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山椒系ちょくの切り抜き帖

なぜ「伊東」をやらないか【ジャイアンツ4位転落に思う】

2016年シーズンオフの怠慢のつけ

日本プロ野球ジャイアンツは11年ぶりのBクラスに終わり、セントラルリーグへのクライマックスシリーズ(以下CS)導入以来初めて進出を逃した。

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今シーズンは前半戦で球団史上ワーストの13連敗を喫してペナント争いから完全に脱落。後半やや巻き返してベイスターズとのCS進出争いを演じたが抜き切る勢いがなかった。

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若手の伸び悩みに伴う選手層の薄さ、主力野手の平均年齢の高さを指摘する声があがっているがそんなことは昨シーズンから分かっていたこと。とりわけ現場で戦った高橋由伸監督やコーチ陣は認識していたはず。本来なら昨年の秋、期待されながら殻を抜け出せない若手を集め、まだ若くて身体の動く高橋監督が先頭に立って叱咤、指導する秋季キャンプを行うのが当然だった。1979年オフに当時の長嶋茂雄監督が青田昇ウォーリー与那嶺杉下茂土井正三各コーチをまとめて中畑、篠塚、松本匡、江川、西本聖など18人を25日間にわたってしごきあげた「地獄の伊東キャンプ」は有名だが、今こそ「伊東」が求められたはず。

ところが高橋監督以下首脳陣は「伊東」をやるどころか、フロント主導の既成勢力かき集めの補強策で戦えると高を括った。これが今シーズンの苦戦と4位転落の最大の原因。補強策を推し進めたフロント側の責任者である堤GMは前述の13連敗後に辞任した。シーズンの結果が出た以上、漫然と補強策に胡坐をかいた現場の責任者、高橋監督が「現実を受け止めて」辞任するのが筋。もしこれで居座るなら高橋監督はジャイアンツの歴史上最も破廉恥な監督。また高橋由伸氏の監督就任を推し、球団取締役の地位にありながら「伊東」をやれと促さなかった長嶋茂雄氏にも疑問を感じる。

若い監督が老将面する滑稽さ

高橋監督は42歳と若く、選手時代の実績は輝かしいが現役晩年の兼任コーチ以外に指導者歴がない。そういう人物が監督してチームをまとめるには「一緒に野球をやろう」という姿勢で選手に接し、感情をある程度表に出すことが大事。

選手と一緒に汗を流し、笑い、泣き、喜び、怒る。若い選手のなかには子供の頃「高橋由伸選手」に憧れていたひとも多いだろうからそういう選手たちと積極的に話し、ともにウォーミングアップするとか、自ら打撃練習を見せるなどして距離を縮めるといった具合。野村克也氏のように理論で心服させることは不可能だから、身体を動かし、選手たちからの共感を得て求心力を高め、あとは結果で納得させるのが唯一の道なのだ。

ところが高橋監督はいつでも無表情でベンチにたたずむだけ。記者対応も淡泊。老将ならばムスっとしているのもひとつのスタイルでかえって凄味が出る場合もあるが、若い監督が訳知り顔で突っ立てても選手は誰もついてこない。こういう気持ちの空っぽな人間が何年率いてもチームは上向かない。名門復活には根本から人心を一新し、まず一塁への全力疾走から徹底できるガッツある指導者の招聘が必須。

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