アフターアワーズ

山椒系ちょくの切り抜き帖

2/11:阪田知樹ピアノリサイタル【リストの核心を明晰に】

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本日はこちら。#リスト #阪田知樹 #ピアノ #ピアニスト #ピアノソロ #リサイタル #横浜みなとみらいホール #2019年 #2月11日 #平成31年 #建国記念の日 #超絶技巧 #オールリスト #pianist #クラシック音楽 #クラシックコンサート

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アンコール。#阪田知樹 #ピアノソロ #ピアニスト #ピアノ #ヴォカリーズ #ガーシュウィン #アイガットリズム #ラフマニノフ #トランスクリプション #バガテル #ベートーヴェン #シューマン #献呈 #アンコール #横浜みなとみらいホール #2月11日 #2019年 #平成31年 #建国記念の日 #リサイタル #クラシック音楽 #クラシックコンサート

ピアニスト阪田知樹については何度か取り上げている。

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今回は2016年フランツ・リスト国際コンクール第1位の阪田が練りに練った3部構成のリスト尽くしのプログラム。

第1部は演奏機会の少ない4作品と自身のカデンツァを挿入したハンガリー狂詩曲第2番。冒頭のバラード第1番から自在に明暗の変化する澄んだ質感のタッチ、中間部のコミカルな部分の切り替えの妙を聴かせ、聴き手の心をひきつける。続いて「パガニーニによる超絶技巧練習曲」から2曲。後の「パガニーニの主題による大練習曲」の草稿的存在でより尖った要素が目立つ。阪田は弾力性のある解像度の高い展開により立ちはだかる難所を面白さとしてくっきり提示。単に珍品を弾いた次元を軽々と超え、「完成形」とひと味違うリストの荒々しいアイデアの息吹を伝えた。かつてこの作品を録音したニコライ・ペトロフに聴かせたかったと思う。締めのハンガリー狂詩曲第2番は流麗にして野趣漂う彫りの深い内容。自作のカデンツァもさじ加減が巧く「程よく驚かせてなおリストから遊離しない」佳品。

第2部のピアノ・ソナタは序盤やや硬い雰囲気だったが次第にしなやかできめ細やか、しかも厚みのある響きが拡がる。要の音形の処理が明瞭かつ強靭なので音楽の山と谷が的確に繋がり、論理的でありながら妖気の渦巻く要素も抱え、なかなかとらえづらい本作のピアノソナタとしての構築美を浮かび上がらせる。最後の一音の意味深かったこと。

第3部は「有名な方」の「ラ・カンパネッラ」に魅惑のトランスクリプション2曲。「アデライーデ」の清楚な高ぶりは胸にしみた。そしてリサイタルの白眉だったのが「ノルマ」。リストの仕掛けた音の動きを緻密に掴まえ、まばゆいほどの色彩の変化を脈動する中で織り込む。立ち昇るベルリーニとリストの美の饗宴にハッとさせられた。

客席は沸きに沸き(それでいて行儀はいい。このピアニストの公演は聴衆の質が高い)、アンコール4曲。ベートーヴェンのバガテルの玲瓏たる調べに阪田の計り知れない器を想う。その先へ、期待が一層膨らむ至福のひと時だった。

※文中敬称略※

【SACDハイブリッド】スペイン狂詩曲~阪田知樹デビュー!

四月は君の嘘 僕と君との音楽帳

リスト: 「ノルマ」の回想(ベッリーニ)/ホルヘ・ボレット(ピアノ)

「愛の歌」アデライーデ/野ばら/献呈/歌の翼に、他 /ヘルマン・プライ

クラシカルDJが言葉でアーティストをリミックス!?【Aoi Mizunoの新しい1ページ】

2018年、「史上初のクラシカルDJ」として持てる才能を広く知らしめたAoi Mizuno。

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アルバムリリース以降、ラジオ出演オファーがひっきりなしの売れっ子になったが驕ることなく、地道に続けてきた主宰イヴェントをさらに進化、発展させるなど信条のクラシックの入り口を開く活動に心血を注いでいる。

そして2019年2月、彼が新たに始めたのがnoteでの発信。アーティストの魅力を瑞々しい言葉で解剖し、クラシック音楽の特有の面白さを分かりやすく伝える。最初に取り上げているのがいま世界中で熱視線を浴びる指揮者テオドール・クルレンツィス。

note.mu

Aoi Mizuno/ミレニアルズ-ウィ・ウィル・クラシック・ユー-

テオドール・クルレンツィス指揮 ムジカエテルナ/マーラー:交響曲第6番イ短調「悲劇的」

テオドール・クルレンツィス指揮 ムジカエテルナ/チャイコフスキー:交響曲第6番「悲愴」

前述した彼主宰のイヴェント「東京ピアノ爆団」第5回公演は2月25日に吉祥寺starpines cafeで開催。

www.instagram.com

2019年もAoi Mizunoは躍動し続ける。

魂に射し込む繊細な光の陰影【現代印象派画家KOH個展】

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友人の音楽家から教えてもらった現代印象派画家KOHさんの個展(六本木kristal&glam)に。瞬く光の拡がり、奥行きに意識ごと引き込まれる。濃淡、光の粒の繊細さと立体感。実物は写真とは異次元の美。2月7日まで。#油彩 #2019年 #2月3日 #koh #現代印象派 #個展 #線香花火 #kristalandglam #画家koh #painter

https://www.instagram.com/p/BtaR7PcFjrB/

続き。#koh #油彩 #現代印象派 #線香花火 #2019年 #2月3日 #写真じゃ伝わらない #個展 #画家koh #kristalandglam #painter

写真で見たときは濃淡の感覚の鋭さ、スラっとした光に目を奪われたが、実物の絵はもっと重層的で奥深い世界を宿す。

上の絵の場合、木の間から光の粒がわき立ち、見る者の身体に降り注ぐ。下の絵では写真だと黒い平面に見えてしまうところにも色彩の凹凸があり、中心から出た火花が消えゆくまでが空気の動きとして伝わる。

「現代印象派」というと何か回帰調芸術を想起する向きもあろうが全く違う。刈り込まれた鮮度の高い質感とそこに映る寂しさが接したひとの心を開き、動かす。油彩の新しい地平を拓く存在だ。

www.koh-art-studio.com

1/29:猪瀬直樹講演会「この国のゆくえ」【歪みを正し、ひとりひとりが前に歩む】

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55歳定年、68歳平均寿命の時代に作られた年金のしくみではおかしくなって当然。高齢者の労働市場を整備、年金の支給開始は適正な時期に。「高齢者いじめ」ではなく歪みを正す。五輪招致は健康寿命を伸ばす取り組みの一環だった。ひとりひとりが「必然」を果たすところからのみ「偶然」は生まれる。嵐の起源、ワシントンハイツ→ジャニー喜多川→ジャニーズ。歴史(公)と時間(私)の葛藤から文学は生まれる。カズオ・イシグロにはそれがあり村上春樹は「私」のみ。#猪瀬直樹 #講演会 #備忘録 #1月29日 #2019年 #平成31年 #東京ウィメンズプラザ #日本環境教育機構

〔講演を聞いて考えたこと〕

  • 55歳定年、60歳から年金をもらい、数年で死ぬ。これを前提に現在の年金、医療など社会保障全般は構築されている。しかし現状は60歳定年、65歳から年金をもらうとして男性なら80歳、女性なら85歳まで生きる。つまり年金をもらう期間が恐ろしく長くなったのだ。これでは社会保障の負担が増すばかり。社会保険の企業負担分も増える一方で給料から引かれる分に跳ね返るので総所得は増えても給料は一向に増えない。構造改革を実行し、高齢者の労働市場を形作り、額はきっちり確保したうえで年金の受給開始を後ろにずらす。また健康増進政策で健康寿命(現在は男性72歳、女性76歳)を伸ばせば医療費の抑制が見えてくる。
  • 何事も思想とコスト意識が大切。刑務所だって刑期の短い連中向けの施設ならセコムやALSOKが保守し、職業訓練小学館が入ってパソコン教室をする形態の方が効率よく運用できるそうだ。猪瀬氏が東京都知事として五輪招致に乗り出したとき、「お金はかけず、環境技術やイノベーションを中心に据えた先進国の五輪をやる」というはっきりした思想とコスト意識があった。ところが猪瀬氏は失脚、以降エンブレム、競技場、施設整備とあらゆるところで綻びが露見、いまや2020年東京五輪はやっかいもの一歩手前。
  • 構造改革を怠ったので平成日本は衰退し、国ばかりかひとの意識構造まで歪んだ。2020年のその先の日本を朽ちさせないため、教育、労働、社会保障全体の構造改革が今こそ必要。国の歪みを是正し、ひとりひとりが自らの「必然」をきっちりやる。日本のゆくえはそれができるかにかかっている。 

1/19:髙橋望ゴルトベルク変奏曲2019【継続がもたらす熟成】

https://www.instagram.com/p/BtDsNL3FDYd/

毎年1月にゴルトベルク変奏曲を弾くピアニスト、髙橋望。芯のある活動を行う音楽家の熟成は聴いていて気持ちいい。#髙橋望 #高橋望 #ピアニスト #ピアノソロ #ピアノリサイタル #ゴルトベルク変奏曲 #ルーテル市ヶ谷ホール #2019年 #1月19日 #バッハ #jsバッハ #継続は力なり

曲目〕※全てJ.S.バッハ作曲※

カンタータ「心と口と行いと生活で」BMV.147より「主よ、人の望みの喜びよ」

ゴルトベルク変奏曲BMV.988

ピアニスト髙橋望は毎年1月に行うJ.S.バッハゴルトベルク変奏曲を弾くコンサートや先立って催すレクチャーが心ある音楽ファンから支持されてきた。2018年の春夏には同じバッハの平均律クラヴィーア曲集第1巻のCDリリースやコンサートがあり、CDは雑誌「レコード芸術」特選盤となり、その実力を広く印象付けた。

本年の演奏は2018年と基本姿勢は共通だが響き全体のアップダウンの稜線が丸く滑らかになり、一音一音の抉りも一層洗練された。個々の変奏の特色を鋭く描きつつ、変奏同士がお互い呼び合う趣が漂い、作品全体の調和が的確に浮かび上がっていた。それゆえか濃密な時間の割に疲労感とは無縁で気持ち良く帰れた。
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J.S.バッハ: ゴルトベルク変奏曲 BWV.988 髙橋望

J.S.バッハ: 「平均律クラヴィーア曲集」第1巻BWV.849-869(全曲) 髙橋望

トロイメライ 髙橋望ピアノ・アルバム

シューベルト:ピアノ・トリオ第2番 Op.100 D.929; シベリウス:ヴァイオリンとピアノのための小品 Op.81-3, 他/新井淑子(Vn)、セッポ・キマネン(Vc)、高橋望(Pf)

1/16:阪田知樹リサイタル@HAKUJU HALL【2019年ひときわ輝くピアニスト】

https://www.instagram.com/p/BsuFajIlzYM/

昨日はこちら。ラフマニノフの音楽の多面性に魅了。#阪田知樹 #ピアノリサイタル #hakujuhall #1月16日 #2019年 #クラシックコンサート #クラシック音楽 #ピアノソロ #ラフマニノフ #楽興の時 #ヴォカリーズ #トランスクリプション

〔曲目〕※全てラフマニノフ作曲※

幻想的小曲集op.3より第2曲前奏曲嬰ハ短調「鐘」

前奏曲集op.23より第1番、第2番、第3番、第4番、第5番、第7番

ヴォカリーズop.34-14(阪田知樹編)

楽興の時op.16

~アンコール~

12の歌op-21より第7曲「ここは素晴らしい場所」(阪田知樹編)

ラフマニノフの計り知れない音楽性のつづら折りが繰り広げられた休憩なしの1時間。前奏曲の5番、7番の両手による交響楽、楽興の時第3番の苦いモノローグ、同第6番の近代性に潜む白樺への郷愁。ヴォカリーズも単にメロディを歌うのみならずある種の痛みが研ぎ澄まされた音色に宿る。翳の濃い音色、エッジのきいたタッチ、織り成しの美しさ・・・音楽の多面性に寄り添い、一音一音深く抉りつつ、全体としては流麗な稜線の響きを展開する奏者の器に敬服した。

https://www.instagram.com/p/Bsw0i4lFqQw/

タッチの深さの使い分けがうまく、響きの稜線が美しい。抉りと流麗な質感のバランス。#リスト #スペイン狂詩曲 #スクリャービン #詩曲 #ハイブリッド盤 #cd #sacd #オクタヴィア #クラシック音楽 #ピアノ #ピアノソロ #ショパン #阪田知樹 #ラフマニノフ #トランスクリプション #セッション録音 #トリトン

リスト、ラフマニノフ/【SACDハイブリッド】スペイン狂詩曲~阪田知樹デビュー!

My Favorite Rachmaninov -Etude-Tableau op.39/Piano Sonata No.2/etc(1960-75):Van Cliburn(p)

四月は君の嘘 僕と君との音楽帳

Virtuosity - The Fourteenth Van Cliburn International Piano Competition

阪田知樹の並外れた実力と奥深い知性に対する注目度は急上昇中。1月14日のBS日テレ出演に続き、1月21日にはFM出演がある。2018年1月27日にライプツィヒのゲヴァントハウス(メンデルスゾーンホール)で行ったリサイタルの模様を本人のコメントを交えて放送する。

www4.nhk.or.jp

2019年は阪田知樹から目が離せない。

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※文中敬称略

『レコードうら・おもて』【レッグ&シュヴァルツコップ回想録】

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「レコードの帝王」と称されたブロデューサー、ウォルター・レッグ没後40年。本書は夫人のシュヴァルツコップが亡き夫の遺した「まだ書いていない自伝からの頁」に自身の口述や仕事仲間の文章を加えてまとめた回想録。仮にレッグの単著だったら「うら」をもっと寸鉄釘刺す筆致で明かしただろう。原書刊行1982年、邦訳1986年。序文ヘルベルト・フォン・カラヤン。#クラシック音楽 #読書 #シュヴァルツコップ #ウォルターレッグ #レッグ #音楽之友社 #裏話 #回想録 #検閲あり #クレンペラー #ビーチャム

刊行当時、まだレッグと仕事した関係者の多くが存命だったのでマスタークラスなどで生活していたシュヴァルツコップは夫の遺稿をかなり「丸めて」いる。

レッグの画期的な業績は1930年代前半、採算性の厳しい企画を通すために前もって購入希望者を募り、その予約金を経費に充てる方法を編み出したこと。現代のクラウドファンディングのようなこの「協会方式」でヴォルフの歌曲シリーズ、エドヴィン・フィッシャーによるJ.S.バッハ:平均律クラヴィーア曲集、ビーチャム指揮のモーツァルト:歌劇「魔笛」全曲のレコード化などが実現した。なおヴォルフの企画は資金集めに苦労していたら日本から100人以上の予約があって一気に片付いたという。

ビーチャム、フルトヴェングラークレンペラーカラヤン、マタチッチ、カラス、そして夫人のシュヴァルツコップ・・・20世紀の大音楽家の多くと仕事をし、フィルハーモニア管弦楽団創立者でもあったレッグだが1963年にEMIを退職、1964年に楽団の解散を宣言(楽団はクレンペラーと楽団員を中心にまとまり自主運営で存続)して以降はシュヴァルツコップの録音やマスタークラス以外、表立った活動はなかった。

R.Strauss: Der Rosenkavalier / Herbert von Karajan, Philharmonia Orchestra, Elisabeth Schwarzkopf

Hans Hotter Sings J.S.Bach, Brahms, Schubert, Schumann, Loewe, etc