三浦瑠麗女史は2017年1月のトランプ大統領就任時から圧力をかけた上での米朝首脳会談の可能性に言及していたので驚く話ではない。2018年11月の中間選挙、さらにその先の再選を見据えてトランプ大統領は内政、外交両面で実績作りに前のめり。
金正恩氏が訪朝要請 トランプ氏受諾「5月までに会談する」 (産経新聞) - Yahoo!ニュース
以下の5点を踏まえて当面は静観が妥当。
- 北朝鮮の言う「朝鮮半島の非核化」は常にアメリカが極東に展開している核抑止力を含んでいること。
- 内政外交問わず政治は結果とその検証があって初めて評価でき、次の段階に向かえる。従って言葉や単に会談が行われた事実だけで制裁解除などの行動には移れない。この認識を周辺国で共有する不断の努力が重要。
- 北朝鮮は韓国をオルグする形での統一が不動の国家目標であり、核開発を進めてきた理由の一つは「赤化統一」をアメリカに邪魔させないため。気掛かりなのは韓国大統領が北朝鮮に自国の体制を寄せていく動きをしていること。韓国と北朝鮮は元々「大国の被害者意識」を共有している。
- 米朝対話が行われた結果、何らかの合意が成立する可能性はある。しかしアメリカが北朝鮮の核保有を容認する可能性は低い。なぜならそれに踏み出せばイランの核開発も容認するという不信感がユダヤ、イスラエルに拡がる。今秋の中間選挙を控えてトランプ大統領が支持層の離反に繋がる事態を起こすとは考えにくい。
- 日本は自ら圧力と対話を両輪で押し進める。
日本の国会はいわゆる森友問題で騒がしい。公文書の改ざんが行われた、行政府が立法府に嘘をついた可能性がある事実は重大だが極東の外交、安全保障環境の厳しい状況、変化を考えれば森友問題はどこか別のところ、財務金融委員会もしくは国土交通委員会でやってもらいたい。