バーンスタインが遺した録音物の中でワーグナーはフィリップスの「トリスタンとイゾルデ」を例外としてあまり注目されない。序曲・前奏曲などいわゆる管弦楽曲集はNYP時代の数曲のみ。NYPとは「神々の黄昏」第3幕を演奏会形式で取り上げた(ライヴ録音あり)し、作曲家兼指揮者という観点からもワーグナーに対する関心は深かったと思うが・・・。DGGに録音がないのは他の指揮者陣との兼ね合いに加えてイスラエルフィルへの配慮だった可能性もある。
しなやかなピカピカ輝くサウンドで描かれたワーグナー。鳴り物打ち物を積極的に打ち込みつつ、静かな楽想のざわめきの妙も光るあたりにエネルギッシュさと思索性がないまぜになったバーンスタイン、NYPのコンビの面白さが詰まっている。
バーンスタイン指揮、NYP/<ワルキューレの騎行~ワーグナー:管弦楽曲集<期間生産限定盤>
バーンスタイン指揮、NYP/ブリュンヒルデの自己犠牲~ワーグナー名演集<期間生産限定盤>