My Favorite Things
浅利慶太、石原慎太郎が財界の大物と組んで幕を開けた日生劇場。その残照は現在も残っている。浅利慶太は7月13日に85歳で死去。#浅利慶太 #石原慎太郎 #石原愼太郎 #文春文庫 #日生劇場 #ベルリンドイツオペラ #武智歌舞伎 #武智鉄二 #わが人生の時の人々 #…
ジークフリート牧歌の沈み込む風情、ラストの低弦の一撃。カラヤンの心の呟き。#カラヤン #ワーグナー #タンホイザー序曲 #ジークフリート牧歌 #トリスタンとイゾルデ #前奏曲と愛の死 #ジェシーノーマン #cd #ウィーンフィルハーモニー管弦楽団 #ザルツブル…
演奏家としての矜持、カラヤンやチェリビダッケとの共演、欧州での苦労。日本語で読めるピアニストの自伝の最高峰。日本人の演奏家による著作物の頂点。基になった日本経済新聞「私の履歴書」のためのインタビューをまとめた池田卓夫氏の手腕の賜物。余白の…
ブルックナー(LAPO)が1970年、ワーグナー(WPh)は1966年のセッション録音。パリッと鳴る麗々しい響き。溢れるガッツと品の良さがうまく併存。メータの全盛期はここからの10年ほどだった。#クラシック音楽 #ブルックナー #ロマンティック #交響曲第4番 #19…
1992年セッション録音。手厚く明暗の行き交う冒頭のプロムナードから充実。強靭かつ軽重自在の弾きっぷりで各場面の面白さを描き、作品全体の交響的連続性もあぶり出す。リズムをシャープに決めつつ、線の太い輪郭で仕上げたラヴェルはユニーク。ヤマハピア…
園田高弘とカラヤン指揮、N響の共演。当時25歳のピアニストはパールトーンの磨かれたタッチで生き生きと弾き進む。時折前のめり気味の躓きこそあれど堂々たるもの。カラヤンの指揮は意外とズッシリ。うまくソロを引き立てている。旧いが十分聴ける音質。#カ…
センセーションを巻き起こした1962年のバッハゾリスデン初来日直後のセッション録音。透明度が高い闊達に動く響きでピシッと決めた内容。ヴィンシャーマンのオーボエ、アクセンフェルトなどによるチェンバロも冴える。初期メンバーの名盤だが状態の良い中古…
園田高弘さんはパリに赴き、ラヴェルと親交のあったマルグリット・ロンの薫陶を受けた。ロンの前でショパンのソナタ第3番を披露した結果、「入門」が許されたという。1989年録音の本アルバムのライナーには園田さん自ら青春の思い出を綴る。演奏も線の太い骨…
チェコフィルを厳しく引き締め、速めのテンポ。シャープで立体感のある美麗な音楽。時折ふっと緩めるのが粋。品は崩さず鳴り物、打ち物を結構ワイルドに入れてくるのも面白い。N響に来た時とは別人の趣。4つの演奏会の音源が軸で殆どは本ボックスが初発売。…
1992年11月9日、ベルリンでのライヴ録音。ベートーヴェン、ワーグナーともに遅いテンポから導かれる晴朗な潤いのある音楽。ホールの音響がいいためかオーケストラが不要に力まず、このコンビ特有の胃もたれする引きずり感とは無縁。タイムを見て遅さに気づく…
美しい写真と共に綴られる海をテーマとした回想エッセイ。長年外洋帆走協会の会長を務めたひとゆえ勇ましい話もあるが文章の基調は静かな心のつぶやき。日本屈指のブルーウォーター派の魂が宿った1冊。「家庭画報」連載の単行本化。#石原慎太郎 #石原愼太郎 …
ヴァイオリニスト、メニューインの事実上最後の録音。精度にとらわれず大らかでリラックスした音楽をやっている。若き日のモルクが参加。#メニューイン #ヴィヴァルディ #ヴァイオリン協奏曲 #オーボエ #チェロ #オルガン #ヴァイオリニスト #指揮者 #ポーラ…
透明な質感からあちこちでジワジワ、ゾクゾクと暗く怖いものを抉る。終楽章の細かい棒捌きはバーンスタインの晩年と双璧だがあちらと違い、割合普通のテンポでやっているのが非凡。ワーグナーの濃い翳を宿す稜線の深い響きも素晴らしい。#インバル #チャイコ…
発売当時レーガーが入っているのに驚いた。ライナーノーツには園田さん自らの筆で作曲家との出会いが綴られる。#園田高弘 #レーガー #シューマン #リスト #ピアノ #クラシック音楽 #放送音源 #意外な名演 #掘り出し物 色合いの変化で聴かせるシューマンの小…
いわゆるクロスオーバーのはしり。グラッペリがメニューインに書いた曲が意外と普通でガクッとくる以外は心和む時間。#メニューイン #グラッペリ #夢の共演 #クロスオーバー #クラシック音楽 #ジャズ #ヴァイオリン #emi グラッペリのキュッと響く音色、メニ…
ひとは見かけによらぬもの。フランクの曇りのないタッチにたちこめるロマンの香りの濃さ。ドビュッシー、ラヴェルはディテールを明瞭に捌きつつ、うっとりするほど流麗な仕上げ。サン・サーンス、プーランクの洒落っ気への対応力も鮮やか。1960年代、ベルリ…
ズッカーマンのヴァイオリン、エネルギーの強さ、音の張りと艶、慣習的な改変を排した解像度の高いディテール処理。ライヴでこの水準は驚異。クーベリックの録音については「好演率は高い反面、何かひと押し足りない」と思うことが多いが、本アルバムの指揮…
「自己主張と自己弁護の香りがかなり強烈」(中曾根氏本人による後記より)ながら伊藤隆、佐藤誠三郎の両先生の存在が利き、保守から見た戦後政治が人間の動きの見える形で起伏豊かに語られる。首相時代の日記の参照を許されたのも大きい。末尾の21世紀の日…
100万ドルサウンドの粋を集めたアルバム。光沢と上品なうねり。弦楽器の量感はもとより、オーボエなど木管楽器のビロード系の音色が耳に残る。今後未来永劫絶対出ない、聴けない性質のサウンド。#クラシック音楽 #オーマンディ #フィラデルフィア管弦楽団 #…
楽譜から見えてくるクラシック音楽の面白さ、指揮の核心、音楽家の人間的断面を洒落た筆致で綴る。1982年~1983年にかけて書かれたもの。岩城さんは病気する前で世界のあちこちでブイブイいわせていた。従って海外ネタが多く挟まれ、有名なメルボルンにおけ…
誰ひとりズッカーマンに指揮をして欲しいひとはいるまい。しかしこの弦楽主体の英国音楽アルバムはRPOの好演に助けられ、優しいタッチのサウンドで聴き手をしっとりさせる。揚げひばりのほのかな光沢の澄んだヴァイオリン、「In Moonlight」のベルベット調の…
こういう顔したピアニストが透明にして艶の漂う響きを奏でる。だから演奏、音楽は面白い。#クラシック音楽 #園田高弘 #ドビュッシー #ラヴェル #サンサーンス #練習曲集 #第1巻 #ピアノ協奏曲 #みかけによらず #ピアノソロ #放送録音 課せられた要素を綿密に…
ボストン交響楽団で第1ヴァイオリン奏者などを約30年務めた著者の音楽的回想録。大指揮者のエピソードが毒を秘めたユーモアにくるまれて次々登場。巷にあふれる「クラシックちょっといい話」みたいな本の元ネタのひとつ。たちの悪い本だと出典なしで流用され…
単に日本の戦後のみならず、近代からの日本や日本人の特徴が世界の思潮にどう向き合ってきたか、アメリカの影響圏のあり方、そして憲法改正と日本人のこれからまで論じる。各々の発言を長めに連ねた編集が好ましい。西部氏の発言の端々には後の彼の運命が透…
ルドヴィート・カンタの弾くリベルタンゴが絶品。メロディの歌わせ方の上品な艶。メインのマイケル・ダウス〔vn.と指揮〕、OEKの「2つの四季」も決して悪くないけどついつい終わりから聴いちゃうCD。#oek #カンタ #ルドヴィートカンタ #ダウス #マイケルダウ…
近所の図書館でやっていた表題の掲示のひそみにならって。 サー・アーサー・コナン・ドイル『シャーロック・ホームズの冒険』(偕成社文庫) 超人的な能力を持つ探偵、平凡だが情に厚いパートナーの存在、ちょっとした発端から顔を出す恐るべき犯罪などキャラク…
ルドヴィート・カンタのチェロ小品集。しなやかな気品漂う音楽。木の香りのする色付けが1曲1曲に施されている。ドヴォルザーク、グラズノフの切ない余韻は何度聴いてもしっとりする。カザルス以外の「鳥の歌」がこれほど説得力を放った例は稀有。上田晴子の…
俗に言う「ドボコン」。第3楽章の潮が引いてからチェロが連綿と燻し銀の哀愁に満ちたメロディを弾くところがお気に入り。 ロストロポーヴィチ〔チェロ〕、小澤征爾指揮、NHK交響楽団 Dvořák: Cello Concerto + 1 / Rostropovich Ozawa NHK Symphony Orchestr…
産経新聞の辛口コラムとは全く違う創作に対して誠実な女流文士の肖像。作家になるまでの人格を形作った複雑な家庭、創作に至る道程や意識、文章作法などをシンプルに記した文学的自叙伝。#曽野綾子 #曾野綾子 #三浦朱門 #読書 #新潮文庫 #内幕 #自叙伝 #意外…
※一部ネタばれあり※前回の続き。 choku-tn.hatenablog.com 第8位:銀星号事件(『シャーロック・ホームズの回想』) ラストシーンは競馬のルール上あり得ない展開だし、銀星号の行動の動物学的矛盾もしばしば突っ込まれる作品。しかしホームズの驚くほど快活な…