アフターアワーズ

文化・社会トピック切抜き帖

札幌五輪(1972)、長野五輪(1998)を彩った音楽

NHK-FM「クラシックの迷宮」の2月10日放送回は「音楽による札幌オリンピック回顧」と題して時代背景に触れながら、札幌オリンピックを音楽の面から見つめた。

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先日のジョン・ウィリアムズのブログを書いた際に次は日本開催の五輪と考えていたところ、見事に先を越されてしまった。ちょっと二番煎じめくがより個人的なものとして予定通り書いてみる。

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札幌オリンピックといえばやはりこの歌。世代じゃない私が懐かしさを感じ、悠々と口ずさめる。歌詞、メロディ、ヴォーカルの優しい絡み合い。大イヴェントを前にウキウキしつつ、どこかふっと落ち着きたい感情も混じるひとの心の機微を温かく映している。

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長野オリンピックの前に放送されたとみられる番組。札幌オリンピックスキージャンプ男子ノーマルヒルで表彰台を独占した日の丸飛行隊の面々が見つめる。笠谷氏の何かをかみしめる表情が興味深い。3人のうち青地氏は2008年に逝去した。

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「虹と雪のバラード」の陰に隠れてしまったファンファーレと入場行進曲。山本直純さんの「白銀の栄光」は格調の高さに直純さんらしいお茶目な感覚を織り込んだ文句無しの名曲。古関裕而の「東京オリンピックマーチ」の雰囲気はもうダサくなっているという時代の空気をとらえた質感。凝ったスコアで演奏が難しいらしく取り上げられる機会が少ないのは残念。

スポーツ・マーチ・ベスト

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やはり影の薄い開会式用の祝典音楽。矢代秋雄さんならではの練り上げられたサウンドは繰り返し聴いて飽きない。ホールのオープニングとか「マイスタージンガー前奏曲ばっかりやらずこういうのもいいと思う。

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組織委員会が委嘱した作品。しんとした空気が素晴らしい。冬季オリンピックは人間が雪と氷に対峙するためか、アスリートの孤独感がテレビの画面越しにも夏季より強く伝わってくる。武満さんは意識しなかったろうがそうしたものまで結果として想像できる作品。

武満徹作品集:ウィンター

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これまた難しそうなファンファーレ。事実開会式本番では大変そうだった。空気を清浄するサウンドの透明感は美しい。「オリンピックコンサート」などで時々演奏される。

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長野オリンピックの音楽といえば開会式の第九が圧巻。オリンピックの開会式の演出で感動するのはまれだがこの時は素直にいいなあと胸が高鳴った。

小澤征爾(指揮)ベートーヴェン:交響曲第9番≪合唱≫