アフターアワーズ

文化・社会トピック切抜き帖

水野蒼生が「Aoi Mizuno」でメジャーデビュー!【名門ドイツグラモフォンからクラシックミックスCD】

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指揮者・クラシカルDJの水野蒼生が「Aoi Mizuno」としてメジャーデビュー!名門のドイツグラモフォンからレーベル史上初のクラシックミックスアルバムをリリース。今までクラシック音楽の入り口を開ける地道な取り組みを続けてきた彼が放つ閃光!2018年後半の話題作となること請け合い。#billboardjapan #AoiMizuno #水野蒼生 #ミックスcd #ユニバーサルミュージック #universalmusic #DGG #deuchegrammophon #ドイツグラモフォン #クラシック音楽 #クラシカルdj #指揮者 #メジャーデビュー #快挙※敬称略http://www.billboard-japan.com/d_news/detail/65155

エローラウンジのキュレーター起用に続く快進撃!

choku-tn.hatenablog.com

アルバムの詳細はこちらの記事を御参照あれ。

www.billboard-japan.com

2017年7月のクラウドファンディング成功から1年、本当にクラシックの入り口を開け、旋風を巻き起こそうとしている。

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Aoi Mizuno/Millennials -We Will Classic You-

Anne Sophie Mutter-Live from Yellow Lounge

ムター/イエロー・ラウンジ ライヴ

A Portrait/Hilary Hahn

落語と故郷への愛を貫いた努力のひと【桂歌丸さん逝去】

嗄れ声なのに品を感じさせる端正な芸風の持ち主。正直言って長いこと「5代目圓楽とよくネタを交換したひと」という認識で従って高座を聞いたのも2回だけ。晩年圓朝ものに傾倒したが本当は軽いものが合っていたと思う。

5代目圓楽米朝の色気も談志のカリスマ性もない歌丸さんはひたすら勉強し、やり続けることで自らの価値を世の中に認めさせた。いわばガリ噺家。わずかな不出来を恥じて退いた5代目圓楽とは対照的に歌丸さんは止めたらその瞬間に忘れられると分かっていたのでチューブ入れても何でも高座に上がった。事実歌丸さんはたくさんのCDを出し、幾つかの著書もあるがいずれもさっぱり売れていない。「笑点」を別とすれば高座にいる以外発信力はなかった。自身をしっかり見つめ、落語道に徹したのが歌丸さんの偉大さ。

もうひとつ、歌丸さんの立派な点は出身地である真金町(神奈川県横浜市南区)への愛情を貫いたこと。こういう生まれのひとの中には功なり名を遂げると過去を否定したり、出身地と距離を置くひともいる。しかし歌丸さんは同郷の夫人ともども終生故郷に住み、若いころと同じ理髪店に通い、「横浜にぎわい座」の隆盛に尽力した。

落語と故郷を何よりも大切にした人生だった。R.I.P.

桂歌丸 おすわどん/江島屋怪談/お化け長屋/長命

桂歌丸 [語り直して] 三遊亭圓朝作 怪談 真景累ヶ淵 第三話 豊志賀の死

桂歌丸 鰍沢/城木屋

レーシングオン#495【ポルシェ917vsフェラーリ512】

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映画「栄光のル・マン」が好きなのひとは表紙を見ただけでゾクゾクするに違いない。スポーツカーレースが現在より熱く、美しく、残酷だったこちらの知らない時代。#レーシングオン #495 #ポルシェ #917 #917k #ポルシェ917 #フェラーリ512 #ルマン24時間自動車レース #耐久レース #栄光のルマン #雑誌 #スポーツカーレース #モンスターマシン #カンナム #1960年代 #1970年代 #死と隣り合わせ
ポルシェ917は補強材としてのカーボンファイバー、カンナム時代のターボなど後のモータースポーツで重要な存在となる要素が取りこまれた。また何と言っても映画「栄光のル・マン」を通じて世界中、とりわけ日本のレースファンにとってル・マン24時間自動車レースを身近なものにした功績は偉大。余談だがカンナム仕様の917のノーズに記された「PORSCHE+AUDI」という変則ロゴがずっと気になっていた。本書でその理由を知ることができた。

40年前のメータ、NYPとのブラームス【初の全曲CDボックス化】

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8枚組2,700円。正直言うと協奏曲が目当て。スターンとのヴァイオリン協奏曲は既所持だが音質が大きく向上、独奏の潤いや雄大さをふくよかに伝える。バックの立体感、低音の充実度も増した。交響曲第1番は過去アメリカでカセットテープのみ発売(1987年)された音源。このリリースが初CD化だった。#メータ #ズービンメータ #ニューヨークフィル #ニューヨークフィルハーモニック #ブラームス #交響曲全集 #ヴァイオリン協奏曲 #二重協奏曲 #2重協奏曲 #ピアノ協奏曲第2番 #ピアノ協奏曲第1番 #チェロ #ズッカーマン #ズーカーマン #アイザックスターン #スターン #リマスター盤 #ソニークラシカル #cd #ボックス #クラシック音楽
長いキャリア、華麗なポスト歴の割に「交響曲全集」の少ない指揮者。だがブラームス交響曲は2度全曲録音を行った。他にはデッカ時代のシューベルトシューマンチャイコフスキーくらい。
なお本シリーズは悲劇的序曲が含まれず、後年のイスラエルフィルとの全集には大学祝典序曲がない。
2018年の来日をキャンセルしたメータ。末期ガンだという。
ズービン・メータ、ニューヨーク・フィルハーモニック/ブラームス:交響曲・協奏曲全集
ズービン・メータ、イスラエル・フィル/ブラームス:交響曲全集
メータ、ウィーンフィル/ブラームス:交響曲第1番, 悲劇的序曲;ワーグナー:歌劇《ローエングリン》から第1幕・第3幕前奏曲
Zubin Mehta conducts Richard Strauss

園田高弘、パリの青春【ショパン:ピアノ・ソナタ第3番】

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園田高弘さんはパリに赴き、ラヴェルと親交のあったマルグリット・ロンの薫陶を受けた。ロンの前でショパンのソナタ第3番を披露した結果、「入門」が許されたという。1989年録音の本アルバムのライナーには園田さん自ら青春の思い出を綴る。演奏も線の太い骨格の背後からフレッシュな詩情があふれ、心惹かれる。#園田高弘 #ショパン #ピアノソナタ第3番 #マズルカ #舟歌 #幻想ポロネーズ #エヴィカ #クラシック音楽 #cd #ピアノ #青春の調べ #マルグリットロン #見かけによらず #子守歌

いわゆる「3B」をはじめとするドイツ物のイメイジの強いひとだがキャリア飛躍への道を開いたのはショパンだった。嫌みのないロマンというか翳の差すところは大事にしつつも後味の清々しい内容。

俊英指揮者・水野蒼生が再びクラシックの入り口を開く!【"Yellow Lounge in Tokyo"2018/9】

レコード盤蓄音機の発明者エミール・ベルリナー(生誕日にはGoogleトップを飾った)が1898年に設立したクラシック音楽の名門レーベル、ドイツ・グラモフォンは21世紀に入ってクラブ空間で生演奏にDJ・VJが絡む新しいクラシック音楽受容の形「イエローラウンジ」を始めた。欧米各地での定期開催のほか、2012年には日本上陸も果たした。

www.universal-music.co.jp

そして2018年9月、「Yellow Lounge in Tokyo」第2回の開催が決定。昨年7月に新しいオーケストラO.E.T(オーケストラ・アンサンブル東京)の旗揚げ公演を成功させた若手指揮者の水野蒼生がキュレーターとして携わる。O.E.Tの掲げた「クラシックの入り口、開きます。」をそのままキャッチフレーズに使っているところに水野の思いと名門レーベルの期待の響き合いが覗える。

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水野は2016年春から自身の主宰するライヴハウスでピアノ独奏を楽しむイヴェント「東京ピアノ爆団」で「クラシカルDJ」として活動し、聴衆を魅了してきた。

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今回の抜擢の背景にはこうした水野の実績もあるだろう。既にspotifyで楽しめるプレイリストをイエローラウンジのサイトにアップ済み。ざっと聴いてみた印象を簡単にコメントすると・・・。

www.universal-music.co.jp

  1. 夜明けのダイアログ-バッハのゴルトベルク変奏曲を接着剤にラヴェル、ミヨー、ドヴォルザークなどが白み始めた空に舞う。
  2. それぞれの夜-生誕100年のバーンスタインの華やかにしてどこか寂しさ漂う「キャンディード」序曲で始まり、ひとの営みに付きまとう陽と陰の綾なしへの誘い。
  3. 歓喜へのプロセス-ベートーヴェン交響曲第9番を軸にクラシックの音楽が語りかける多彩な感動の形を味わう。
  4. あなたが掴む光-人生は螺旋の山登り。険しい階段を歩み続けるひとに一筋の光を投げかける音楽の南十字星のまたたき。

どのリストも有名曲というキャンディばかりでなく「こういうのもうまいぞ」とばかりのピクルスが顔を出すのがいい。とりわけ水野が愛するコルンゴルトの作品はリストに濃密な翳の一瞬を与えている。

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水野自身が解説するプレイリストに込めたメッセイジはこちらで。

Aoi Mizuno (@aoi_muzica) on Twitter

Aoi Mizuno/Millennials -We Will Classic You-

プラハのサヴァリッシュ(Supraphon)【情熱と劇性を秘めた超有能管理者】

https://www.instagram.com/p/BkjnESKhBA5/

チェコフィルを厳しく引き締め、速めのテンポ。シャープで立体感のある美麗な音楽。時折ふっと緩めるのが粋。品は崩さず鳴り物、打ち物を結構ワイルドに入れてくるのも面白い。N響に来た時とは別人の趣。4つの演奏会の音源が軸で殆どは本ボックスが初発売。聴きやすい音質。#サヴァリッシュ #チェコフィル #ライヴ録音 #スプラフォン #モーツァルト #交響曲第40番 #ジュピター #ドヴォルザーク #自然の王国で #ベートーヴェン #田園 #ヤナーチェク #グラゴルミサ #マルティヌー #メンデルスゾーン #讃歌 #cd #クラシック音楽

2013年のサヴァリッシュ逝去直後、スプラフォンから登場したライヴ録音集。ドヴォルザークの序曲「自然の王国で」のみ1990年代後半にプラハレーベルで出ていた。主な内容は以下の通り。

  1. モーツァルト(CD1;1980年6月20日
  2. マルティヌー:交響曲第4番〔CD5〕&ベートーヴェン:交響曲第6番〔CD2〕(1975年10月16日)
  3. メンデルスゾーン:交響曲第2番(1975年10月23日)
  4. ドヴォルザーク〔CD5〕、マルティヌー:戦場のミサ、ヤナーチェク:グラゴル・ミサ〔CD4〕(1972年12月1日)

割合固まった時期の音源を上手にセレクトしており、しかもドイツ、オーストリア音楽とチェコ系のバランスも良い。制作者の慧眼が覗える。サヴァリッシュの基本姿勢は手綱をきっちり握った上で山場になるとちょっと動かす。端正な佇まいの中で仕掛けるのでインパクト大。N響を振る時はオーケストラと聴衆が望む、要領のいい真面目指揮者の顔しか見せなかったサヴァリッシュ。本ボックスでは作品のドラマをとらえ、音楽的に踏み込んでいく情熱家の一面がにじむ。

Wolfgang Sawallisch in Prague

モーツァルト:4大交響曲集/ヴォルフガング・サヴァリッシュ(指揮)、チェコ・フィルハーモニー管弦楽団