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文化・社会トピック切抜き帖

【2022年7月】読書メーターまとめ

7月の読書メーター
読んだ本の数:2
読んだページ数:563
ナイス数:8

海の家族海の家族感想
表題の通り海、家族の絡み合う業が綴られた短編集。シンプルな文体に潜む棘のある余韻。遭難者からヤマトタケルまで想像の幅は広いが、いずれの作品も死に対する視座、死の香りが濃く流れる。
読了日:07月18日 著者:石原 慎太郎


わが人生の時の時 (新潮文庫)わが人生の時の時 (新潮文庫)感想
久々の再読。作家、石原愼太郎の持ち味が最も発揮されたのは身体的実体験から削り出された短編や掌編。 本作は「業」「死」「孤独」が交錯する瞬間を切り取った佳品が並ぶ。著者にとって前記三要素の象徴は海なのでそこを舞台とした作品が多く、沈潜する影が垂れ込めるシンプルな筆捌きが際立つ。 「あと書きにかえて」に1982年のベルリンで大江健三郎に海での体験を語ったところ、書き残すよう勧められたことが執筆のきっかけと記している。 ラストの「虹」は実弟裕次郎の最期を描いたもので後に『弟』に事実上転用した。
読了日:07月14日 著者:石原 慎太郎

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