ピアノ:ボリス・ベレゾフスキー
ヴァイオリン:ニキータ・ボリソグレブスキー
チェロ:アレクサンドル・クニャーゼフ
いつも通り予習しすぎたせいで楽しめず、開始2分ほどで眠くなった。何とか終わりまで聴き通したがくたびれた。
クララ・ヴュルツ(pf) ドミトリー・マフチン(Vln) アレクサンドル・クニャーゼフ(Vc)/チャイコフスキー: ピアノ三重奏曲 「偉大な芸術家の思い出に」、ラフマニノフ: 悲しみの三重奏曲第1番
チェロ:水谷川優子
ピアノ:黒田亜樹
ピアソラ:デカリシモ(ピアノソロ)
ヴィラ・ロボス:Divagation
ヴィラ・ロボス:黒鳥の歌
ヴィラ・ロボス:カイピラの小さな汽車
ピアソラ:ル・グラン・タンゴ
大陸ヨーロッパに根を持つ名手同士の共演はお互い伸び伸び弾き、トータルするときっちり着地する。チェロの機動性のある強靭さ、ピアノはかっちり決まったリズム処理の凹凸が聴きものだった。
クラシカルDJ:Aoi Mizuno(水野蒼生)
ダンサー:渡辺理恵、上野可南子、高橋慈生、安楽葵
まずは東京ピアノ爆団やCDによりおなじみのオーケストラリミックスで自己紹介。次に会場を空港のターミナルに見立て(実際似た雰囲気の空間だった)、音楽祭のテーマ「旅」と響き合うダンサーとクラシカルDJの共演。喧噪、天気の急変、男女のさや当てと分かりやすい筋で一篇の立派なモダンバレエ。水野もDJしつつ出国係などを演じる。ブリトゥンの歌劇「ピーター・グライムズ」より4つの海の間奏曲の第1曲「夜明け」、リヒャルト・シュトラウスの交響詩「ドン・ファン」とブラームスの交響曲第4番の第2楽章(発売中のCDでも聴ける)の使い方が舞台上の起伏を引き立てた。
締め括りは舞台上が「クラブ」に変身。聴衆をステージに呼び込みリミックスで踊ってもらう趣向。最初はパラパラ上がっていたがいつしか舞台いっぱいの人数が集まり、狂喜乱舞のサラダボール。さりげなく近現代のピクルスを挟むのが水野スタイルでラストもシェーンベルク編のブラームスのピアノ四重奏曲第1番。20世紀作品でひとがこんなに直線的盛り上がりを示すのは空前の事態だろう。
数年前当時10代の水野と偶然出会い、その後彼が東京ピアノ爆団でクラシカルDJを始め、さらにクラウドファンディングでオーケストラ公演を実現、ついに名門ドイツグラモフォンからメジャーデビューするまでの過程を見てきた。
今回水野はLFJ2019で聴衆をステージに引き入れ、共に作り上げる公演を成功させた。ここまでの歩みの一端を知る者として感慨深かったし、瑞々しい才能と早い時期に出会えた幸運に感謝した。彼がこれから一層輝くことを心から願っている。
↓水野の公演やトークを含むLFJ2019の映像はこちら↓
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choku-tn.hatenablog.com
ミレニアルズ-ウィ・ウィル・クラシック・ユー- Aoi Mizuno
※文中敬称略※