森友学園の国有地払い下げに絡む公文書書き換え問題で27日、キーパーソンと目された佐川元理財局長への証人喚問が行われた。
喚問の結果、佐川氏が偽証していないとすれば書き換え事態は理財局のなかで発生し、近畿財務局を巻き込む形で行われたと明確になった。おそらくことの真相は次の2パターンのいずれか。
- 佐川氏が指示し、理財局の職員が動き、近畿財務局に命じた。
- 理財局の職員が動き、近畿財務局に命じ、佐川氏はそれを黙認した。
いずれにしても佐川氏やその部下は刑事訴追される可能性がある。佐川氏が証言を避けたのは自身の身の安泰もさることながら部下の取扱いが分からないこと、古巣が捜索を受ける可能性も考慮したからだろう。
もうあとは検察がどう判断するか。佐川氏は明確に内閣、政治家の関与を否定したのだから国会での追及は今日で終わり。これからは日本の悪しき体質である政策決定過程の文書の管理のずさんさをどう正すか、真剣に考えてもらいたい。
最大の謎はなぜ公文書書き換えに及んだか。例えば北方領土返還の見返りとしてロシアから武器を大量購入する、くらいの大それた話なら公文書を書き換えてまで隠そうとする気持ちも分かる。しかし今回の件は単なる国有財産処分でしかも「政治マター」になったゆえに多少イレギュラーな点はあったが違法ではなく、手続きも適正だった。それをなぜ違法行為を犯してまで「政治マター」の痕跡を消したのだろう。理由は2つ推測できる。