アフターアワーズ

山椒系ちょくの切り抜き帖

インチキ留学生&実習生依存からの脱却が先決【新在留資格制定に思う】

日本政府は先頃、新たな在留資格の検討に着手した。国の活力維持の観点において有為の人材が外国から来るのは素晴らしいこと。

しかし現在の日本は非常に不健全な形で外国人労働者が氾濫し、社会と当事者に双方にとって悪い状況になっている。新たな制度開始前にここを正すことが重要。

留学生とは名ばかりのアルバイト目的の若い連中がゾロゾロやってきてコンビニ、ファーストフードのみならずホテルにまで潜り込んでいる。しかもこういう連中目当てに日本語学校がバブル状態、専門学校に至ってはインチキ留学生の存在で経営が成り立っている体たらく。大体本気で勉強しようという人間が日本なんかに来るはずがない。普通新興国の向学心のある人間が目指すのはアメリカもしくはイギリスだろう。留学目的と言ってやってくる連中へのチェックを厳しくして、本当に有望な人材なら学業に専念できるよう官民でサポートすればいいし、よく分からんのは門前払い。

また技能実習生と称する人間が入り込み、日本側が安易に労働者としてこき使っているのも日本社会の恥部。最近ようやっと問題化し、整理する動きなのは好ましい。

そもそも人手不足への対応は日本人の労働者をきちんと作って供給して解決するのが筋道。やり方は簡単。

  • 6-3-3の小中高の教育制度を5-4-4に改める。
  • 中学の2年修了時に高等教育に進む人間と労働者になる人間に選別。前者は高等学校に行く準備をする。高等学校やその先に進めるのは原則として、
  1. お金のある家庭で頭のいいひと。半分程度学費自己負担。
  2. お金のない家庭だが頭のいいひと。学費完全無料。場合によっては生活費や海外留学費を援助。
  3. 頭はそこそこだがお金のある家庭のひと。試験の成績に応じて負担額を決定。
  • 1.~3.にあてはまらない後者は2年間の間にどんな道で身を立てるか職業体験などで考え、方向付けを決めて4年(職種によっては5年)制の職業訓練学校に進む。ここでは前半の2年(3年)で必要な知識や資格を身につけ、後半の2年は実際の企業に勤める。学費は完全無料で後半の勤務期間は国が給料相当分を支給する。そして卒業後は当該企業に正式入社して働いていく。財源は半分国が持ち、半分は民間の負担とする。もし資金面、雇用面でこの学校に協力する企業は税制面もしくは社会保障費負担での優遇を設ける。

こうすればいわゆる教育無償化が節度ある形で実現し、人手不足の職種に即戦力の良い人材を供給できる。

一方で研究者、日本で新しいビジネスを志すひとなど高レヴェルの外国人はきちんとしたルールを定めたうえで積極的に受け入れ、日本経済や科学技術の成長につなげる。

不健全な外国人利用から脱却し、日本人と外国人が役割分担しながらかみ合って健全で活力ある日本をつくることが重要。

レナード・バーンスタインの命日に寄せて【1990年10月14日】

2018年は生誕100年。あまり盛り上がらず。

https://www.instagram.com/p/Bo6gNOaH_JP/

このベートーヴェン録音は3番や5番が意外にパッとしないからか、近年埋もれ気味。ただ1番と2番はシャキッと弾ける響き、そこから香る艶やかさにひかれる。WPhの鳴り物打ち物を動かす指揮者の操縦テクニックが全開。#バーンスタイン #ベートーヴェン #交響曲第1番 #交響曲第2番 #ドイツグラモフォン #cd #クラシック音楽 #レナードバーンスタイン #ウィーンフィルハーモニー管弦楽団 #WPh #DGG #ユニバーサルクラシック #昔の名盤 #公開録音

クラシックを聴き始めた1995年頃、バーンスタインの録音中でマーラーに次いで評論家筋の支持を集めていたのがWPhとのベートーヴェンブラームス。しかし21世紀に入ってからは殆ど見向きもされてない。

https://www.instagram.com/p/BnbWsOfBWwV/

鋭く削り込んだ響きによるビート感の強い音楽。作曲者の多忙な人生と苦悩を現代人に重ね合わせた趣。1960年、シューマン生誕150年を意識して定期演奏会や演奏旅行で取り上げた後、セッション録音された。LPを模したジャケットの「オリジナルオーケストレーション」の表記は改訂が通例だった時代をしのばせる。音だけならWPhとの全集より断然これ。#バーンスタイン #レナードバーンスタイン #シューマン #ニューヨークフィル #ニューヨークフィルハーモニック #1960年 #交響曲全集 #マンフレッド序曲 #クラシック音楽 #ソニークラシカル #cbs #cd

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https://www.instagram.com/p/Boo9gcoHObN/

ファーレルの音楽の内側に響く声が耳を捉える。バーンスタインの指揮は「自己犠牲」で割と外向的、「5つの歌」はしっとり繊細。オケのみ曲目だと緩急をピッと分けた「タンホイザー」序曲が面白い。#バーンスタイン #レナードバーンスタイン #クラシック音楽 #cd #ワーグナー #タンホイザー序曲 #ファーレル #アイリーンファーレル #ブリュンヒルデの自己犠牲 #神々の黄昏 #グラミー賞 #ヴェーゼドンクの5つの歌 #ソニークラシカル #生誕100年

https://www.instagram.com/p/BnWFm20Bz2t/

未知の曲のCDを購入。ヴァイオリン協奏曲が美しいゴルトマルク。シンフォニーはいかに。バーンスタインが録音していなければ一生無縁だろう。#ゴルトマルク #交響曲 #田舎の婚礼 #交響曲第1番 #ロマン派 #ロマン派音楽 #クラシック音楽 #珍曲 #バーンスタイン #ニューヨークフィル #ニューヨークフィルハーモニック #ソニークラシカル #cbs #1960年代 #CD #楽しみ #これから聴く

正直シンフォニーとしては弱い作品。部分部分できれいな成分はあるのに散漫すぎる。20分程度の交響詩もしくは幻想曲で送り出していたら違ったかも。

https://www.instagram.com/p/Bo6kyjHnGFX/

LP時代を模したジャケットの左隅に「以前の交響曲第2番」と書かれているのが面白い。ある時期までドヴォルザークの交響曲は第6番以降しか出版されていなかった。日本では2016年に初発売された1963年セッション録音。起承転結のはっきりつけられたガッツあふれる音楽。ニューヨークフィルのカランカラン鳴るサウンドも好調。#バーンスタイン #レナードバーンスタイン #ドヴォルザーク #交響曲第7番 #昔の2番 #ニューヨークフィル #ニューヨークフィルハーモニック #ソニークラシカル #cd #クラシック音楽 #1960年代

逆にこの15年ほど、かつて粗っぽいと揶揄されたソニー時代の録音が「セッションなのにライヴ感がある」「熱いが晩年のようにくどくない」と再評価されている。

シューマン:交響曲第1番「春」&第2番<期間生産限定盤>

シューマン:交響曲第3番「ライン」&第4番他<期間生産限定盤>

ワルキューレの騎行~ワーグナー:管弦楽曲集<期間生産限定盤>

ブリュンヒルデの自己犠牲~ワーグナー名演集<期間生産限定盤>

ゴルトマルク:交響曲 第1番「田舎の婚礼」他<期間生産限定盤>

ドヴォルザーク:交響曲第7番 スメタナ:歌劇「売られた花嫁」より|交響詩「モルダウ」<期間生産限定盤>

https://www.instagram.com/p/Bo31kflnxog/

カーネギーホール85周年記念コンサート。かつては分厚いケースの2枚組だったが現在はスリムケースの廉価盤。バッハではバーンスタインが通奏低音を務める。ホロヴィッツが弾くロシア物室内楽の妖しく儚い光の明滅は白眉。#カーネギーホール #ソニークラシカル #バーンスタイン #アイザックスターン #ホロヴィッツ #ロストロポーヴィチ #フィッシャーディースカウ #メニューイン #伝説の公演 #奇跡の共演 #ライヴ録音 #クラシック音楽 #cd

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上記CD収録のバッハ。よくこんな顔ぶれが成立したものだ。

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1976年10月17日、バイエルン放送交響楽団との国際アムネスティコンサート。強靭で包容力のあるサウンド。ここから次第に苦渋の晩年。

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1983年11月、バイエルン放送交響楽団とのブタペスト演奏旅行。7年で体形が一変。

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1985年、イスラエルフィルとの大阪公演。美しい瞬間はあれど完全な個人的音楽。フィナーレのラストのティンパニ補強はいささか悪趣味。

メモで築いた危機管理の要諦【佐々淳行さんをしのぶ】

https://www.instagram.com/p/BovtLguBaYD/

「ミスター危機管理」佐々淳行氏が10月10日に逝去、87歳。自慢話の多い面はあったが「国益重視」「治安を守る」という視点を分かりやすい言葉で広く知らしめた功績は大きい。R.I.P.#佐々淳行 #文春文庫 #読書 #訃報 #危機管理 #後藤田正晴 #戦後史 #10月10日 #2018年 #昭和史 #警察庁 #防衛庁 #防衛施設庁

https://www.instagram.com/p/Bo37ge2H1jH/

ほぼ同時期に刊行され、文庫化後は15刷以上を数えるベストセラーとなった2タイトル。「佐々は《危機管理のノウハウ》ならぬ《危機管理でウハウハ》だ」と揶揄されたが克明なメモの蓄積に基づく、無駄のない文章は批判者を突き放す。#佐々淳行 #文春文庫 #ベストセラー #ノンフィクション #戦後史 #昭和史 #危機管理 #リスクマネジメント #読書 #リーダーシップ

ある時期まで「現場の経験に基づいた危機管理」「国益を踏まえた治安対策」のジャンルを語れるひとは佐々さんと森本敏拓殖大学総長くらい。従って自らの功績を誇大に語る、何でも自身の関わった事件に引き付けて話す傾向はあった。ただ佐々さんの言説には現役時代からコツコツ記録したメモとその検証が背後に潜んでおり、また専門用語をこねくり回さずに話せたので単なる「正論」以上の説得力を放った。

警察庁内閣官房で佐々さんの上司だった後藤田正晴・元副総理は、佐々さんの言論活動に時折渋い顔をしたが自身のオーラルヒストリーであさま山荘事件を語った際に佐々さんの「メモ魔ぶり」「メモに基づいて書くことの正確性」は認めていた。

この関係のことは佐々淳行君が『連合赤軍あさま山荘」事件』で書いていますよ。あれはいろいろ厳しいことを書いているんですが、彼はいわゆるメモ魔なんです。毎日朝からのことを全部名刺の端に書いたり、紙切れに書いたりしてあるんです。そして夜一時間かけて、それを全部整理するんです。だから彼と論争すると負けるんです。そんなことありませんと言って全部見せられる。たいへん厳しい事件ですね。

佐々君の本は間違いありませんね。

後藤田正晴著、御厨貴監修『情と理-カミソリ後藤田回顧録・上』(講談社+α文庫;2006年)pp.298-pp.299

現役時代、退官後を通じて派手に立ち回った割にスキャンダルめいた話はあまり聞かなかった。知性と矜持の漂う、最後の名官僚のひとり。

佐々淳行さんは10月10日に87歳で逝去。

10/6@園田高弘Memorial Series in 2018【偉人の吸引力で集った名手たちのショパン】

https://www.instagram.com/p/BolYhZdHZUW/

各々の音色、響きの組み立て方や進行の違いが面白かった。ショパンはピアニストの引き出しを全てテストする作曲家だと改めて実感。#2018年 #10月6日 #クラシック音楽 #コンサート #ショパン #ピアノソロ #ピアニスト #スケルツォ第2番 #バラード #ワルツ #マズルカ #舟歌 #幻想ポロネーズ #子守歌 #園田高弘 #園田高弘メモリアル #生誕90年 #青柳晋 #大崎結真 #川井綾子 #島田彩乃 #髙橋望 #新納洋介 #平井千絵 #松本和将 #三木香代 #宮谷理香 #東京文化会館 #小ホール

ドイツと日本を中心に生涯現役で活躍したピアニスト、園田高弘(1928-2004)のことは幾度かブログに記した。

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没後10年の2014年から生前接点のあったピアニストなどが「Memorial Series」と題して園田高弘に捧げるリレーリサイタルを行っている。生誕90年の2018年はショパンでかためられた。東京文化会館小ホールは殆ど満席。

〔曲目〕※全てショパン作曲※

バラード第1番:新納洋介

バラード第2番:松本和将

バラード第3番:宮谷理香

バラード第4番:大崎結真

~休憩~

3つのマズルカ作品59:川井綾子

スケルツォ第2番:髙橋望

子守歌:平井千絵

舟歌:島田彩乃

幻想ポロネーズ:三木香代

2つのワルツ作品69/マズルカ作品68-4:青柳晋

数々の国際コンクール上位入賞歴を誇る大崎結真、ショパンのエキスパートといえる1995年ショパン国際ピアノコンクール第5位の宮谷理香や1985年同コンクール(S.ブーニンが優勝して大フィーバーに)でマズルカの演奏が高評価を得た三木香代、ロマン派ピアノ曲の演奏・録音機会が多い松本和将と青柳晋、そして近年バッハ演奏で実力が広く認められた髙橋望まで文字通り多士済々。それぞれの方向から誠実にショパンと向き合い芯の通った音楽を聴かせた。

宮谷、大崎のシンプルで潤いのあるバラード、楽想の変転をズバッと浮き彫りにした髙橋望のスケルツォ(客席の反応は1番)、柔らかいタッチでじんわりと感興を高めた三木の幻想ポロネーズがとりわけ耳に残った。

米ゴルフPGAツアーのメモリアルトーナメントは創設者ジャック・ニクラウスの意向で毎年「顕彰選手(メモリアルオナラリー)」が選ばれる。当人が存命なら会場に招き、ニクラウスとコース内に造られたレリーフの除幕やトークショーを行う。また歌舞伎の世界では追善公演が大きな位置づけとなっている。しかし日本の特に音楽の世界では武満徹などの特別な例外を除くと先人の功績をしのびつつ、現在とこれからを担う存在が何か披露する公演は殆どない。従って「園田高弘Memorial Series」が開かれ、しかも継続しているのは素晴らしい奇跡。園田高弘という名前が持つ一種の吸引力が関係者を動かし、アーティストと聴衆を集めているのだろう。 

※文中敬称略

宮谷理香(ピアノ)/音楽の玉手箱 Vol.2 -コン・アニマ-

大崎結真(ピアノ)/ショパンリサイタルライブ

髙橋 望(ピアノ)/J.S.バッハ: 「平均律クラヴィーア曲集」第1巻BWV.849-869(全曲)

青柳晋/ショパン:ノクターン集

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「蔵前の星」大横綱輪島大士さん逝去

現役時代はもちろん、プロレス時代も記憶にない。ただ亡き父がファンだったらしく、相撲の話になると「輪島は強かった」と必ず言うので名前は子供の頃から知っていた。

映像で見ても右の絞り(押っ付け)、それをてこに繰り出される「黄金の左」からの強烈な下手投げや引き付けての寄りは雄大な見栄えのする相撲。カラーテレビが普及し、大相撲とプロ野球がお茶の間のスポーツ観戦の中心だった時代にふさわしい力士といえた。現役後半の金の締め込みはその象徴。

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1972年秋場所ともに関脇での対決。両者の下半身の粘り、しなやかさに驚嘆。場所後同時に大関昇進

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1974年名古屋場所。本割、決定戦と次の場所に横綱昇進する北の湖を裏返し、先輩横綱の強さを刻み付けた。締め込みが金じゃないとえらく新鮮に見える。「貴輪」と言われていたのが貴ノ花大関で止まり、一方北の湖が当時最年少で横綱に上り詰めて「輪湖」となっていく。

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1977年名古屋場所。巻替えの応酬の末、半身からの寄りで北の湖を下した一番。翌年の名古屋では北の湖が水入りの熱戦の末に雪辱して全勝優勝。

豪放な挿話ばかり際立つが上半身と下半身をバランスよく鍛えて自身の型を身につけたことは理にかなっており、親方として成功する可能性も十分あったろう。醜聞、ありえない失態で指導者の道を絶ったのはもったいなかった。

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角界を追われて23年余りがたった2009年初場所好角家デーモン閣下と当時の北の湖理事長の計らいでNHK大相撲中継への出演が実現した。いくらか心慰められたか。

この数年で初代若乃花大鵬北の湖千代の富士佐田の山、輪島など大相撲が子供たちの楽しみの中心だった時代の大横綱が鬼籍に入った。昭和の大相撲に文字通り幕が引かれた。

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輪島大士さんは10月8日夜に逝去。70歳だった。

My Favorite Things Special【シャーロック・ホームズ正典短編ベスト10④】

以下の記事の続き。※一部ネタばれあり※

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第3位:六つのナポレオン(『シャーロック・ホームズの帰還』)

「雲をつかむような話」→「ホームズの地道な捜査」→「驚くべき真相」という典型的なホームズ作品の成功パターン。ナポレオンの胸像を次々に壊すという単なる奇行とも取れる話で始まり、ホームズの捜査により少しずつ犯罪の気配が強まる。殺人事件の発生でそちらの結論へ急ぐレストレード警部を尻目にホームズは胸像の流通経路とそこに絡む人物の足跡を丹念にたどり、最終的に容疑者逮捕に加えて迷宮入りしていた宝石盗難事件の真相までこの上なく鮮やかに解き明かす。レストレード警部が示すホームズへの敬意が素晴らしく、ドイル作品では珍しいほどきれいな終わり方。テレビドラマ版では犯罪の背景をより濃密に描く脚色が効果的だった。

第2位:ブルース・パーティントン設計書(『シャーロック・ホームズ最後の挨拶』)

ホームズ短編の集大成と言える秀作。ホームズとワトスンがマイクロフト・ホームズ、レストレード警部からの依頼で国家機密漏洩の危機に対処する豪華編。お決まりの不法侵入まで行い、何が起きたかを丁寧に追い、最後はホームズの冴えわたる推理が意外な真犯人をおびき出す。冒頭の退屈するホームズや兄弟のやり取りなど薄いユーモアも挟まれ、後味のあまりよくない(容疑者の兄である保管責任者の死因は未解明のまま)事件を楽しめる一編にしている。子供の頃、旧い版の新潮文庫で初めて読んだとき「ウォルター大佐」が「ヲルター大佐」だったのに面食らったのが懐かしい。テレビドラマ版は最初のホームズの退屈ぶりと受け流すワトスンをブレット、ハードウィックが絶妙に演じていた。

第1位:空き家の冒険(『シャーロック・ホームズの帰還』)

はっきり分かるのが支離滅裂なトンデモ作品「最後の事件」からの10年間でドイルの筆力が大幅に向上したこと。『バスカヴィル家の犬』や歴史小説の執筆により人物描写、筋の組み立ての厚みが増し、受け入れやすい形でホームズの真の復活のレールを敷いている。もっとも「最後の事件」のラストがいわばワトスンのモノローグで締められたからこそできた技であり、ここに無理やりホームズを葬りつつ、どこかに逃げ道は残そうと考えたドイルの心中が推測できる。

ホームズとワトスンの再開以降はスピーディにしてユーモラスで楽しいの一語。ハドスン夫人まで狂言回しに使うなどドイルはノリノリ。そしてまたも一度で使い捨てられる恐ろしくキャラの濃いスナイパー、モラン大佐。もう言うことなし。ベイカー街でこれほど緊迫感のあるドラマを構築できるのだからドイルの短編における作劇術は破格。

今回拙いベスト10を書き上げられたのは下記ブログの筆者のおかげ。この場を借りて深く感謝申し上げます。

www.bokuneko.com

ゲルハルト・ベルガー、人生の勝利者【Racing on#497】

https://www.instagram.com/p/BojmMI4nhPB/
F1を熱心に見ていた頃、1番好きだったドライバー。ベルガーがもたらしたホンダ第二期最後の優勝に生中継で接し、ジーンときたのを覚えている。#レーシングオン #racingon #三栄書房 #雑誌 #f1 #f1世界選手権 #ベルガー #ゲルハルトベルガー #マクラーレン #mp4_6 #mp4_7a #マクラーレンホンダ #v10 #v12 #フェラーリ #v6 #f187 #ベネトン #b186 #bmw #直列4気筒 #ターボ #ルノー #日本グランプリ #鈴鹿サーキット #497 #2018年10月
ベルガーはF1で通算10勝、1980年代終盤から1990年代初頭、バブル期のF1ブームにわいた日本で陽気なキャラクターとあいまって人気を集めた。個人的にも時おりポカをやるがチームの苦しい時に勝ち、一服の清涼剤をF1にもたらすベルガーが好きだった。
ニキ・ラウダの後継者とまで目されながら結局「F1界最優秀助演男優賞」(古舘伊知郎)止まりでチャンピオンには届かなかったベルガー。しかし同時代を闘ったチャンピオンドライバー、例えばセナ、プロストミハエル・シューマッハが各々事故死、チームの破産、半ば廃人状態と多難な人生を送るなか、ベルガーはDTMの要職を務めつつ、家業の運送会社もグループ化して成功をおさめている。人生のフィールドで見事チャンピオンに輝いた魅力あふれる大人の男性、それがゲルハルト・ベルガー