ #バイキング #ビュッフェ #スモーガスボード 本日ランチに行ったレストランストックホルム。想像よ…

My Favorite Things【押尾愛子『朝比奈隆のオペラの時代』】

オペラをやることが「おおごと」だった時代に創造力と情熱を傾けた関西の芸術家たち。そのひとりとして「ブルックナー指揮者」になる前の朝比奈さんが獅子奮迅の活躍をみせる。「大向こう」を意識した芸のあり方は生涯変わらなかった。対象を等身大で描いた…

松本清張「再考」の一助に【Eテレ100分de名著「松本清張スペシャル」】

Eテレ「100分de名著」、3月は松本清張スペシャル。日本政治思想史の原武史先生が「社会」「古層」「天皇」「国家」の視点から斬り込む。2017年夏、北九州市小倉の松本清張記念館を訪れた。内部は撮影禁止だが清張の書斎がそっくり移築されている。#松本清張 …

図抜けたタッチの多彩さ、強靭で鋭敏な音楽作り【ピアニスト阪田知樹】

現在最も大胆に作品の美の核心を描くピアニスト、それが阪田知樹(1993年生まれ)。 19歳で2013年第14回ヴァン・クライバーン国際ピアノコンクールファイナル進出、2016年にはフランツ・リスト国際ピアノコンクール(ブタペスト国際音楽コンクール)優勝を果た…

文部科学省の対応は妥当【「前川講演」調査について】

前川喜平氏はいわゆる「天下り問題」で文部科学事務次官を事実上更迭、その後懲戒処分が下っていたら停職相当とされた。退官後、安倍内閣や文部行政に関して独自の見解をあちこちで披露している。素晴らしい考えをお持ちなら、なぜ在職中に天下りの斡旋にか…

My Favorite Things:カラヤン指揮、BPhのヴィヴァルディ:調和の霊感

ザクザク、ブンブンと鳴るBPhが面白い。低音弦のうねりにドキドキ。2003年初出のヴィヴァルディ「調和の霊感」(1972年録音;4曲)はこの2枚組とバカでかいboxのみに収録。第10番はシュヴァルベ、ブランディス、シュピーラー、ヴェストヴァルが揃い踏み。#カ…

『ロックフェラー回顧録』(新潮文庫)【特別だが普通の人間】

世界の黒幕とか、悪の帝王とか、ダース・ベイダーみたいに言われていたひと。確かに会ったひとのリストは浮世離れ。彼個人の人生航路は家庭問題など生まれゆえの宿命、大変さを感じる。#ロックフェラー #陰謀論 #金融 #財団 #moma #ラスボス #闇の帝王 #黒幕…

『ジャパン・アズ・ナンバーワン』の虚と実

1979年刊行。タイトルとは裏腹に「日本はいずれ行き詰まる。アメリカは慌てずに構造改革に邁進すること」が主旨。その通りになった。#耳の痛い話 #日本論 #日本 #アメリカ #日本型経営 #日本社会 #アメリカ社会 #知日派 #未来予測 #過去からの警告 #構造改革…

My Favorite Things:メニューインとフルトヴェングラー【本当の共演とは何か?】

サー・ユーディ・メニューイン(1916~1999)は音楽史上に輝く「神童」ヴァイオリニストだった。エネスコが指揮したショーソンの詩曲など10代の録音で聴ける妖気の漂う音色、大胆かつしなやかな起伏の付け方が特徴の演奏は「・・・歳としては」なんて次元を超えた…

「君命も受けざるところあり」はいずこ【森友決裁文書書き換え問題】

政治家は自らとつながりのある人間にいい顔をしたがる。他方国士面して政治家に近づき「美しい話」を吹き込んで後援してもらい、己の卑屈な野心を満たそうとする連中はいつの時代にもいる。 官僚はそういう人間の生態を冷徹に見ながら、法律の範囲内で行政実…

3月11日【東日本大震災から7年】

命を落とされた1万5895人、行方の分からない2539人、震災関連死の3615人の方々の魂の安らかならんことを祈ります。 そして被災され、生き続けている皆様のひとりひとりが少しでも幸せになれますように。 武満徹 セレモニアル 小澤征爾 サイトウ・キネン・オ…

3月10日【日本人が忘れてはならない日】

1945年(昭和20年)3月10日、東京大空襲。 当時國學院大学で勉強していた祖父は夜が明けてから友人たちの安否を確かめるべく、都内を巡った。そこで見たものは「とても口にできない」ものだった。断片的に明かしてくれたのは空き地に並べられた焼け焦げの遺…

期待も悲観もせず、結果が出るまでは静かに【南北・米朝首脳会談開催の見通し】

三浦瑠麗女史は2017年1月のトランプ大統領就任時から圧力をかけた上での米朝首脳会談の可能性に言及していたので驚く話ではない。2018年11月の中間選挙、さらにその先の再選を見据えてトランプ大統領は内政、外交両面で実績作りに前のめり。 金正恩氏が訪朝…

日本国憲法第9条改正は第2項削除以外なし【独立国のグローバルスタンダードに沿って】

自民党の安易さと「護憲」を唱える連中の滑稽さ 日本国憲法第9条にはこう記されている。 第9条日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久…

【日米球春到来!】イチロー所属チーム決まる&精力的だった王会長

殿堂入り確実の大打者の新たな一歩 大リーグ通算3080安打(2017年シーズン終了まで)を誇るイチロー選手のシアトル・マリナーズ復帰が確実になった。44歳、打席での下半身の粘りやスピードの衰えは否めないものの守備、走塁面はまだまだ健在。目標の「50歳現…

My Favorite Things:岡崎久彦+佐藤誠三郎『日本の失敗と成功』(扶桑社)

明治維新以降の日本の核心を凝縮 2018年(平成30年)は明治維新150年。大河ドラマをはじめ、幕末から明治維新の流れにまたスポットライトが当たっている。明治維新以降の日本は上昇と下降の振り幅の大きい歩みだった。明治、大正、昭和の内政、外交の分水嶺…

3/15締切【ミュージックバード企画:クリーヴランド管弦楽団の名盤アンケート】

衛星デジタル音楽放送チャンネル「ミュージックバード」は2018年5月、アメリカの名門オーケストラ、クリーヴランド管弦楽団の創立100周年記念と銘打ち、同年6月に行われる来日公演のPRも兼ね、特集番組でリスナーからのリクエストに基づいてクリーヴランド管…

My Favorite Things:『シャーロック・ホームズの冒険』【我が読書の原点】

10歳の誕生日プレゼントに母親から『シャーロック・ホームズの冒険』(サー・アーサー・コナン・ドイル著、久米元一/久米穣訳、講談社少年少女世界文学館)[※]をもらった。4編収録されていたが「ボスコム渓谷の謎」が当時一番刺さった。「警察が逮捕した人物…

My Favorite Things Special【ベートーヴェン:交響曲第3番】

思い出から俊英の拓く新たな1ページまで 20年以上前、ヴォルフガング・サヴァリッシュがフィラデルフィア管弦楽団と来日してベートーヴェンチクルスを行い、公演の模様はFMで中継された。この放送を聴いて初めてベートーヴェンの交響曲第3番「英雄」を聴いた…

国民栄誉賞の新規授与は停止が妥当【顕彰・叙勲で対応を】

1977年に王貞治氏が通算756号の本塁打を放った時、当時の福田赳夫内閣が王氏への表彰を求める世論に押され、窮余の一策としてひねり出したのが国民栄誉賞。プロのアスリートに対する顕彰・叙勲の例がなかった時代、新たに内閣の胸先三寸であげられる賞の創設…