アフターアワーズ

文化・社会トピック切抜き帖

ショルティ没後20年に寄せて

「世界一有名な女性」とのほのかな縁

1997年9月5日、サー・ゲオルク・ショルティは休暇中の南フランスのアンディーブで心臓発作のため84年の生涯を閉じた。奇しくもダイアナ元英皇太子妃の葬儀の日。ショルティには後日開催の追悼コンサートのオファーが来ていたという説もある。

また1992年のショルティ生誕80年記念コンサートはチャールズ皇太子王太子)、ダイアナ妃(当時)の共催だった。恐らく子供時代、サー・マルコム・サージェントにファンレター送ったほどのクラシック大好きの皇太子主導の企画と思われるが、ともかくショルティとダイアナ妃にはわずかながら繋がりがあった。この生誕80年記念コンサートのスピーチでショルティが呼び掛け、3年後の1995年に実現したのが世界中のオーケストラの首席クラスが集う「ワールド・オーケストラ・フォー・ピース」プロジェクト。

youtu.beショルティ没後はゲルギエフがリーダー役を担った。

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ショルティに関する私の見方、特に日本での受容については以前記した。

choku-tn.hatenablog.com

思えばショルティの名に出会ったのはクラシック音楽に興味持つ前の1990年頃。当時あったTBSの番組「新世界紀行」でシカゴが取り上げられた時にシカゴ交響楽団の音楽監督としてショルティのリハーサルの様子が流れ、間もなく退任する旨の字幕が出た。この番組で「音楽監督」という肩書や政治家みたいな「退任」の存在を初めて認識。

1995年秋にクラシック音楽好きとなり、ショルティはCDラックの中心を占めたが正直ファンになったのは没後。FMの追悼放送で聴いたホルストの惑星とNHK教育で放送されたBBC制作「名指揮者ショルティの生涯」によって受けた感銘が大きく、従って私もショルティの良い聴き手とは到底言えまい。でも22年近い間、CDをずっと飽きずに聴き続けた指揮者はショルティのほかごく少数。大切なお気に入り。

ゲオルグ・ショルティ/ホルスト:組曲≪惑星≫ エルガー:行進曲≪威風堂々≫(全5曲) - TOWER RECORDS ONLINE