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山椒系ちょくの切り抜き帖

坂入健司郎指揮、ブルックナー:交響曲第9番【緻密な解析が生んだ極上の美】

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異次元のハーモニー。とりわけ冒頭の原始霧の高解像度が伏流水となり、弦、管、ティンパニの論理性のある有機的響き合いが展開する第1楽章は音楽の核心を語り抜いた演奏。指揮者の怜悧な頭脳にひれ伏すのみ。#坂入健司郎 #東京ユヴェントスフィルハーモニー #altus #altusmusic #cd #ライヴ録音 #ブルックナー #交響曲第9番 #クラシック音楽

全体を通じてオーケストラの音色がきれい。清澄さのなかにうっすら翳の差す弦と無節操にがならず、すっきり伸びる管楽器の織り成し。ピチカートのきめ細かな扱い。日本のオーケストラで音色やハーモニーの魅力がまず耳に届くのは極めて異例。

第1楽章は拍節感とその変化が明瞭にフォローされ、しなやかさ、柔らかい呼吸、シャープに動くディテールが正三角形を構築。厳しい音楽的登攀の箇所での奥行き、エネルギー感も申し分ない。何より響きの美感に対する配慮が保たれ、木管のひとくさりまでしっかり音楽の中心線と密着している。

第2楽章はがっちり固められたアンサンブルが鋭いリズムの刻みとともに自在な切り返し。ある種の凶暴性を明かしつつ、クリアーなのが印象的。

第3楽章はピンとシャープにしてゆったり空間を満たす弦が流れを作り、管が一点の曇りのない光の束を射し込む。そこにさりげなく忍び寄る翳との交錯。終盤の暗闘の後は再び美麗なハーモニーが展開され、天上の音彩の幕が下りる。

拍節や音符の連なりなどのロジックを徹底追究した常に一本の線が通る演奏内容。なおかつ聴き手を異世界に誘う色とりどりの煌めきに満ちている。指揮者の並外れた才能に加え、応え切ったオーケストラが見事。明瞭かつサウンドのボリュームや潤いを伝える素晴らしい音質も含めて前提なしに最高だと言える。

坂入健司郎(指揮) 東京ユヴェントス・フィルハーモニー/ブルックナー: 交響曲第9番

坂入健司郎(指揮) 川崎室内管弦楽団/Mozart: Sinfonia Concertante K.364, Symphony No.41

坂入健司郎(指揮) 東京ユヴェントス・フィルハーモニー/マーラー:交響曲第3番ニ短調

坂入健司郎(指揮)、東京ユヴェントス・フィルハーモニー/ブルックナー:交響曲第8番