アフターアワーズ

文化・社会トピック切抜き帖

クレンペラー指揮のワーグナーとR.シュトラウス【ゆったり明滅する音彩の瞬き】

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没後45年。「ヴォータン告別の歌と魔の炎の音楽」の冒頭、はらはらと舞う色彩美は他の全指揮者を置き去りにする。#クレンペラー #クラシック音楽 #ワーグナー #リヒャルトシュトラウス #CD #フィルハーモニア管弦楽団 #emi #望外の高音質 #ワルキューレ #序曲前奏曲集 #ヴァーグナー #没後45年 #1973年没 #交響詩 #ノーマンベイリー

1960年近辺の音源、ワーグナーの序曲・前奏曲集やシュトラウス交響詩クレンペラーが逞しい各パートを自在に操り、ガチッと起伏をつける。フィルハーモニア管弦楽団全盛期の名人芸も聴きもの。最晩年(1969,1970)の楽劇「ワルキューレ」第1幕と第3幕フィナーレは骨格がやや危うい反面、質感の瑞々しさ、一音一音を色付けし輝かせる技に魅了される。至高の境地。

クレンペラー指揮/ワーグナー: 「ワルキューレ」第1幕, 同第3幕よりヴォータンの告別~魔の炎の音楽, ヴェーゼンドンク歌曲集, 「トリスタンとイゾルデ」よりイゾルデの愛の死, ジークフリート牧歌<タワーレコード限定>

クレンペラー指揮/ワーグナー:管弦楽作品集

クレンペラー指揮/ワーグナー:歌劇「さまよえるオランダ人」(1968年ライヴ全曲)

ハンス・グラーフ指揮、都響@8/25サントリーホール【木管フェチ⁉の職人芸】

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弦の澄んだ鳴りが良かった。ドヴォルザークでは力感十分の音楽で細かいところの掘り起こしもなかなか。サン・サーンスのスカナヴィはやや小粒。作品のキャラクターを考えるともう少しゴージャスさが欲しかった。#東京都交響楽団 #ハンスグラーフ #グラーフ #プロムナードコンサート #no379 #2018年 #8月26日 #ドヴォルザーク交響曲第8番 #モーツァルト交響曲第34番 #サンサーンスピアノ協奏曲第2番 #サントリーホール #大ホール

かつてハイドシェックと録音したモーツァルトのピアノ協奏曲で変幻自在、光彩陸離のソリストを横目にさりげなく木管をピロピロ浮き立たせたグラーフ。初めての生演奏だったが期待(?)に違わず、中庸のテンポのなかで時折木管の強調を繰り出す。モーツァルトは潤いのある柔らかな身のこなしの響きに好感。

ドヴォルザークの第2楽章でファゴットブイブイにはビックリ。同曲のフィナーレも金管バリバリに終わらず、木管の透かし彫りが冴える。ラストは変に煽らず、熱量十分の堂々たる音楽。

近年状態がいい都響。今回は弦の明瞭に立ち上がるがっしりした響きがとりわけ耳に残った。管楽器のサウンドも品のある豪快さで好印象。もしこれでホルンやトロンボーンの音色にあと少しのコクがあれば海外のトップオーケストラに並ぶだろう。

8/23東京ピアノ爆団@吉祥寺【ロマン、翳り、熱狂】

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今夜は東京ピアノ爆団。コンサート全体にまとまりがあって前回の参戦より楽しめた。ピアノ連弾(三好駿+高橋優介)のツァラトゥストラにうっとり。シュトラウスが盛り込んだ「仕掛け」をピンポイントで透かし彫り。作曲術のしたたかさを再認識。ソロではやはり高橋優介の格が違った。#東京ピアノ爆団 #鶴久竜太 #高橋優介 #水野蒼生 #ピアノソロ #ピアノ連弾 #クラシカルdj #クラシカル音楽 #吉祥寺スターパインズカフェ #三好駿 #三好タケル #ツァラトゥストラはかく語りき #リヒャルトシュトラウス #目の覚める技

公演の性質、内容についてはこちらを参照。

choku-tn.hatenablog.com

今回は主宰・クラシカルDJの水野蒼生が軽く音楽を回しながら出演ピアニスト3人を紹介、それぞれが楽曲のワンフレーズを弾く粋な演出からスタート。

三好駿&高橋優介

リヒャルト・シュトラウス:交響詩ツァラトゥストラかく語りき」

「イタリアから」などは連弾版をCDで聴けるが「ツァラトゥストラかく語りき」のしかも全曲をピアノ連弾とは前代未聞だろう。 

映画「2001年宇宙の旅」で使われた導入部があまりに有名だが本作の真の魅力は複数の動機が絡みながら、「人間」と「自然」の関係を神秘的かつ艶やかに暗示する楽想の展開。そうしたシュトラウスの巧妙な管弦楽サウンド構築の手捌きを2人はピアノで落差の大きい起伏をつけながら、クリアに描き出す。「喜びと情熱について」の寄せては返す音彩の波、「墓場の歌」の弦楽器のソロ、「学問について」~「病より癒え行くもの」のフーガ、「舞踏の歌」のワルツやヴァイオリンソロ、そしてラストに向かってはらはらと崩れた後の闇・・・オーケストラで聴ける効果がピアノにより一層実感できるという逆説の面白さ。身体の揺れを抑えきれなかった。

水野蒼生

EMOTIONAL ORCHESTRA MIX 2018

リヒャルト・シュトラウス:英雄の生涯ワーグナー:楽劇「神々の黄昏」からジークフリートのラインへの旅、マーラー:交響曲第2番が軸。体感してないひとに魅力を伝えるのは難しい性質のパフォーマンスなので9月発売のアルバムを楽しんでほしい。

Aoi Mizuno/Millennials -We Will Classic You-

三好駿

シューマン:アラベスク

ドビュッシー:喜びの島

一音一音の見通しがよく柔らかい音楽運びを見せた。得意の喜びの島は美麗。

鶴久竜太

スクリャービン:ピアノ・ソナタ第2番

過去にこのイヴェントで弾いた(未聴)曲だけあってこなれた内容。静かなフレーズのしめやかさに独自性。ただ分厚い和音や横方向の動きの頻度が増すと若干弱さが出る。クラシックよりウェストコースト系のジャズに持ち味を発揮しそうな奏者。

ピーター・ドノホー(p.)/スクリャービン:ピアノソナタ第2番

高橋優介

クライスラーラフマニノフ編曲):愛の悲しみ、愛の喜び

バカテクに加え、叙情味や色気までテストされる難物を快刀乱麻の切れ味で事もなげに弾き倒す。強靭な光沢のあるタッチ、細かい音形の出し入れの妙、山場で花開く千変万化の打ち上げ花火。更なる期待が膨らむ異次元のヴィルトゥオーゾ

ホルヘ・ボレット/クライスラー(ラフマニノフ編)愛の悲しみ、愛の喜び

クライスラー&ラフマニノフ/ソナタ名演集

セルゲイ・ラフマニノフ/ラフマニノフ・RCA・コンプリート・レコーディングズ

~アンコール~

三好駿-鶴久竜太-高橋優介

ラフマニノフ:6手連弾のためのロマンス

ベートーヴェン:交響曲第2番第3楽章(+クラシカルDJ)

ウィーン・ベートーヴェントリオ/ベートーヴェン:交響曲第2番(ピアノ三重奏曲版)

前半にいわばメインディッシュ、後半は各人のお薦め料理を出すメニューの組み立てが成功。2時間半の長丁場ながら流れの良さを感じさせた。

出演者と会場が一体で燃え、盛り上がるクラシックコンサートは希少なので地道に続けて欲しい。

ホンダ第4期に浮かぶ微かな希望【第2期V10時代回顧】

https://www.instagram.com/p/BmyF222nR1L/
懐かしい時代、懐かしい話。インタビュー含めてベルガーにページが割かれているのは嬉しい。#autosport #別冊 #フォーミュラワンファイル #f1世界選手権 #マクラーレンホンダ #mp4_5 #マクラーレン #mp4_5b #ホンダv10 #v10エンジン #無限ホンダ #雑誌 #サンエイムック #三栄書房 #formula1file #2018年 #vol3 #ゲルハルトベルガー
第2期のマクラーレン・ホンダでベルガー担当を務めた田辺豊治氏が2018年よりホンダF1チームのテクニカルディレクターに就いた。優秀なレースエンジニアだった田辺氏はその後アメリカ(HPD)でも活躍した。このひとの存在はホンダF1第4期が飛躍する可能性を拓く唯一の希望。

いよいよ直前!空前絶後の鍵盤乱舞【8/23東京ピアノ爆団@吉祥寺】

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Aoi Mizuno(水野蒼生)intoxicate Vol.135に広告掲載!彼がクラシカルDJとして舞台に上がる「東京ピアノ爆団」はいよいよ明日、8月23日20:00-、吉祥寺スターパインズカフェ。前代未聞!ピアノ連弾によるツァラトゥストラも。http://choku-tn.hatenablog.com/entry/2018/07/31/234453 #piano_bombs #東京ピアノ爆団 #三好タケル #三好駿 #高橋優介 #鶴久竜太 #水野蒼生 #AoiMizuno #ピアノソロ #ピアノ連弾 #クラシカルdj #ツァラトゥストラはかく語りき #前代未聞 #クラシック音楽 #吉祥寺スターパインズカフェ #ライヴ #コンサート #intoxicate #vol135

choku-tn.hatenablog.com

#東京ピアノ爆団

バレンボイム指揮、CSOのチャイコフスキー:交響曲第5番【エネルギッシュさに香り立つエレガンス】

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19日のEテレ「クラシック音楽館」で尾高忠明指揮、NHK交響楽団の演奏を視聴した。その後、手元にある本盤を聴くとオーケストラの表現力の差に今さらながら愕然。シカゴ交響楽団はよく言われる管のパワーばかりでなく弦楽器の豊麗で光沢がありしかも切り返しのシャープなサウンド、ティンパニのコクのある音色も破格の美しさ。第3楽章、弦のシャキシャキ感の匙加減によるちょっと気取ったメリハリが素敵。#クラシック音楽 #CD #バレンボイム #シカゴ交響楽団 #チャイコフスキー #交響曲第5番 #ワーナークラシックス #廉価盤 #うねり #名人芸
バレンボイム流の加減速、度々盛り込むうねりはドイツ物だと脂ぎった暑苦しさを感じるケースもあるがこういう作品だと面白みに繋がる。指揮者自身ベートーヴェンブルックナーより楽しんでやっている印象。

My Favorite Things Special【シャーロック・ホームズ正典短編ベスト10③】

以下の記事の続き。※一部ネタばれあり※

choku-tn.hatenablog.com

choku-tn.hatenablog.com

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こちらのブログの筆者(素晴らしいミステリ通)が記事にスターをつけて下さり、おかげでベスト5を書いてなかったことを思い出した。

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第5位:ボスコム渓谷の謎(『シャーロック・ホームズの冒険』)

小学校4年生の誕生日プレゼントでシャーロック・ホームズ物に出会った時、強い印象を残した作品。濡れ衣を晴らす、その濡れ衣を着せられたと思われる人物の不可解さ、ホームズが細かな手がかりから大胆に犯人の人相風体を推理、そして真犯人の告白。探偵小説の面白みが凝縮されている一方、苦い後味の中に一抹の救いもあるラストの味わいの深さは正典中で際立つ。ドイルの作品からこうした余韻を感じるのは正直珍しい。テレビドラマ版では真犯人を名バイプレイヤーのピーター・ヴォーンが演じ、暗い凄味のある告白を聞かせた。それにしてもドイルはチョイ役まで濃いキャラを上手に作る。ターナー譲なんて短い登場時間ながら結構なインパクト。

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第4位:海軍条約文書(『シャーロック・ホームズの回想』)

外交文書の重要性を子供ながらに実感した作品。問題の条約がフランス語で書かれていた点も当時フランス語を習っていたので興味をひかれた。事件の規模はもちろんホームズのアクティブな活動ぶり(テレビドラマ版のジェレミー・ブレットの溌剌とした演技は見事な再現)、薔薇の三段噺など時に見せる不可解さ、芝居がかった幕切れと前期作品の集大成の趣。ひとつ疑問なのはフランス語が分かるとは思えない犯人に条約の中身や重要性(金銭的価値)の判断ができたのか。「ブルースパーティントン設計書」(『シャーロック・ホームズ最後の挨拶』)同様、犯人にアプローチしてきた「事情通」がいたと見るのが自然だろう。本作でもドイルの産むサブキャラはくせのあるひとばかり。依頼人とフィアンセ、犯人、依頼人の叔父の外務大臣、ホームズに手ひどくやりこめられるフォーブス警部…このキャラクター創出能力が作家ドイルのインパクトを弱める結果になった(ホームズとワトスンはその象徴)のは皮肉。